その7
ホームルームも終わり、恋詠は礼理を連れて校内探検を始めます。
「それにしても、一緒のクラスになれてよかった~。まさか八クラスもあるなんて思わなかったよ」
「そこそこの人気校みたいだしね。まあ正直、中学みたいに恋詠の飼い主やらされるのは面倒だけど」
「そんな言われ方してたのわたし!?」
「安心して、ちゃんと飼い慣らしてあげるから」
「もう、ちゃんと真面目な高校生になるもん!」
「……あ、担任の先生だ」
「ああ、一ノ瀬さんと……二海さん、で合ってたかな?」
「天原先生、入学式遅れてすみませんでした! 今後は気をつけます!」
「うん、反省しているのならよかった。ちゃんと反省できる生徒は私も応援したいからな。五月さんにも言っておいてくれ」
「はい、伝えておきます! 先生、何かお手伝いすることがあればいつでも言ってくださいね!」
「はは、それは助かるな。……一ノ瀬さんを見ていると、実家の犬を思い出すよ」
「あれ、どっちにしろ飼われてる!?」
「わかります、犬ですよね。ちなみに飼い主は私なので、何か粗相があれば言ってください」
「自分から言うのそれ!?」
「なるほど、二海さんは一ノ瀬さんの飼い主、と……」
「ちょっと、変なメモしないでくださいー!」




