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その2
朝ごはんを食べ、礼理の家にやってきた恋詠。なんとか学校で借りたドッジボールを片手に、インターホンを鳴らします。
【ピンポーン】
「あーやりちゃーん、あーそーぼー」
(起きてるかな……)
「…………」
(ううむ……)
【ピンポンピンポンピンポーン】
「あーやりちゃーん、あーそー……」
【ガチャッ】
「あ、礼ちゃんおはよう!」
「お帰りください……」
「今日は遊ぶ約束だよ! なにして遊ぶ?」
「その格好どう見ても準備万端だよね」
「ほとばしる情熱の証だよ! ということでドッジの練習いこう!」
「うーん、今起きたところだから、あと三時間くらい経ってからでいい?」
「体動かせば目も覚めるよきっと!」
「そもそも、どこでやるつもり? 学校以外がいい」
「じゃあ、礼ちゃんちの前とか?」
「小学生か。知り合いに会うのがいやなの」
「うーん、それなら……近くの河原に運動場あったよね? あそこならいいんじゃない」
「運動場かあ……運動部と遭遇しないとも限らないな……」
「とりあえずほら、運動着に着替えて! ゴーゴー!」
「はいはい、行きます行きます」