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17 鑑定魔法

本日も2話更新してます。16もありますのでご注意下さい。

 昼寝から起きた俺は早速魔法の改良をすることにした。

 まずは部屋内に消音魔法を展開する。

 これで少々音を出しても外には聞こえない。

 更には扉にロックの魔法をかける。

 といっても、この魔法はずっとではなく一回だけ扉を開けられないだけだ。

 というかずっともできるが、マリー対策なので一回だけにしてある。


 さて、今日のお散歩で必要だと思ったのが、鑑定魔法だな。

 後は、探索魔法と氷結槍の改良だ。

 まずは氷結槍の改良からだが、これはすぐに終わるな。


 俺は体内で氷結槍を作り、魔法の再構築をする。

 まぁ結局イメージだけなのでイメージの修正だな。

 氷結槍で氷が全身を凍結するのはいいが、その氷が長時間溶けないのは気軽に使えない。

 せいぜい一時間もすれば溶けるのが望ましい。

 そのイメージをのせて、再度氷結槍を作り出す。

 多分だけどこれで改良はされただろう。

 後はまた遊びに出かけた時に試そう。


 さて、次は探索魔法だな。

 今回の調査で分かったのは、人間とモンスターは魔素が濃いってことだな。

 とはいえ、人間とモンスターの見分けがつかないのは問題がある。

 そこで人間とモンスターの色を分けよう。

 まずは、モンスターは赤色、そして人間は緑色、動物は青色でいいだろう。

 魔法がどういう仕組みでできてるのかは知らないが、結局のとこイメージが全てってのは分かった。

 だからこれも強くイメージして設定してしまえば、後は魔法自体が判断してくれるだろう。


 で、だ。こっからですよ。

 更にこれを強化するんだけど、今日やってみて分かったのはぐるぐる見回して探すのが面倒ってことだ。

 というわけで、ミニマップを視界に追加する。


 強くイメージをして探索魔法を発動する。

 ――よし、成功だ。

 俺の視界の左下にミニマップができた。

 視線をそちらに動かしても別にミニマップは逃げていかない。ゲーム画面見てるみたいな感覚だな。


 そこには緑の光点がたくさん映っている。

 それと、青い点もぽつぽつある。あれ?赤い点もあるぞ!?

 え? 町中にモンスターいるの!?

 今まさに目の前をモンスターが通ってる!

 俺は慌てて窓に近寄って、木窓を開けた。

 そんな俺の目に飛び込んできたのは、赤く光っているあの六本足の顔がバクみたいな変な生き物だった。

 ミニマップを見ても、赤い光点はどうみても、あれだ。

 なるほど、モンスターを馬みたいに使っているのか……。

 俺は木窓を閉じるとほっと胸を撫でおろした。

 とりあえず探索魔法はこれでいい、必要な部分があれば再度追加すればいいだろう。


 さて、次は鑑定魔法だな。

 イメージとしては、その物体に対して俺が魔法を発動すればゲームの説明画面みたいにポップアップすれば便利でいいな。

 ま、イメージさえすれば後は魔法が自動で頑張るだろう。

 よし、イメージイメージ。そう、こんな感じでポップすればいいな。


 俺は目を開けて目の前にある椅子を見て鑑定魔法を発動する。

 すると、視界に電子板みたいなのが現れ、そこに文字が書かれている。

 どうも日本語で書かれているみたいだ。

 それとも日本語に見えてこの世界の文字なんだろうか?

 そういえばまだ文字を見たことがないな。後で調べるとしよう。

 とりあえずはこれだ。えー、どれどれ?


【木でできた椅子 一般的な平民の家にある椅子 評価E】

 評価?なんだこれ。とりあえず他も見てみよう。

【木でできたベッド 一般的な平民の家にあるベッド 評価E】

【木でできた机 一般的な平民の家にある机 評価E】

【木でできた積木 幼児が遊ぶための木でできた玩具 評価E】

【粗末な布 一般的な平民の家にある布 評価E】

【粗末な子供用の服 一般的な平民の子供が着る服 評価E】

 評価Eしかないじゃん。

 というか失礼な。この服はママが縫ってくれた服なんだぞ!

 まぁ生地は確かにゴワゴワしてて着心地は良くないが……。


 気を取り直して俺は他の部屋にある物も見ることにした。

 消音魔法とロックを解除して部屋から出る。

 廊下を歩きながらあちこちに目をやって鑑定していく。

 あ、あれだ。光る石、あれなんて言うんだろう。

【光る石 ダンジョンで多数産出される光る石 評価E】

 そのまんまだった。

 ていうか、ダンジョン! ダンジョンあるんだ! テンションあがるううう!!


 俺は鼻息荒くマリーがいるキッチンへと来た。


「あら、ルカ。目が覚めたの?」

「うん」

「何か飲む?」

「うん」


 俺は椅子によじ登り腰かけた。

 マリーは飲み物を入れてくれているようだ。

 その間にあれこれ鑑定をしていく。

【粗末な食器 一般的な平民の家にある食器 評価E】

【ナイフ とても上質なナイフ 評価B】

 おお!初めてのB評価!


「ママ、そのナイフってパパが作ったの?」

「ええ、そうよ。パパはこの町ではとっても腕のいい鍛冶師なのよ」


 そう言いながらマリーは俺に飲み物を出してくれた。

 ――といってもあっためた牛乳だけど。

 俺は牛乳を飲みつつアレコレ鑑定をした。

 基本的には全て評価Eだが、ウードの作った鉄製品は全て評価Bだった。

 パパ凄いな!


 ちなみに、牛乳は牛の乳ではなかった。

【バッフルホーンの乳 一般的に平民がよく飲む草食の大人しいモンスターの乳 評価E】

 モンスターの乳だったけど、まぁ味は牛乳だ。

 そして最後に気になってた鑑定をしてみた。

【マリー・ローレンツ 人間 女性 21歳 平民 状態:健康】

【ルカ・ローレンツ 人間 男性 4歳 平民 状態:健康 特殊:あらゆる魔法を創造、操ることができる大魔導士】

 え? ナニコレ、特殊? 大魔導士!?

 鑑定さん予想外の仕事してくれるな……。

 俺、ただ魔法の才能あるんだーって思ってたけど、違ったらしい。

 ていうかすごくない? 俺凄くない?

 どんな魔法でも作れて操れるって最強じゃん!

 これは開発のしがいがあるなぁ。思いついたら適当に作ってみよっと。


 俺は鑑定さんの仕事ぶりに驚きながらも新しい魔法の開発に心をときめかせることになった。

お読みいただきありがとうございます。

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闇の世界の住人達

前作になります。まだ連載中ですが、すでに最後まで書き終えています。

もし良かったら↑のリンクから見てみて下さい。

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