その5
バスケの練習を続けるりあと茉子。白熱したドリブル合戦が繰り広げられます。
(あのりあ様と……四堂りあ先輩と練習してるだなんて、夢のようだわ)
「はい、ブロック! 体捌きが甘い、もっと思い切って踏み込まないと!」
「はい!」
(さすがりあ様、もうバスケは辞めたと言っていたけど、腕は全然鈍ってないじゃない。負けてられない……!)
「よし、次!」
「はい!」
「ヘイ、マイボマイボ!」
「はい! って、あれ?」
「わわっ、危なっ! 茉子ちゃんパワフルだねー」
「な、何やってるのよ恋詠、ドッジの練習は?」
「礼ちゃんが飲み物買いに行くーって言ってどっか行っちゃったんだもん」
「よーし、恋詠もバスケするか! ボール投げてみ!」
「わーい、行きます! えーい」
「ちょっとー、どこ投げてるのよー!」
*
一方その頃、木陰の自販機の前で。
(うーん、もはやこのまま帰ってしまおうか……)
「あら、礼理ちゃ~ん」
「あ、雪先輩。先輩もバスケやるんですか?」
「私は様子を見に来ただけよ。礼理ちゃんは休憩中?」
「ま、まあそんなところです」
「それじゃあみんなを呼んできてくれる? 休憩にお菓子を持ってきたから」
「ええと……了解です……」
(こっそり帰る計画が……)
『わーい、行きます! えーい』
『ちょっとー、どこ投げてるのよー!』
「……ふふ、みんな楽しそうでいいわね」
「楽しそう……ですか」
『きゃーごめん茉子ちゃん! ワンモアプリーズ!』
『変な英語使わないでよ!』
「……はい。じゃあ、呼んできますね」
春の陽気に包まれて、今日もまた穏やかな一日が過ぎようとしています。
第五話につづく。




