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72話

里帰り続き

 ――父親に会うために目的の部屋へと向かうアクオス、もちろんその歩みを邪魔する者などいなく……



 執務室の戸を軽くノックすれば少ししてから応答があり、アクオスが入室すれば執務室にある大きな机で父親は仕事をしていた


「あぁ、アクオスだったか……久しいな」

「お久しぶりです、父様」


 軽く交わされた挨拶、やはりアクオスの姿には何の指摘はないけどもぽつりぽつりと近況の報告は続く


「そうか、いろいろなことがあったのだな」

「そうですね……」


 友人であるフォルトとセイル達の話にレクルトの話、それからギルドで受けた仕事の話をしていれば時間もあっという間に過ぎていて

 いつの間にか辺りは闇に染まりつつあった


「あとは食事のときにでも話そうかアクオス」

「はい、お仕事の邪魔をしてすみませんでした」

「いやいい。領主の仕事は少しずつウィントの方に移しているところだからな」


 だからこそ今自分がやっているのは過去のものの確認に近いんだという


「これもまた時間経過、ですか……」


 その小さな独り言は父親には届いていなかった

だが、それでよかったのだろう……アクオスは自分の手のひらを見つめていたのだから



 食事の時間、それはとても賑やかなものになった。

久しぶりに戻ったアクオスが増えたからだけじゃない。

メイドなどのスタッフもみんな一緒に食事をすることになったからだ


「楽しいですね、義姉様」

「そうね、アクオス君」


 食事が終われば大人達は晩酌の時間

その中でメイド達と母親のラティア、それから赤子を連れたハルカとついでにアクオスはその場から静かに退場していた。


「アクオス君も参加したらよかったのでは?」

「あまりお酒に興味ないんです。それじゃあボクは先に寝ることにします」

「おやすみアクオス、いい夢を」

「はい、おやすみなさい母様、義姉様」


 1人去りゆく小さな背を見つめる4つの瞳、その瞳に宿るのは指摘したくても出来ないもどかしさとそれから……



 アクオスの部屋は残されたままだった。

幼い日々を過ごしていた懐かしい部屋

ギンはすでにアクオスのベッドで小さないびきをかいていた


「どうして……ボクはあの頃から姿が変わってないんだろ……」


 1人になって気になるとすればどうしても姿形のこと……

だが、それがどうしてなのかはまだ彼が理解できることはなかった……


 もっとも、彼が自身の身に起こっていることについて知るのはさほど遠い未来ではないのは確かではあるが。

実は一番大事なことの話でした

あと気づいたらユニーク累計1万人超えてたらしいです。こいつは驚きだー

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