メイド喫茶1
どうでもいいことを話しながら電車に揺られて約10分くらい、俺と雪子は秋葉原に着いた。
「ここが秋葉原ですかぁ~。やっぱりすごいね、駅の前の柱にいっぱいアニメのポスター貼ってたし」
俺も来るのは久しぶりだったのでちょっと楽しみだ。
「雪子はアキバくるの初めてか?」
「うーん、小さい頃に来たことはあるとは思うけど特に何かした思い出はないかな。」
「そっか、じゃあメイド喫茶行ったあと買い物でもするか?」
「えぇ!?べ、べつにいいけど?」
「何でそんなに驚いてんだよ、あとどうして偉そうなんだよ」
「どうでもいいじゃん!いいから早くいくよっ!」
(うわぁ~最悪だぁ~何か変な喋り方になっちゃったし。だって二人で買い物じゃん、驚くよ普通!お昼一緒に食べるだけでも嬉しいのに…)
俺と雪子は今メイド喫茶の入り口に立っている。
「あー、なんか緊張するわー」
「別に緊張することなんてないんじゃない?それに秋ちゃんが決めたんだよ?」
「それはわかってるんだけど、ちょっとご主人様とか言われるんだろうなって思うと恥ずかしいんだよなぁ」
「そんなこと言ってないで早く中に入るよ!」
雪子は俺の手を引っ張って店の中に入った。
「「「おかえりなさいませ、ご主人様!お嬢様!」」」
「ただいま!」
雪子は大きな声で元気良く挨拶を返した。
俺はびっくりして「お…おぅ……」みたいなの反応になってしまった。
「秋ちゃん、メイドさんたちが気持ちのいい挨拶してるんだからこっちも気持ちのいい挨拶しなきゃ駄目だよ?」
「アホか、何で店員に挨拶しなきゃならんのだ」
「はぁ、これだから秋ちゃんはクラスの皆から影で無愛想とか話しかけずらいとか言われるんだよ」
「え、俺初耳なんですけど?そんなこと言われてたの?」
「ま、気にしなくていいさ!なんたって私がいるんだから!」
うわーマジかよ
俺って影でそんな風に思われてたのか……
いや、でも俺友達いるよな?LINEとかも友達80人以上はいたはず。
いや、でも俺ってグループ以外で友達とトークしたことないような……
え、もしかして俺って友達いないの?マジで?マジなのかい?
「秋ちゃん、そんなに落ち込むことないよ。ずっと私がそばにいるよ?」
「雪子、お前めっちゃいいやつだな……大好きだよぉぉーーー」
俺は思わず雪子に抱きついた。
「えぇ?!ちょっ、秋ちゃん?!大好きだなんて……てかこんなところで駄目だよぉ、そうゆうコトはもっと違うところでしないと、ね?」
しばらくしてようやく俺は落ち着いた。
「すまん、恥ずかしいところ見せたな」
雪子は顔を真っ赤にしていた。
「うぅ……秋ちゃんズルいよぉ…ばか!」
「すまんな、そんなに怒んなよ。あ、注文来たみたいだ」
「ご主人様、お嬢様、メニューでございます。ご注文がお決まりになりましたらお呼びくださいませ」
俺はそのメイドに見覚えがあった。
見間違えかもしれないのでもう一度そのメイドの顔を見たら目が合った。
「「あっ」」
転校生の望月七海だった。
誤字があれば教えてください




