最弱と呼ばれた四天王と異世界から召喚された勇者 恋に気付くまで
初投稿になります。文字列、文章が滅茶苦茶ですが、少しでも楽しんでいただけたらと思います。
ゼフィト「いいから始めろよバカ」
いやいやゼフィト君、こう言うのは大切だと僕は思うんだ!ほら、ゼフィト君も挨拶して。
ゼフィト「えーと、四天王のゼフィトだ、まあ、作者がこんなだが、楽しんでいってくれ」
と、それではどうぞ!!
俺の名はゼフィト、四天王の一人だ。周りからは四天王最弱と言われている。
ゼフィトはいつも自由行動をしている。魔王の命令を無視するのもザラだ。一応招集には応じるが、命令は聞かない。戦争でも参加しなかった故に最弱と言われている。戦争を恐れる臆病者だと、誰もが何故あのような男が四天王にいるのか疑問に思っている。彼を何故魔王が四天王に入れ続けているのか。
ゼフィト「ふぁ〜、今日の伝令はなんだ?」
「勇者がやってきたとのことです」
ゼフィト「ほう、見て見るか」
「珍しいですね、出不精の貴方が自ら赴くなんて」
ゼフィト「なんて事はない、面白そうな事はやるってだけだ」
ゼフィトは唯一共に動くパートナーである、九尾のロコンと会話をする。ゼフィトは信頼するロコンには全てを話す、ロコンもまたそんなゼフィトを上司として、信頼する。実際はロコンはゼフィトにゾッコンなのだが・・・。
ロコン(ふはあ、ゼフィト様は今日もお美しい)
ゼフィトは魔族の中で最強の戦闘力を持つ種族、銀狼の先祖返りだ、その上、その銀狼とサシで殺り合っていた白虎との混血種だ。それ故にゼフィトは現在の魔族達の中で最強の存在だ。その事を知るのはロコンと魔王のみである。
ゼフィト「さあロコン、行くぞ」
ロコン「はい!!」
俺はロコンを連れてその勇者がいるという地点に飛んで行った。
side勇者
可笑しい、魔物は邪悪な存在のはず。なのにあの村では人間と同じように生活を営んでいる。一体どうなっているの!!
そんな思考をする女勇者の広瀬夏美、異世界の勇者の彼女は野営を行なっていた。焚き火にあたりながらもずっとそんな思考が頭の中をぐるぐる回っていた。
そうだわ、小説でもそんなものがあった気がする。人間も魔物も同じように生きているようなものが。でも魔物は町の外にいて人間を襲い続けている、どういう事なの?魔物と町で暮らす魔物は別物なの?
どれだけ考えても答えが導き出せない、超難解の数学の問題をやっている気分に夏美はなっていた。
「勇者というのは女だったのか」
そんな綺麗な声が耳に届く。私が顔を上げると、銀髪に犬耳と尻尾が生えた男性がいた。その後ろに狐耳と九本の尻尾が生えた女性の姿も、いや、私はその男性に見惚れていた。
「ん?勇者は魔族を見るとすぐに襲いかかってくる存在だと伝承で聞いたが、お前は勇者じゃないのか」
夏美「え?あ、はい、えっと、はい、わ、私が、勇者、です」
「勇者、なのか?随分言葉が途切れ途切れだが、もしや、これが身体障害というものなのか!?」
夏美「い、いえ、そういうわけでは、ただ、考え事してて・・・」
「・・・まさかお前、召喚された勇者か?」
夏美「な!どうしてわ・・・」
顎に手を当てて考え込むその男性を見て私は目を奪われた。一つ一つの動きが美しく感じる。この感じは、あの時に感じた初恋のようだった、一目惚れの感覚と同じ・・・。
夏美「ふわ!?」
「ん?どうしたんだ?いきなり声などあげて」
夏美「い、いえ、な、なんでも、でもどうしてわかったの?確かに私は召喚された勇者よ」
「ふむ、俺は昔にも召喚された勇者を見たことがある、そいつもお前と同じように魔界に来て悩むようになった・・・」
夏美「その人も、魔物と町に住む魔物の事を・・・」
「む?町の外に現れる魔物と俺達魔族は別物だぞ?」
夏美「え?」
「それに魔族というのは元々、人間の中に魔物を使役し、自分の力にする事が出来た存在の末裔だ、それの特徴としてその魔物の特徴の一部が体に現れるが、そんな彼等を異端者だとこの地に追いやり、魔を操る種族として魔族と呼ばれるようになった」
夏美「それって、つまり」
「魔族は人間だ、爪弾きにされ、この様な極地に追いやられた人間達の子孫、それが俺達だ」
つまり、町に住んでいたのは魔族、魔物の力を持った唯の人間?つまり、その頂点である魔王も人間?そういえば魔物が攻め込んで来た話に魔王が手引きしたとかそんな話があったけど、何を持って魔王が手引きしたと決めたの?それはつまり、勝手な罪の押し付け?でもそれがずっと昔の話なら今の人達に掛け合えば・・・そういえば例の勇者はどうなったんだろう。
夏美「ね、ねえ、その召喚された勇者はどうなったの?」
「残酷な話になるが、いいか?」
夏美「・・・うん」
「・・・今のお前の様に真実を知り、自分を召喚した国に帰った」
夏美「それってつまり、魔族と戦うのをやめたの?」
「ああ、そうだ、魔族達はそれで思ったよ、人間も実はいい奴もいるのだと、見直していた、だが、次の人間の国に潜伏していた仲間の報告を聞いて唖然とした」
夏美「それって・・・」
「その国の王は人々にこう告げた、勇者は魔物に洗脳され、魔物になってしまった、我々人間に攻撃を行う前にその首を落とす、とな」
夏美「!!」
男性は一呼吸置くと続きを話す。
「勇者は処刑された、それまで自分達を守って来た存在をなんの躊躇いもなく、自分達と同族の人間をなんの気遅れもなく、公開処刑した、その勇者の残した言葉は今でも覚えている」
私はゴクリと唾を飲み込む。
「勇者は、『魔族は人間と同じだった、それどころか人間よりも人情に溢れていた、寧ろ人間の方が魔物らしい、いや、人間は悪魔だ!!』そう叫んで首を落とされた」
私は心が締め付けられる思いになった。
「そういえば、奴は魔族の町に入った事もあったな、当時の勇者達は魔族を見ると即惨殺すると伝承にある、恐怖で町はパニックになった、逃げ惑う人々に勇者は驚いた、そんな彼に魔族の少女が駆け寄る、悲痛に叫んでいた、みんなを殺さないで!と、勇者は訳が分からなくなってその場に膝をついた、伝承を何度も聞いていたのだろう、歴代の勇者達はこんな心を持つ魔族達を殺して来たのだと、勇者は泣いていた、そんな彼に少女はハンカチを渡したんだ、考えられるか?殺されるかもしれない、そんな相手が涙を流したからといって、拭いてとハンカチを渡すんだ」
その男性は当時の事を思い出す様に話を続ける。
「勇者は逃げ出していったよ、その次の日から勇者は毎日その町に行った、段々と町の魔族から恐怖心も消えて行った、みんなが勇者に優しく接し始めた、それからだな、勇者はその町に住む様になった、それから勇者は一人の魔族の娘と恋に落ちた、確か魔王を打ち倒した勇者は国に帰ると国の姫と結婚するんだったな、恐らく勇者も魔王を打ち倒した暁には姫と結婚するんだろうが、勇者にもう魔王を倒す気はなかった、それで勇者は思ったんだろう、人間と魔族は共存できるはずだと、帰って来たら魔族の娘結婚しようと約束し、町の者達に一時の別れを告げて人間の国に帰って行った」
夏美はわかった、こうして繋がったのだと。
「町の者達は今か今かと待っていた、彼等にとって勇者はもう家族も当然だったんだ、そんな所に報告が来たんだ、勇者が人間達に処刑されたと、あの言葉も伝えられた、町の者達は皆涙を流した、勇者の心を開いたあの少女なんかは町中に響く様な大声で泣いた、婚約していた娘は・・・その報告を聞いてから、家の部屋に篭り続けたな・・・家族達は心配し続けていたが、ある日扉をこじ開けてみたみたいだ、そこにあったのは首を吊るし、生き絶えていた娘の姿だった」
夏美は涙を流していた。
「あの時俺は本気でその国を滅ぼしてやろうかと思ったよ、抑えられない様な怒りを感じたよ、だが魔王の命令で国を滅ぼすことはできなかった」
夏美「その、町は、今は?」
「ずっと前に滅ぼされた、人間達のゆうしゃによってな、皮肉なものだな、勇者を愛した町がゆうしゃによって滅ぼされるなんてな」
私は声が出せなくなった、私はそんな最低な奴らの味方をしていたのだと思うと、死にたくなった。
「・・・ふむ、嬉しいものだ、人間と魔族の話を聞いて泣いてくれるとはな、お前はあの国の奴等とは元から違うとわかった、そういえば自己紹介をしていなかったな、俺は四天王の一人、ゼフィトだ」
夏美「広瀬、夏美です」
ゼフィト「ナツミか、敬語は無しでいいからな、お前はもう魔族と戦う気はない様だが、一応四天王として勇者を放置することは出来ない、俺と来てもらっていいか?」
それを聞いた私は殺されるのかなと感じた、それを感じたのかゼフィトはこう付け足した。
ゼフィト「大丈夫だ、お前に手出しはさせない、俺はお前を気に入っているからな」
夏美「わかったわ、あなたに従う」
ゼフィト「ああ、よかった、ロコン、魔王に通達しておいてくれ、召喚勇者を保護した、とな」
ロコン「わかりました、ゼフィト様、気をつけてくださいね」
一瞬ロコンの視線が私に向かう、慕う視線から一転、敵視を感じた・・・そうか、あの人はわかったんだ、私がゼフィトに恋心の様なものを抱いている事を、あの人もまた、ゼフィトの事が好きなのだろう。
sideゼフィト
何なのだろうな、この女、ナツミを見ていると、何か引き寄せられる。まるでサキュバスの誘惑魔法の様だ、だが、俺にはもう状態異常は効かなくなっている。魔法ではない何かが、俺をナツミに引き寄せている。それを俺は心地よく感じている、これが俺に対して良いことなのか悪いことなのか、よくはわからない、だが、この気持ちをもっと感じていたかった。
俺はナツミを連れて魔王城に向かっていた。魔王の城に近づくにつれ、ナツミの顔色が悪くなっていくのを感じた。
ゼフィト「どうしたんだ?」
夏美「ゼフィトは、魔王が私を殺せと言ったら、殺すの?」
ゼフィト「・・・」
わからない、だが、ナツミを殺しても殺さなくても魔王には関係ないとは思っている。
ゼフィト「いや、殺さない、俺にはお前に聞かないといけない事がまだ沢山ある、利用価値があるのに殺させはしない」
するとナツミの顔色が良くなって来たのを感じた。そうだ、俺にはもっと知りたい事がある。魔王城の門が見えてくる。俺が近づくと門が開く。ナツミは顔色は良いが、緊張しているのは伝わってくる。
何故かはわからない、俺は何を思ってか、ナツミの頭を撫でる。ナツミも最初は驚いていたが、次第に笑顔になる、ああ、これだ、凄く心地いい、俺はこの気持ちが何なのか知りたい、恐らくナツミと共にいればいつかわかるかもしれない。それまではナツミを俺の側に置いておきたい。
魔王の部屋の前まで来る、そこには何故か他の四天王がいた。
「おい!こいつが勇者かよwめっちゃ弱そうじゃんwwなあゼフィト、そいつ俺にくれよwwいい声で泣きそうだwww」
こいつは『不死の死神』という二つ名を持つジャルドだ、アンデット系統の魔族で、人間を苛め潰すのが趣味な下郎だ。
「はあ、全く、お前はいつも趣味が悪いなジャルド、こんな弱そうな奴に俺は興味ないが、お前の様に弱者で遊ぶ不愉快な行動は許さん」
こいつは『竜王』の名を持つガヒュート、武人で、強い者との戦いを求める戦闘狂だ。
「またお前か、面倒事ばかり持って来やがって、お前などが四天王にいるなど、反吐がでるわ」
こいつは『魔王の頭脳』とか呼ばれる参謀のナルシファだ、事ある毎に俺に突っかかって来るムカつく奴だ。
ゼフィト「今はお前達に用はない、俺は魔王に会いに来たんだ」
ジャルド「おー?w釣れねえなぁゼフィトw」
ナルシファ「ふん、貴様の様なお荷物に魔王様はお会いにはならない、その人間の件は俺が引き受けよう、さっさと渡せ」
俺は溜息をつきながら。
ゼフィト「俺は勇者を引き渡しに来たわけじゃない、魔王と話に来たんだ」
ナルシファ「なんだと!?貴様!何を言っている!!」
ゼフィト「いいから退け、じゃないと四天王であるお前らでも容赦はしない」
ナルシファ「何?四天王最弱の貴様が容赦はしないだと?」
ジャルド「フヘヘ、どう容赦しないのか試しグブエェ!?」
一瞬でジャルドが飛び散った。
ゼフィト「言ったはずだ、容赦はしないと、お前達の様な雑魚共に構ってる暇はないと言っているんだ」
ナルシファ「ふ、フザケルナ!?今まで戦争に参加しなかった臆病者が何を言って」
ゼフィト「はあ、わかってねえな、雑魚のお前らの為に俺は身を引いてやってんだ、俺が出たらお前らの手柄がなくなるからな、お前らの顔を立ててやってるんだ、感謝してほしいものだ」
ナルシファ「なっ、なっ、き、貴様!!」
ガヒュート「やめておけナルシファ」
ナルシファ「ガヒュート!何故止める!!」
今にも飛び出そうとしたナルシファをガヒュートが止める。
ガヒュート「奴にはその実力がある、俺にも奴がジャルドに何をしたのかわからなかった」
するとガヒュートが剣を抜く。
ガヒュート「お前に決闘を申し込む」
ゼフィト「相手にしてる暇がないと言っている、これで幕だ」
ガヒュートにはゼフィトが一瞬だけブレた様にしか見えなかった。何故かバランスを崩して倒れた、気が付いた時には足がなかった。
ゼフィト「俺は元々魔王の指名で四天王の一つ上の役職に立つはずだった、だがそれだと自由に行動できなかったから俺が自分から四天王に落ち着いた、言うなればお前達の上司になるはずだった存在だ、お前らと比べて弱いはずがない」
ゼフィトはナルシファとガヒュートを一瞥して魔王の元に行こうとする、とゼフィトが思い出した様にあっ、と声を上げる。
ゼフィト「そうそう、ジャルドは不死属性を消して殺したからもう蘇らない、だから新しい四天王を選出しておいてくれ」
そうしてゼフィトはナツミを連れて中に入る。
中はまるで姫様のお部屋の様だった。
「あ!ゼフィト!久しぶりね!」
中にいたのは姫の様な美しい女がいた。
ゼフィト「いつ見ても魔王とは思えない容姿だよな」
「よく言われるわ、で、その子が例の勇者ね」
夏美「夏美です」
ベル「ナツミ、ね、大変だったわね、私は魔王のベルゼキュート、気軽にベルって呼んでね」
挨拶を済ませる。
ゼフィト「ベル、ナツミは俺が貰うがいいか?」
ベル「いいよ、ナツミちゃんもそれを望んでる様だし」
夏美「いや、わ、私は別に・・・」
ゼフィト「俺は嫌か?」
ベル「なんだ、ゼフィトは嫌か、なら私のところにする?色々調べさせて貰うけど、体の中身とか」
夏美「ゼフィトのところに行きます!!」
ベル「あら残念、貴重なサンプルが手に入ったと思ったのに」
ゼフィト「こんな見た目でも魔王は魔王だからな、逆らうと怖い目に合うぞ?」
ベル「あなたはいつも逆らってるじゃない」
ゼフィト「俺はそれに見合った力を持ってるから大丈夫だ」
ベルは確かにそうだけど、と溜息をつく。
ベル「ゼフィト、ちゃんと連れて帰るのよ、帰り際に襲っちゃダメだからね?」
ゼフィト「俺がそんな事するのは発情期が来てからというのは知ってるだろうが」
俺は一人四天王を殺した事を伝えてからナツミを連れて外を出る。
side夏美
私の目の前にはお伽話で出てきそうな館があった。
ゼフィト「ここが俺の家だ」
ゼフィトが扉を開けると・・・。
「「「「お帰りなさいませ、ご主人様」」」」
「ゼフィト様、お帰りなさいませ」
数人のメイドと一人の初老の執事がいた。そして全員何かの獣の耳や尻尾が付いていた。うわ、本物のメイドさんと執事だ、初めて見た。
ゼフィト「ただいま、セバス、変わりないか?」
しかもセバス、執事の代表的な呼び名!!
「はい、いつも静かな物ですよ、ご主人様」
メイドさんの方だった!?
ゼフィト「それなら、いつも通り仕事をしてくれ」
するとそれぞれ一礼して解散していった。
ゼフィト「ナツミ、お前はこっちだ」
私は手を掴まれて連れて行かれる。ゼフィトとならどこに行ってもいいかも。
一つの部屋に入る。
ゼフィト「ここは俺の部屋だ、中からは音が漏れない様になっている」
え?密室!?私何されちゃうの!?きゃー!!
ゼフィト「知りたい事は色々あるが、まずは一つ、聞いておきたい事がある」
な、なんだろう。
ゼフィト「全ての始まりはお前に会ってからだ、何故だかお前の事が気になって仕方がない、何かお前に惹きつけられる、だがそれが心地いいと感じる、これは一体なんなんだ?教えてくれ!」
夏美「え?」
えええええええええぇぇぇぇぇーーーー!?
sideゼフィト
どうしても知りたい、これが何なのか。
夏美「えっと、えっとね、そ、それはね」
答えるのに困っている、何か言い難い事でもあるのだろうか、まさか、悪い事なのか!?
夏美「そ、そのね、そ、それは、わ、私には答えられない、自分で理解しないといけない事、だから」
自分で、気付かないといけない事、一体何なんだ・・・、いや、まさかな、確かにこの場合は俺が気付かないといけない、確かに初めてだが、これが、そうなのか?
ゼフィト「そういう事か、よくわかった、すまなかった」
夏美「わかってくれたのね?」
ゼフィト「ああ、どうやら俺は」
そう、俺は・・・。
ゼフィト「お前に発情していたようだ」
夏美「うんう・・・ん?」
ゼフィト「そうと分かれば子作りだ!!」
夏美「は!?」
ゼフィト「大丈夫!初めての発情期だし、子作りなんてした事ないが、直ぐに終わらせるから!!」
夏美「え!?え!?」
俺はナツミを押し倒した。
夏美「ちょ、ちょっと、待って!!」
ゼフィト「どうしたんだ?俺が嫌か?」
夏美「そ、そんな事はないけど」
ゼフィト「なら良いではないか!!」
side夏美
そんな!?まさかそんな勘違いをするなんて!!ど、どうしよう、相手は四天王を瞬殺する様な力を持つ存在、私が抵抗出来るわけがない、遂に私は両手を抑えられてしまう。そしてゼフィトの顔が迫ってくる。もうダメだ、抵抗を諦めた私は目を閉じる。
唇に唇が押し付けられる感覚、優しい脣を合わせるだけのキス、私のファーストキスが奪われた。次に来るであろう刺激を思いながらゼフィトの唇を受け入れる。でもキスが終わると私を抑えていた力が無くなる。え?どういう事?
ゼフィト「だ、大丈夫か?」
夏美「え?」
ゼフィト「初めての子作りだったが、上手くできただろうか?」
夏美「え?」
ゼフィト「え?」
・・・どうやら彼には性教育が足りなかった様です。
夏美「ふう、ゼフィト、今のは子作りじゃないよ、それにゼフィトが感じているものは発情じゃない、でもゼフィトが私に感じている事は、わ、わた、私もゼフィトに感じてる、ゼフィトがちゃんとわかってから、答えを聞かせてね」
そうして夏美は部屋を出た。
あ、そうだ、私、道わからないんだった。カッコつけて変な事するんじゃなかった・・・!!
sideゼフィト
一体なんなんだ、発情期じゃない、これ以上はわからない・・・。ロコンに聞いて・・・いや、辞めておこう、嫌な予感がした。俺の勘はよく当たるんだよな・・・。
まずはメイドにでも聞いてみるか。
「ご主人様、遂にこの時が来たのですね!」
「ご主人様、その問題は自分で解決しましょう」
「ご主人様もまだ若いのです、存分に悩むといいでしょう」
参考にならない。く、あまり聞いたくはないが・・・。
セバス「そうですね、ヒントを言うなら惚気んな、ですね」
ゼフィト「ノロケ?」
やっぱり参考にならない。何か書物は参考にならんだろうか・・・。男女の関係の事だろうか、今まで興味も湧かなかったから見ていなかったが・・・。見てみるか。
これは・・・。俺の状況とぴったり合致している。・・・ほう、これは、これが噂に聞いた、恋と言うものなのか。惚れた異性に感じる想い、一緒にいたいと言う想いか。・・・あの勇者、アレスもこの様な想いだったのか。
そう考えながら、昔、魔族の娘と恋に落ちた勇者を思い出す、だがふと夏美の言葉を頭に浮かび上がる。
ん?待てよ?ナツミはなんと言った?
『ふう、ゼフィト、今のは子作りじゃないよ、それにゼフィトが感じているものは発情じゃない、でもゼフィトが私に感じている事は、わ、わた、私もゼフィトに感じてる、ゼフィトがちゃんとわかってから、答えを聞かせてね』
私も、感じている。夏美も恋を、俺に・・・!?
体温の上昇を感じる。鼓動を強く感じる。苦しいけどどこか心地いい。これが、ドキドキしていると言う感覚だろうか。
そうか、俺はナツミの事が・・・。
現在は主人公が恋に気付くまでを描きましたが、続きを書くかどうかは決まっておりません。書くとしたならその後の日常をまったりと書いていこうかと・・・。
ゼフィト「・・・」
顔が真っ赤だよ?
ゼフィト「う、うるさい!今思うと俺何したんだよ、発情期だと勘違いするとか、恥ずかしくて死にそうだ!!」
これ、いろんな人が見ると思うよ。
ゼフィト「いっそ殺してくれ」
・・・っと、ともかく、読んで頂き、ありがとうございました!!