その5
キャンプ場へたどり着いた頃には、全員くたくたになっていました。お昼ごはんを食べたら、暗くなる前にテントを張らなければいけません。五人は料理班と設営班に分かれ、作業を始めます。
「礼理ー、そこのポール取ってー」
「今動けないですー」
「動けー。ああ茉子、そこは一人だと危ないから後でいいぞ」
「分かりましたりあ様っ。次は何をすればいいでしょうか!」
「とりまポールを裾に通す作業だな。……いやー、働くと暑いわ」
「働かなくても暑いですよ」
「だからお前は働けや」
「りあ様、ポール通し終わりました!」
「早!? ……ほんとに終わってるし。じゃあそっち持って、テント持ち上げるよー。……せーのっ」
「――わあ! すごいです、一瞬でテントが!」
「影だ! 涼んでいいですか!」
「働かざるもの涼むべからず」
「りあ様、次は何を!」
「次はペグ打ちだな。四隅とシートと」
「先輩、キャンプよくやるんですか?」
「よくはやらないけど、中学の時こういうの好きなやつがいてな。山もそこら中にあるし、休みになったら遊びに行ってた」
「なるほど……さすが、適材適所ってやつですね」
「話がつながってないし、いそいそと椅子を取り出すな」
「ペグ打ち終わりました!」
「ほら、もう茉子一人でいいんじゃないですかね」
「ありがとう、茉子はテントで涼んでてな。ほら礼理、続きやるぞ」
「ぎゃー! 日差しがー! 溶けるー!」