その1
四月の終わり。放課後の学校帰りに、礼理は恋詠の部屋へ遊びに来ていました。
アウトドアと聞いていやいやの礼理をつれ、ラウンジへ出る恋詠。ソファでは、りあがテレビを見ながらくつろいでいます。
「ということで、キャンプがしたいです!」
「私はしたくないですが」
「意見を一致させてから来い」
「りあちゃんはどうですか、キャンプ! ゴールデンウィーク空いてますか!?」
「ゴールデンウィークは空いてるけど、そもそもこの時期から予約取れるか?」
「そ、その発想はなかったっ!!」
「よし、廃案。ゴールデンウィークは家でのんびり過ごそう」
「待って待って、探せばあるかもだから! この近く山たくさんあるし、キャンプ場もきっとたくさんあるから!」
「そもそも探してないのかよ!」
「えーとえーと……木陰キャンプ場……湖畔キャンプ場……うーん……道端キャンプ場……中州キャンプ場……わーどこも埋まってる!」
「後ろ二つは空いてても行きたくないわ」
「人気のところは埋まってるだろうな。人気じゃないところでもいいなら、一つ知ってるとこあるぞ」
「教えてください!」
「教えないでください」
「どっちだよ」
「人気じゃないところってそれ、どうせ事故が多発して……とかなんじゃ」
「幽霊が出たり? 面白そう!」
「幽霊に会いたくも幽霊になりたくもないんだけど」
「あはは、まあそういう曰く付きではないと思うよ、そういう噂は聞かないし。山の上で少し遠いんだけど、近くまでバスも通ってるから悪くはないんじゃないかな。景色もいいよ」
「やったー、早速予約してきます!」
「ところで恋詠、キャンプ道具は持ってるの?」
「キャンプ道具? 着替え以外に何かありましたっけ」




