2章-2 眷属
ベリアルの眷属達が登場です。
「それでベリアルの眷属の四人なんだけど、それぞれ特技やなんかはあるのかな?」
「あいつらは基本的に何でもできるよ。
あたしのクラスが落ちたバージョンだからね。
でもまぁ確かに、性格の違いはあるかな」
そう言いながら、ベリアルはぼくの向かいのソファから立ち上がってテーブルを回り込む。
「まず筆頭のフルューリングは、知能に秀でてる。
あたしの軍師ってとこかな。
記憶力も抜群に良いし、何よりロジックを重んじる性格だね」
ベリアルはぼくの隣のソファに座り、肘掛けに身体を預ける。
「次にゾンマァは、一言で表すなら武闘派だね。
一応軍団を幾つか預けてるけど、あいつの場合は部下なんて使わなくても、一人で軍団並の働きをするよ。
武器ならなんでも使いこなすしね」
段々とベリアルはぼくに近づき、今はもうぼくの肩口辺りで囁いていた。
「ヘァプストは技術者だね。こいつはとにかく、四六時中何かを考えて何かを作ってる。
軍団長としての役目はあまり果たさないから、こいつが統率するべき軍団は、実際にはフルューリングが率いているくらいだよ。
まぁ、人間界にある機械やなんかは、こいつから見たら石器時代の道具だろうね」
ベリアルの顔が更に近づき、ぼくの耳に直接囁き始めた。
「最後のヴィンタァは、取り立てて目立つところはないね。
ただ、凄くギャンブルが好きで、おまけに何かの呪いかと思うくらいにツキがある。
目を離すと他の悪魔やなんかにギャンブルを持ち掛けて、しかもすってんてんにしちゃうから、目が離せないのさ」
ぼくの首筋に舌を這わせながら、両手で首に抱き着くベリアル。
「うん、よく解った。で、ベリアルは何をしてるのかな?」
「あん、来栖様ったらつれないなぁ。 その気にならない?」
途轍もなくスタイルが良く、天使かと見紛うばかりの美貌を持つ悪魔にこんなことをされて、流石にぼくの理性も崩壊寸前だけどここは我慢。
「そんなことはさて置き、それじゃその四人を呼んで手伝って貰おうか」
「来栖様のお役に立ちそう?」
「うん、聞きながらちゃんとポジションは考えたよ」
「そりゃ良かった。 それじゃ呼ぶね?」
そう言ってベリアルが指を鳴らすと、向かいに並ぶソファの上に大きな炎が燃え上がった。
「わっ!」
流石に慌てて腰を浮かすぼくだったけど、次の瞬間には炎は消え、ソファの後ろに四人の女性が立っていた。
「お呼びでしょうかベリアル様」
四人が声を揃える。
一人は金髪の長い髪を靡かせており背丈は中肉中背、ただスレンダーな身体は出るべきところは主張している。
一人は黒髪のベリーショートで背がかなり高く、スレンダーでしなやかそうな体付きだ。
一人は茶髪のシャギーセミロングで背がかなり低く、子供の様な体軀をしている。
最後の一人は赤毛のショートで背丈は中肉中背、特に印象に残らない雰囲気だけど、その目は油断なく光っている。
「お前達、ご苦労だな。 実は申し渡すことがある」
ベリアルが言うと、一斉に緊張した様に頭を下げる。
「あたしは昨夜、契約によりここに居らっしゃる来栖様の下僕となった。
今後は人間界に於いて来栖様にお仕えし、塵に還る時までお傍に侍ることになる。そう心得よ」
四人は今度は一斉に頭を上げ、その表情を驚愕の色に染めた。
「な、なんとおっしゃいました? ベリアル様がそんな人間の下僕ですって?」
「ベリアル様、そんな人間あたいがやっつけちゃって契約なんて無効にしてやるよっ!」
「そ、そんな……」
「……」
それぞれが言い募り、ぼくを睨みながら一歩踏み出したとき、
「黙れっ!」
ベリアルが一喝する。
「お前達はあたしの眷属だろ?
あたしが決めたことに何か文句でもあるっていうのか?
あるなら言ってみろ。
すぐに塵にしてやろう」
一睨みで、居並ぶ悪魔達を石の様に固まらせた。
昨日分を中途半端に切ってしまったので、本日分はむちゃくちゃ短くなってしまいました。。。
ごめんなさい。
明日からはまた通常通りの分量に戻る。。。予定。。。です。
尚、他の投稿作品を参考に、改行を多目にしてみました。
どちらが読み易いんでしょうかね?
感想、お待ちしております!




