表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/163

5 魔法のエネルギー

 鼻血事件の翌日、ウードは俺との散歩を自粛するらしい。

 何てことだ……。

 マリーとも散歩に行くが、彼女は危険だと思ったり、俺に良くないと思う場所には俺が行きたがっても絶対に連れて行ってくれないのだ。

 まぁ俺だって、マリーが超絶美人なのは分かっているので、アブナイ場所には行きたいとは言わないのではあるが、その点ウードであればあの見た目なので多少の所であれば行ってくれる。


 だが、昨日俺が大興奮して鼻血を噴き出した事で、ウードは自信がなくなったのだそうだ。

 参ったな。まだ色々見たいのに……。

 とはいえ、暫くは我慢するしかないか。パパが元気になったらまたおねだりしてみよう。

 きっと俺が笑顔で行こうと言えば行ってくれるはずだ!

 そういえば俺はまだ自分の顔を見たことがないが、まさかとは思うが、パパ似じゃないよな……?

 鏡を見るのが若干怖くなったぞ。

 とはいえ、まだこの家で鏡を見たことはないので暫くは見なくてすむだろう。


 俺はそんな事をつらつらと考えつつ、ベッドの上でゴロゴロしていた。

 そうだ。魔法。魔法について考えてみよう。

 興奮しすぎてあんまりよく見てはいなかったが、あの少女含め、詠唱をしてはいなかった気がする。

 無詠唱ってやつだな! でもこう、ファイアボール!とか叫ぶのカッコイイと思うんだけどな。

 でもまぁ、普通に考えたらそんな分かりやすいの叫んだらすぐ対応されるよな。

 紅蓮の焔を纏いし我が拳よ……とかの詠唱がないのはまぁ良かったと思うべきか。

 さすがにこういう詠唱は恥ずかしくてたまらん。

 さて、となると魔法、どうやって使うんだろうか。

 いつか小説で見た方法をやってみようか。

 まずは魔法のエネルギーを感じてみる!

 俺は目を瞑って己の内を感じようとしてみる…………。


 …………………………

 ……………………

 ………………

 …………

 ……


 ――分かるわけがない。なんだよ、魔法のエネルギーって。

 魔法のない世界で生きてきた俺に分かるわけがなかった。

 いやでも、ヒントはあったのだ。

 あれだな、少女のかけてくれたヒール。

 あの感覚を思い出せ、俺。

 少女の手から緑色の光が出て、俺の体を包み込んだ。

 ――いや、包み込んではいない。妄想を盛った。

 そう、緑の光が出て俺の顔面に光が当たったんだ。

 そしたら何かがこう、すーっと入ってきたような感じがして、あったかくてぽかぽかしたんだよな。

 多分、これだ。すーっと入ってきた物が、所謂(いわゆる)魔法エネルギーってやつだな。

 あの感覚を体内で探せばいいんだ。

 無理な気がすごくするけどやってみないことには始まらん!

 ――俺は自分の中に意識を集中した。


 五分、十分……?どのくらいかは分からない、でも今確かに、――何かを感じた。

 あれだ、あれを探せばいける気がする。

 更に俺は集中する。

 もう少し、もう少しで見つかる、捕まえられる! そう思った瞬間、俺は抱き上げられた。


「ルカどうしたの? うんうん唸って……大丈夫かしら……?」


 ああ……後ちょっとだったのに……。

 俺はマリーに向かって不機嫌な声を出した。


「あらあら、何か楽しいことをしていたの? ごめんね、ルカ」


 少し悲しそうな顔をマリーがする。それを見た俺は慌てて笑顔を浮かべた。


「まんま」


 俺の言葉にマリーはぱっと笑顔を見せた。ふぅ危なかったぜ……。

 母親といえど、女を泣かせるのは男がすたるってもんだ!

 まぁ仕方ない。また一人になった時にでもあの感覚を探すとするか。


 とりあえずは腹減ったし、おっぱいをねだろう。


お読みいただきありがとうございます。

評価ブクマをして頂けますと喜びます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

闇の世界の住人達

前作になります。まだ連載中ですが、すでに最後まで書き終えています。

もし良かったら↑のリンクから見てみて下さい。

小説家になろう 勝手にランキング
cont_access.php?citi_cont_id=424223061&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ