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異世界で魔王になったけど、観光したい。  作者: かしあ あお
一章
15/54

気持ち良すぎて中毒性がありそう。

「で、どうして気絶させられたのか理由を聞いてもいいか?」


 目が覚めると既に101階層に着いていた。竜は血飲みの者が倒したらしい。


「分かってないんだね……」

「魔王様、寿命を消費してるって言ったよね?」

「言ったけど……それがどうしたんだ?」


 あれだけ強いスキルだから、別に寿命を消費とかしても違和感無いと思うんだが……。


「使い過ぎたら死んじゃうんだよね?!」

「まぁそうだろ。寿命だからな」


「なんであんなに普通に使うの……?」

「いや、だって強いだろ?」

「レスティ、少しこっちに来て?魔王様はそこで待っててね」

「どうしたの師匠?」


 レスティが血飲みの者に連れられて歩いていく。…………100mくらい離れた所で止まり、話している。そんなに俺に聞かれたくない話なのか?


 5分ほどで帰ってくる。5分も何を話していたのか……。


「魔王、師匠と話した結果、もうダンジョンから出よう。って話になったから、帰ろう?」

「……何で急に?」

「魔王が死にそうだからだよ」

「いや、死にそうって……大丈夫だろ」


 まぁ、どのくらい消費するのか書いてなかったから、死ぬ可能性が無くはないが。


「魔王様、ダンジョン攻略は修行してからにしよう!いい師匠がいるんだよ?」

「レスティじゃないのか?」

「先代魔王様の師匠だよ!」

「なんとなく強そうだな」


 魔王の師匠ってゲームだと裏ボスとかだよな。……レスティって(魔王)の師匠だな。まさか裏ボスか……?


「強いよ!私よりも強いかな?」

「おお……血飲みの者がどのくらい強いのかよくわからないが、とりあえず強いのは分かった」

「夜の戦いは私の方が強いけどね!」

「夜の戦い……だと」


 夜の戦いってあれか?ベットが戦場の……


「私は半分吸血鬼だからね。……魔王様、いやらしいこと考えた?」

「魔王……」


 血飲みの者の楽しそうな視線とレスティの可哀想な物を見るような目線が凄く痛い。でも、仕方ないと思う。こんな美人が夜の戦いって言うとな……。


「魔王様、もしかしてまだDT?」

「な……っ、ナニヲイッテルンダ?」

「魔王様、演技下手だね!……私と卒業しよ?」

「師匠。それ以上その会話をするならさっき師匠が話してたこと魔王に話しちゃうよ?」


「レスティ、それはだめだよ?もし話したらレスティの血を飲み干しちゃうよ?」

「師匠はその会話を止めればいいだけでしょ?」


 血飲みの者と卒業か……最高だな。いや、でもしたらレスティが俺をどんな目で見るのか……。


「…………あ、そういえばダンジョン攻略を止めるって話なんだが、ここまで来てもったいなくないか?」

「魔王、ダンジョン攻略は止めよう?修行して出直そうよ」

「別に攻略に困っても無いのになんで修行して出直すんだよ……」


 なんでそこまでダンジョン攻略を止めようとするんだ?

 ……もしかして俺、寝かされてる間に何かしたのか?それで俺と居たくないとか?ありえるな。


「……分かった。攻略は止めて戻ろう」

「うん!ありがとう魔王様!それじゃあ、戻ろう!」

「あ、帰りも今来た道歩くのか……」

「そうだよー。さっきの竜もきっと復活してるよ?」


「そういえばどうやって竜を倒したんだ?」

「私が魔王様の魔力を使って倒したんだよ?」

「……まぁ、すぐに戦う事になるから、その時に見せてくれ」

「うん!ありがとう!」


 ありがとう?俺の魔力を使うっていうのは、どういう事なんだ……ありがとうと言われる事なのか?





「魔王様、いいかな……?」

「ああ、魔力か。いいぞ。どうやるのか分からないけど」

「ありがとう!それじゃあ、いただきます」


 血飲みの者の顔が俺の顔に近づいてくる。こ、これは、キスか?!まじかよ!目を瞑った方がいいのか?よし、瞑っておこう。

 ーー目を瞑っていると、首元に湿った感覚が伝わってくる。

 首にキスされたのかと思った直後、痛みと、それ以上の快感が首元を襲う。


「うぉっ?!」


 思わず変な声が出る。これは、なんというか快感が凄い。クセになりそうだ。気持ち良すぎて中毒性がありそう。

 これって、血を吸われてるのか?血飲みの者が俺の首元に顔を埋めて、口を付けて血を吸っていると。うわ、最後の血を吸っているが無かったら良かったのに。いやでも血を吸われてるからこんなに気持ちいいのか。


「魔王、表情が溶けてるよ……?ちょっと、気持ち悪いよ?」


 レスティが何か言っているが、気にならない。これは気持ちいいな……。で、いつまで吸っているんだろうか?


「師匠も、もう充分でしょ?!私の時より長く吸ってるよ?」


 レスティに言われて血飲みの者が首元から顔を離す。


「美味しくて、つい……魔王様、ごめんね!」

「いや、全然いい。いつでも来い!」

「魔王、師匠に血を吸われるとステータスが下がるよ?」

「え?」


 慌ててスマホみたいな物を開きステータスを確認する。




 水無瀬 空太

 魔王Lv1


 魔力120/348

 筋力288

 信仰0

 耐性328

 運10

 適性

 火A 水A 雷A 風A 氷A 光F 闇S

 スキル

 闇操作ー変質

 能力定期上昇エスカレーションステータス


 魔法技

 魔力過剰供給オーバーブーストLv1

 寿命過剰消費ライフブーストLv1

能力過剰強化スキルオーバーブーストLv1)



 称号

 闇の子 転移者




 ……下がってるのか?エスカレーションステータスがあるからむしろ上がってるな。


「……魔王、なんで少し笑ってるの?」

「え?ああ、いやまぁむしろ上がってるんだよな」

「上がってるの?どうして?」

「スキルにステータスが定期的に上昇するっていうのがあってな。それのおかげでむしろステータスは上がってる」


 さすが魔王スペックだ。いや、このスキルは何か強いスキルが欲しいって言ってもらったスキルか。


「魔王、ずるいね……」

「魔王だからな」


 魔王ってやっぱり理不尽な存在だよな。イメージだと。


「魔王様、それならもう少し飲んでもいいかな……?」

「師匠、だめだよ。早く竜を倒して帰ろうよ」

「むぅ、レスティがいじわる……」


 親子みたいで可愛いな。この2人なら何をしてても可愛いと思うけど。


「……魔王、なんでこっちを見てニヤニヤしてるの?」

「可愛いからだな」

「……っ!魔王は、本当に私で遊んでないの?」


「遊ぶって、なんでそうなるんだよ……」

「だってそんな事を普通に言っちゃうんだよ?!」

「いや、俺そんなに反応されること言った?!」


 レスティと楽しく話していると、竜がいる方から断末魔の悲鳴のような鳴き声が聞こえる。見ると、闇の剣を持った血飲みの者に体を2つに切られていた。


「血飲みの者、凄いんだな……」

「うん、師匠は凄いよ」


 血飲みの者を襲ったら返り討ちに遭いそうだな。いや、抵抗されない気がする。襲ってみようか……だめだ、レスティにゴミを見る目で見られ続けることになりそうだ。

 絶対に耐えられない。


「終わったよー。それじゃあ、40階層目指して頑張ろう!」

「おー」

「おー!」


 結構、ここまできて戻るのか……。何の成果も得られませんでしたとか言いたくなるな。

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