なんとなく表紙の話
ここで書くのは漫画とライトノベルについてだけどネタバレになるので今回は伏せます。
で、ある漫画について。
全四巻の漫画で、ここ数年で新装版になり二巻に統合されて販売されました。
非常に残念、
表紙に変更がされていたのでね。
最初に販売されていた四巻には表紙に工夫がされていて、
四巻の表紙って漫画で終わった後の絵なんだよね。
最後まで読み終わって本を閉じたときに表紙が眼に飛び込んでくる。
彼女は幸せになったんだな……。
という、表紙を使った感動があった。
昔の聖書も表紙を華美にしていたようだけど
内容を『重層化』させようとしていたと装飾の本で呼んだ。
漫画の中の物語と、
読みての物語の二つが現れる。
漫画の物語は普通に内容のことだけど、
読み手の物語って言うのは、
表紙の意味に気づいた時の読み手の感動。
狙ってもなかなかできないことだと思います。
さて、あるライトノベルについて、
非常に評判になったライトノベルです。
一巻で完結したしね(世界観が同じ物語は量産されたけど)
アニメ映画で爆死して、
ハードカバーにもなって表紙が変更になって大変評判が悪かった。
読んだ人はみんな知っていたからね。
この表紙は物語のクライマックスが描かれていて、
読む前は『綺麗な表紙だなー』ぐらいしか思いません。
最後まで読んで閉じた後に、
表紙を見てクライマックスの感動が蘇る、
っていう素晴らしいつくりになっています。
割と物語りは平凡なんですが、
読んでから随分と経ちますが、
本棚整理していても表紙を見ると感動が蘇ります。
前述の漫画と同じことで、
気付いてしまったときの読み手の感動が蘇るんでしょうね。
さてさて、最後にまたライトノベル。
超有名、随分と長く続いているシリーズの一巻。
これは表紙じゃなくて、本最初にある折り返しの絵(もしかしたら話の初めかも)なんですが、
とても優しい顔をした女の人の絵があります。
えー、この人、主人公を殺そうとします。
読んでいくと分かるんですが最初は優しい物語だと思って読んでしまうんですよ。
そして、ひっくり返す。
終わった後に絵を見ると、
悪意の塊です。
あの笑顔の仮面のしたには、般若が隠れていたのですよ。
がくぶるがくぶる。
みたいな。
三つのうち一つは漫画だけど、
世間的にはライトノベルの『絵』に関して、
芳しい評価が無いみたいなのでね。
きちんと効果を狙っている人たちもいるんだよって、分かってもらえたら幸いです