8-14 創世(そうせい)の錬金術士
俺とピギーウルフの間にタンクとして割り込んでくれた亮。
――助かる!
「お前たちが俺たちを襲ったこと、後悔させてやるよ!」
俺は亮の横にサッと出て木のロッドに両手を添えた。
「土地神の串刺し!」
残りのピギーウルフ目掛けて、地面から太い針のような先端を飛び出させてみた。ピギーウルフを、串刺しにするイメージで。
「ギャアアアウウ!」
――致命傷には至らないか。
すかさず俺は、第二弾をかます。
「風属性と水属性の合体だ! ――氷結の世界!」
今度はモーニングスターのような氷の塊を上からピギーウルフ目指して振り下ろした。
下からも上からも串刺しになるピギーウルフ。
――あとは、亮の1体だけだ……!
「創太にばっかりいいトコロ持ってかれたくないんでね! ――雷鳴剣!」
――ズドオオオオン!
雷鳴がピギーウルフの側面を一閃した。
俺たちは、
《ドロップアイテム》
・ピギーウルフの肉
・ピギーウルフの毛
を手に入れた。
俺は、手に入れたばかりの肉を全て【マジックバッグ】に収納せず、手元に残してポチたちへ分け与えた。
「ありがとう、そうた」
「ごしゅじん、いただきます」
俺は2匹のあまりの可愛さに微笑んでしまう。
――ピコン!
――ピコン!
――ピコン!
ーーピコン!
『――レベルが上がりました。
――レベルが上がりました。
――レベルが上がりました。
新たな固有スキルを手に入れました』
-----------------------------------------------
【名前】 鈴木 創太
(スズツリー=ソウタ)
【称号】万象の女神フレイヤの寵愛を受ける者
はじまりの錬金術士
【性別】ヒューマン 男
【職業】Lv.25/錬金術士
Lv.28/魔法使い
【体力/HP】2400/2600
【魔力/MP】5240/6800
【戦闘スキル】
錬成アイテム:Lv.26 /♾️
殴る: Lv.5 /♾
魔法(雷属性):Lv.18/♾
(風属性):Lv.9 /♾
(炎属性):Lv.15/♾
(水属性):Lv.3 /♾️
(土属性):Lv.3 /♾️
(闇属性):Lv.1 /♾
(光属性):Lv.15/♾
【固有スキル】
錬金術:Lv.26 /♾
錬成知識:Lv.25 /♾
テイマー:Lv.30 /♾
鑑定:Lv.13 /♾
探索魔法:Lv.15 /♾
支援魔法:Lv.3 /♾
-----------------------------------------------
亮もレベルが上がったようだ。
-----------------------------------------------
【名前】 加賀 亮
【称号】万象の女神フレイヤの加護を受ける者
【性別】ヒューマン 男
【職業】Lv.15/武闘家
Lv.10/魔法剣士
Lv.2/タンク
【体力/HP】182/295
【魔力/MP】168/202
【戦闘スキル】
敵対心:Lv.10
剣技: Lv.8
魔法剣(雷属性):Lv.8
【固有スキル】
多種多様な武器の使い手:Lv.5
怒り:Lv.3
大工:Lv.1
解体:Lv.1
見習いテイマー:Lv.1
-----------------------------------------------
「亮、俺スキルと職業が増えた! ま、創太には見えちゃうんだけどさ」
「そうみたいだな! タンクと見習いテイマーか。やっぱり俺の見立てどおり、亮にはテイマーの素質があったんだよ! すごいよ、亮」
亮は、表裏を感じさせない、屈託の笑みで俺に応える。
「素直に嬉しいよ! 俺さ、やっぱり劣等感があるから……。俺でも努力すればレベルが上がるってことがわかって嬉しい」
「俺も嬉しいよ」
「ポチもうれしい。おにく、おいしい」
「くまも、おいしい。だから、うれしい」
ポチも小熊も、ピギーウルフの生肉にむしゃぶりついている。
「あははは」
「なんだよ、創太、なんて言ってるんだ?」
「嬉しいって」
「――エッ、俺にテイマーの素質があったことが……」
「じゃなくて、肉が美味いって」
「……コノヤロー! からかいやがって」
「はははは」
それは、突然やってきた。
――――――――――――。
――――――――――――――。
――――――――――――――。
――――――――――――――――ずうん……。
「うっ!」
俺の肩に、凄く重たい何かが乗った。
ポチか? 小熊か? まさか亮?
――違う。みんな俺の視界にいる。
「う、うわあぁぁ……!」
「ちょ、どうしたんだ、創太!」
「ごしゅじん!」
「そうたっ」
「み……んな……は、なんとも……ない……のか?」
「ああ」
どうみても、俺だけがおかしい。
ここが洞窟のどの位置にいるのか、先が見えない以上わからない。序盤か、中盤か、はたまた後盤なのか。そもそも洞窟が影響してるのか? それとも、ゴースト系モンスターとか?
――うっ、押しつぶされそうだ。
俺は四肢を地について、必死に明かりだけは保っていたものの、それさえも消え失せてしまった。辺りは暗闇になり、小熊の紅い目だけが光っている。
「創太、何か食べたか? ホラ、真っ黒なパイとか……。なんて冗談言ってる場合じゃないよな。何かいるのか?」
亮は四肢をつく俺の上を左右にブンブンと長剣を振って、不快なナニカを追い払おうとしている。
――『創太……。はじまりの錬金術士創太よ……』
聞き覚えのある声がする。
――この声は……。
俺たちを異世界転移させた、万象の女神、フレイヤだ。
「フレ……イヤ?」
「えっ?」
――『ここは、お主らたちにとって非常に重要な場所となる。ただの錬金術士ではなく、はじまりの錬金術士として、空間を創るのじゃ。創世の錬金術士として。今はまだ不可能でも、その時期は来る。鍛錬を積むのじゃ。ゆめゆめ、忘れるでないぞ』
――そうして、俺の身体の重みはすうっと消えた。
「いったい、どういうことなんだ……?」




