平穏1
皆既月食は見れましたでしょうか
がんばってデジカメ構えましたが・・・
映ったのは赤い何かw
「おい、彼方。転校生が来るらしいぞ」
「んぁ?」
塔矢の声で彼方はまどろみから醒める。
塔矢は目に軽くかかる髪をさらりと手で払い、続けた。
そのしぐさで遠巻きに見つめていた女の子たちから嬌声が漏れ聞こえる。
「さっき職員室で話しているのを聞いたんだ。しかもうちのクラスらしい」
「…お前はなんでいつもいつも情報が早いんだよ」
「そんなん役得だろ」
「……未知にバラしても………意味ないな、お前らじゃ」
「まぁな。強いきずなで結ばれてるからな」
「はいはい。いってろ」
塔矢ののろけに入る前に彼方は受け流す。
「…で、名前は?」
「何だったかな? よう…よう…ようた? ちがうな。よう…ようすけ、そうだ、耀介だったな」
「ん? 耀介? どこかで聞いたような…」
「そんな名前ありふれてんだろ」
「そりゃそうか」
彼方はその名前が以前菜摘から聞いた名であることを忘れ、覚えていたとしてもこれから起こることに何も変化などなかっただろうが、その転校生の到来を待つこととなった。
これが、彼方の最期の平穏な日常だったのかもしれない。
今回は短め。
文章の切れが悪かったので。
何気ないことを書くのは苦手だなぁ。