32 必要な魔法を考える、それにしても弟が可愛い
本日は3話更新で、2話目です。31もあるので先にそちらを。
家に帰ってきた俺はカールと遊びつつも頭の片隅ではどんな魔法が必要か考えていた。
冒険者ということは危険は当然ある。
現状は防護の魔法があるので物理攻撃には強いが、魔法には効果がない。
スマフォで調べた限りではモンスターも魔法を使ってくるのだ。
しかも人よりも多彩な魔法を使ってくる。
なので必要なのは俺以外からのあらゆる魔法を無効化する防御魔法だろうか。
――そこで俺はカールや両親に対する防護魔法について変えないといけないのを思い出した。
現状は過度な暴力による攻撃を無効化する物なのだが、それは両親は問題ないが、カールがいつか傲慢になる可能性があるという指摘を受けた。
俺の弟に限ってそんなことはないと断言したいところではあるのだが、そういう考えは危険なのだ。
なので、新しく魔法を開発することにした。
絶対に避けたいのは死だ。それだけは避けたいというか、絶対だめだ。
なので、まず死に至る攻撃は防がないといけない。
だけど、痛みや苦しみは知るべきだろう。
そこで俺は痛みや苦しみは感じるがダメージは軽度で抑えるという魔法にした。
例えば、刺された場合だと、痛みは刺された痛みそのままだが、傷は、軽い切り傷より少しだけ深い程度、殴打なら、骨折や内部へのダメージはなし、魔法や毒によるダメージなら多少の魔法に対するダメージの症状、そして毒も同じ感じで、それぞれの毒の作用が多少ある程度というところだ。
もちろん特殊な内部にダメージを与える攻撃などに関しては無効化するけども。
名称としては普通に致死ダメージ軽減魔法でいいだろう。
これはカールが寝た後にでも作るとして、次に取り掛かろう。
現状の防護魔法は物理ダメージを食らうと衝撃は受ける仕様なので、これでは問題がある。
これはこれで置いとくとして、新しく作ろう。
となるとどのような魔法がいいか。
物理系、魔法系、毒物系、精神系、後は、ああ、酸系だな、まぁあらゆるダメージの完全無効化だな。
とはいえ、これでゴリ押し戦闘は俺達の成長にはならないので、あくまでも保険としておくべきだろうな。
基本的には余程の危険ではない限りこれは使わず、致死ダメージ軽減魔法でいいだろう。
とりあえずこの魔法の名称は単純に完全無効化魔法でいいか。
防御はこれでいいとして、次は攻撃補助やその他補助系か?
とりあえずは無難に付与魔法と、個別にかける強化や補助魔法を作ればいいか。
んー、それにしてもカールは可愛いなぁ。
――そうだよな。そうだ。可愛いカールの姿を残すべきだろ!
俺としたことが!デジタルカメラ作っておけば良かった!
でも、デジタルカメラとか作れないしな……あっ!そうだ。具現化魔法で作ればいいじゃん。
俺が消そうと思わない限り消えないんだし、いいな!
よし、作ろう。
えーと、デジタルカメラ……。
頭の中で前世のデジタルカメラを思い浮かべる。
構造なんかは知らないが、そこは魔法の世界、どうとでもなる。
――よし、できた。
俺の手の中には想像した通りのデジタルカメラがある。
後はプリンターだな。
友達の家にあったプリンター、あれなら俺も触ったことあるしあれにしよう。
完成したプリンターをベッドの上に置いてから、俺はこちらを見て首を傾げる可愛い弟にカメラを向けた。
「カール、そのままだぞー。はいチーズ!」
カシャっと小さな音がした。
「お、撮れた。おおー!可愛い!」
「にー」
カールの声に目を向けると、更に可愛い弟の姿があった。
俺に向けて両手を突き出し、少し首を傾げるという小悪魔な姿が!
俺はそっこうで写真に収める。
その後も様々なカールの可愛い姿の写真を撮った。
俺は額を拭く仕草をしつついい仕事をしたと一息つく。
「にーいー!」
俺はカールの声に慌てた。この声は不満声なのだ。
そうだよな、俺が変なもん持って構ってくれないんだから怒るよな。
「あーカールごめんごめん。遊ぼうなー」
とはいえ、カールの可愛い姿を収めれたので大変満足である。
俺用の収納箱にカメラとプリンターを入れてカールの相手をすることにした。
そこで俺はカールの相手をしつつも、必要な物を思いついた。
定番中の定番なのに完全に忘れていたのだ。
――そう、アイテムボックスです。
アイテムボックスの開発をしなければ!
さてどんなのがいいか……。
収納力は基本的に無限で、中は時間停止がいいな、中で腐られても困るし。
後は、何がどこにあるか分からないのは困るから、ゲームみたいなアイテム一覧が出て、そのアイテムを思い浮かべながら手を突っ込めばそれが取り出せるってのがいいよな。
ああ、後は触れたら即収納できるのと、大きい物なんかは取り出すのも大変だし、アイテム一覧をタップすれば外に出せるシステムも追加だ。
いや、それは手間がかかるな。
えーと、アイテム一覧は必須として、単純に思い浮かべれば手にででくるって仕様にしよう。
そうすれば大きい物や重いのもすぐ出せるしな。
うん、よし、これにしよう!
んー、思い浮かぶのはこれくらいか?――とりあえず一先ずはこれで良しとするか。
後は付与魔法や強化や補助も考えておこう。
俺はカールと遊びながらも魔法開発に勤しむ夜となった。
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