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その3
河原に来た恋詠と礼理は、早速準備運動を始めます。
「まったく、なんで私までこんなこと……」
「スポーツに準備運動はつきものだよ、礼ちゃん。ちゃんとほぐさないと怪我しちゃうよ」
「そうじゃなくて、そのスポーツ自体がだよ。というか球技大会自体任意参加なはずなのに、各クラス全員一種目参加前提みたいな話で……」
「はーい文句言わずにグラウンド一周~」
「いやさすがにそれはいいでしょ!」
「何事も体づくりからだよ!」
「今からつくったところで間に合う体も間に合わないよ」
「それもそうかあ。よーし、それじゃあ早速特訓開始―!」
「で、特訓って何するの?」
「とりあえず体づくり?」
「なるほど、帰っていい?」
「だめだめ、じゃあまずはキャッチボールからね! ……いくよー、準備オッケー?」
「やる気はオッケーじゃないでーす」
「とうっ!」
「……お~。ナイス暴投」
「あれっ、ボール消えちゃった!」
「後ろ後ろ」
「なんでこんなとこに!?」
「これは優勝遠いなあ……」