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55話

 ――アクオス達が訪れたオルゴールの店でアクオスは家族へのプレゼントを購入することを決めた。


「あの、すみません」

「はいお決まりですか?」


 アクオスはその巨体の男にたどたどしく要望を伝えていく


 父親には青を基調としたものを、母親には橙を基調としたものを。

ただし、母親の方にはジュエリーケースを兼ねるタイプを選び、父親の方には少し珍しい懐中時計に入っているタイプを選んで。

 兄には普通の箱型を選び緑を基調として、今にも羽ばたいて空へと飛んでいきそうな銀で出来た鳥の形をしたチャームを取りつけて

 それから兄嫁の一家にはジュエリーケースと小物入れになっているタイプを選び、色は緋色を基調に白と黒にそれぞれ変わっていくようにも見えるグラデーションになるようにして。

 ついでに兄嫁一家へのオルゴールにはアクオスが自分で曲を入れ……と、いってももちろん曲入れをするのは店員で、家族の方の曲はリストを見せてもらい選ぶことにした。



「ごめんね、フォルトくん、セイルくん。待たせちゃって」

「いーっていーって。ずいぶんと真剣に選んでたよな」

「プレゼントだもん。きっと喜んでくれるよ」


 オルゴールを選び、曲を選んでしまえばあとは数日待つことでそれらのオルゴールは出来あがる。

注文を終えたアクオスは引換券を受け取り、この日は終わりだと言う


「んじゃ、帰ろうぜ」

「どんなオルゴールになるか楽しみだね」

「うん」



 後日、オルゴールを受け取りに1人で来たアクオスはその出来栄えに目を輝かせ、それぞれを包んでもらい。

代金を払えばそのまま受け取ってご機嫌のまままた寮へと帰った。

 それぞれのオルゴールは帰った時に自分の手で渡すつもりで、それまでのあいだ壊れないようにと小さな結界をオルゴールの周囲に張り、どことなく満足げなアクオスがそこにいた。



 さて、卒業も間近に迫った頃、セイルは唐突に言った


「え? 卒業後に住む用の家を?」

「おう。地元に家を建てるのはいいけど地元からギルドのある街までじゃ遠すぎるからな」

「ぼく達の地元って馬車でも7日はかかるんだ」


 つまりは彼らはこれからも同居生活をするつもりらしい

そしてそれにアクオスも誘っているのだろう


「多分ボク、そんなに一緒に行動できないと思うけど……」

「まったく一緒に依頼をこなしたりできないってわけじゃねぇんだろ?」


 それもそうだ、とアクオスは頷き、不動産屋へと3人で行き、ある程度の理想と妥協を含んだ家を見つけ、仮の契約を結ぶところまで行った。


 そんな感じで卒業までの日々は過ぎ……学校を卒業する日はついに来たのだった……

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