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ミカエルさんが執務室に登場して間もなくジェフさんたちが帰って来た。

四人でイクリの実の採取について相談したいという事で

執務室の一画にある応接セットに場所を移して話し合いが始まった。

私の隣にはジェフさん、向かい合ってミカエルさんとエディさんが腰掛ける。


三人三様のイケメン三人に囲まれた状態で以前の私なら

浮かれまくっているのだろうがやはり正面の二人に限って言えば

遠くで見ているだけの方が無難である事は間違いない。

今だって二人揃ってニコニコと読めない笑みを向けてくる。


医薬部の見解としては在庫や他の領地での現状を踏まえると

イクリの実の採取は必然で出来れば来週早々に収穫に向かってほしいとの事だ。


態々遠征するのだからついでにその他にも貴重とされる薬草も採ってきて欲しい

という事で薬草と医薬部の事情に詳しいエイドリアンさんが同行する事となった。

・・・のだが


「エディと一緒なんてとんでもない事だ。ミカエルに輪を掛けてこいつは信用できない。」

「そんな事無いですって。僕こう見えて仕事では真面目で通ってるんですから」


「お前のそれは”猫を被っている”んだろう!」


「「?」」


「私も一緒に行く!」


「いや、ジェフェルは近々ある隣国の歓迎式典の準備で忙しいだろ。

そんな暇ないんじゃないか?」


「そんなのは誰にでも出来るだろ!」


「誰にでも出来たらお前が室長やってる意味が無いだろ。

まあそこまで言うなら私が代わってやらない事も無いが・・・

条件が有る。」


「・・・」


どんな条件を出されたのか私に明かされる事は無かったけれど

同行したジェフさんと無事にイクリの実を手に入れて他にも要望のあった薬草を

色々と採取して帰りの馬車の中ですっかり定位置となったジェフさんの隣に座り

エディさんと向かい合って座っている。


「ヒナタ、凄いよ。是非医薬部でその才能を生かしてほしい。

高い木の上だって、川の対岸だって、遠目には分からない薬草だって

間違う事無く採取できるなんて。

絶対に国の為になる職場だよ。そういう事だけに長けた才能って事なら

他にもそういった人達が存在してるんだから絶対医薬部に来るべきだよ。」

エディさんがずっと熱弁している。


元々薬草摘んで生活できたら良いなって思っていたくらいだから嬉しいお誘いだ。


「まだジェフェルさんのところで色々勉強してからでないと不安かな」

「大丈夫、医薬部でも僕がちゃんとサポートするから」

ジェフェルさんを見上げる。


「ヒナタの好きな様にすればいい」

どことなく横顔が寂しげに見えるのは私の要望がそうさせているせいだろうか。


「もう少ししっかりと考えてみる」

「うん。いつでも良いから決まったら言ってね」


私を必要としてくれる職場が有ると知ってとても嬉しいのは事実・・・


でもいつかは離れなければと分かっていても

せっかく定位置となったこの場所を手放す事がとても寂しく思える。



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