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エデンの向こうへ  作者: 懸時哀斗
1-2 出逢い
3/65

出逢い1

出逢いは突然だった。



「―――あー。あとそうだ。彼方! あとで会長室へ行け。会長がお呼びだ」


会長って、誰? 

講義の後に言われた言葉に対して最初に抱いた感想。

それがこれだ。


学校では―――少なくともこの学校では、授業は選択式。

決まったクラスもなければ出なければならないという授業もない。

決まった服装などないし、来ないといけないなんて言うルールもない。

だからこそこれまで呼び出しなぞ受けることなどなかったし、そもそも会長なんていう存在がいることすら知らなかった。


「なんだろう? なんかやらかした記憶なんてないし」


しかし、呼び出されたしなぁ。

無視しても問題はないだろうけど、再度呼び出しがあるとすればそれは相当めんどくさいことに…


―――と、そこまで考えたところで歩みを止める。

言われたところに、「会長室」の部屋が。

彼方は一つため息をつくと高級そうな木の、板チョコのような模様の扉をノックした。


「――どうぞ」

「失礼します」


重そうに見えた扉だったが、意外に軽く開いた。


中には1人しかいなかった。

巨大なテーブルを挟んで反対側、その席にその人は座っていた。

逆光のせいか顔はよく見えない。


「さて………あなたはなぜ呼び出されたのかわかっていますか?」


優しそうな声、それでいて詰問調の言葉。

それに引き込まれるものを感じ、この人はきっと自分と同じで……

そこまで考え、現実に戻る。


「いえ? まったく」


進路について? 講義中の態度に何か問題が? それともそれ以外の何か? そういえば会長って女の人なんだ。

頭の中でいくつもの考えがくるくると廻る。


「まぁそうでしょうね。私が問いたいのはあなたの家族構成についてです」

「家族構成?」

「ええ。あなたは…今の家族との間に血縁関係がありませんよね」


彼方は苦笑する。


「まったくないわけじゃありませんよ。本当の母親? の妹が今の母親? なんですよ」


父親は同じらしいんで、腹違いの兄妹というか…

という彼方の言葉は本人の口の中で呟かれるのみで届かず。


「そういうことでしたか。すいませんね。わざわざ呼び出してしまって」


あっさりと返されて、間があく。


「………えっ!? それだけですか?」

「? そんなことはありませんよ。彼方という人間をこの目で見て確かめてみたかったという理由があります」


ついで、混乱する。


「僕に会いたかったんですか?」

「まぁ、そうともいえますね」

「で、呼び出した」

「はい」

「で、どうすれば?」

「聞くことも聞けたので帰っていいですよ」


どっと、疲労感が押し寄せる。

少しの間にしろ、自分が悩んだのは何だったんだろう。

なんて無駄な時間を―――


その人に背を向け扉に手をかけたところで、


「あ、そうそう」


声がかけられる。


「はい?」

「つらくはないですか? 自分を偽るのは。いつわってばかりだといつか押し潰されますよ。少なくとも私の前では素直に」

「え………っ」


息をのむ。



なぜ―――



心の底では納得している自分もいた。

彼方自身もその人のことをそう考えたのだ。

自分を偽って生きている、自分と同じように、と。

その人の表情が気になり、振り向いた彼方と合わせるようにその人は窓を眺め、さらりとつづけた。


「まぁいいでしょう。それも明日以降に期待することにします。もういいですよ」

「…失礼しました」






「……………ファーストコンタクトはこんなものですか。しかし、彼はただの一般人でしょう? いったい彼に何があるというのですか、志穏?」


彼方の去ったその扉、見つめ呟く。







次の日、彼方はその女性の名が菜摘ということを知った。


本編の始まり。


実は人物描写を避けて書いてる部分があります。

苦手なのが一つ。

自分の想像で顔とか考えてほしいのも一つ。


私が、

小説読んだ後の実写とか、

漫画の後のアニメの声とか、

聞いてげんなりする感じがあったりするのですが、

そんな感じ


説明になってないって?


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