90話
――レクルト王が即位して数年、彼はとても民に慕われる王となっていたが、そんな彼にも真偽不明な噂がいくつか広まっていた……
例えば、【レクルト王は実は王妃以外にも秘められた恋をしていた】というものや、【王が王子の時に護衛を連れ回していた】というものまで
そんな噂の中で知らないものはいないとまで言われている噂があった。
それは【王には攻撃が絶対に届かない】というもので、その噂が出回るようになったきっかけはレクルトが王に即位して1年も経たない頃に彼は外出先で立てこもりに巻き込まれていた。
その立てこもりに巻き込まれたのはもちろんレクルトだけではないし、立てこもり犯の狙いもレクルトではなかった。
それでも彼はそんな場所で命の危機には瀕して……いたのだろうが、救出されたレクルト以外にも怪我らしい怪我も見えず、何事もなくその立てこもりは解決していたのだが……
もちろん無事にそれが解決した裏にはアクオスら王宮直属の魔法使い達がいた
フォルトが探知魔法を使い、アクオスが確認した犯人ではない者達に守るための結界を張り、ブレイブらが犯人のみを的確に攻撃していき、そのあいだにマギキャットらサポート部隊が人質達をさりげなく逃がしていくという役割分担で解決していたことをレクルトは後から聞かされていた
それからもレクルトはたびたび騒動に巻き込まれるのだから周囲の者達は呆れたり、心配したりと心休まらないからとある日、アクオスは何の躊躇いもなくいつぞやかに渡したことのあるあのリングと似たようなものをレクルトに渡していた。
その新しく渡されたリングは守るということに重点を置かれていたもので、そのレクルトがアクオスに貰ったリングは彼が年老い、若き王子に王位を譲るその日まで彼の指から消えることなくそこにあった
そして、そのリングは新しく王になった王子の指で輝くように……
いつしか、アクオスが作った守りのリングは王位を継ぐ者達に王位と共に引き継がれていくようになっていたのは言うまでもなかった
そんなレクルトが王であった期間は大きな争いごともなく、食不足になることもなく、平和で穏やかな時期と言えるだろう……
ブレイブが少しだけ物足りなそうにしてたのは一番些細なことだろうけど。
王宮直属の魔法使いはいらないのではないかという議論が出たことも多々あったが、その議論がすぐに消えていたのはブレイブとマギキャットの力だけではないということは当人以外は知らない……
なお、アクオスとレクルトは純粋に友人関係であると追記しておく。
そろそろ終わりかなーと思ってます(本編終了後に何本かおまけつけるけど)




