14/37
その3
住宅街を走る恋詠は、犬とにらみ合う女の子に出会います。
「う~ワン! ワンワン!」
「なによこのイヌ~~~わんわん!」
「なにしてるの?」
「ぴゃあ!? だ、誰よあんた!」
「あ~ワンちゃんだ! かわいい~」
「ど、どこがよ! このイヌのせいで道が通れないんだけど!」
「なんで? ほーらよしよし、お姉ちゃん急いでるから通してね~。じゃあお先に!」
「あっ、ちょっと待ちなさい、置いてかないで~!」
*
「……はぁ、ひどい目にあったわ」
「茉子ちゃんも澄高の一年生だったなんてね~。これからよろしくね」
「一ノ瀬さん、遅刻しちゃうから走るわよ! 初日から遅刻とか、りあ様に合わせる顔がないわ」
「じゃあ競走だね! よーい、どん!」
「あっちょっと、ずるい、というか速い、置いてかないで~~!!」




