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スエット姿の召喚者  作者: こんぺき
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翌朝、すっかり着慣れたミカエルさんのお下がり姿で

ジェフさんと一緒に出仕した。


ジェフさんの執務室に入ると昨日ウォルツ邸を訪れた副官さんが待っていた。

「おはようございます」と軽く会釈しながら入室し

なんか気まずいと思いながらもジェフさんが紹介してくれるのを隣で待つ。


「昨日顔を合わせただろうがこちらがカルディス王国から同行して来たヒナタだ。

今日も一応男装してはいるが成人した女性であるので失礼のないよう

接するように」


えっ、私が女性って知ってる?前から?


「ヒナタ、こちら私の補佐官のマーシャル・トンプソン氏だ。」

「ヒナタです。一昨日はマーシャルさんにすっかりご迷惑をかけてしまって

申し訳ありませんでした。」

昨日も余計な手間を掛けさせてしまったけれど

そこはジェフさんの手前あえて口にはしないでおこう。


「いいえ、お気になさらないで下さい。あんなに焦った顔の室長なんて

滅多に見ないですから何事かとびっくりはしましたが」

昨日の様にニコニコと笑いながら答えてくれた。

ジェフさんはどことなく目線が定まっていない様に見える。


「挨拶はこのくらいにして取りあえずヒナタのここでの扱いの説明をしよう。」

執務室に有るソファーを勧められて腰掛ける。

ジェフさんの隣がすっかり私の定位置だ。


「ヒナタのこの国での扱いは隣国から逃れてきた異世界人としてではなく

私の遠縁の一般人という事になった。

今回の使節団に同行して隣国から訪れたというだけで”召喚された者ではないか”

という疑念を抱かれないとも限らない。

国同士の関係を考えた場合、それでは不味い事は容易に理解できると思う。

国家の重要機密人物として扱うよりも一国民としてこの国に滞在してもらった方が

双方ともに泰然と構えていられるだろうと判断されての処遇だ。」


「私の事で色々面倒な事になってしまって申し訳ないです」

「それはヒナタが気にする事ではないよ。私がこの国に連れて帰ると決めた時から

全ては私自身の責任だ。この国に慣れて自分で独り立ちできるまでは

私が責任を持って最後まで面倒を見るよ。

幸いにヒナタの名前も知られていないし性別も誤解されたままだ。おまけに

髪色も目の色も自由に変えられる事もあちらでは認識されていない。」


ほんとに召喚されて何も分からないまま気絶してほとんど会話もないままに

逃げ出しちゃったからね。

あの時の突然すぎる見知らぬ世界での自分の行動を褒めてやりたい。


「私の事知ってる人ってどのくらいいるの?」

「国王陛下には宰相から報告が上がっていると思う。

宰相以下側近の者についてはどのように報告されているかは分かりかねるが、

私の仕事上情報を得ているのは今のところマーシャルとミカエルだけだね。

後はや医薬部がイクリの実関連でどの位関わって来るかだな。

私の仕事は他国との交流関係などが主になるから当面は私に付いて

この世界の様々な国とその関係性を学びながら色々と覚えていってくれ。」


「ところでミカエルさんはマーシャルさんが私の事情を共有してるって事は

知ってるよね?」

「ああ、先に帰ってすぐに関係者用の報告書に上げているからな」


してやられた!

昨日のあの意味深な発言は私を揶揄って楽しんでたんだ!


「なんだ?ミカエルがどうかしたのか?」

「なんか昨日また騙されたみたいでちょっと不満」

「・・・まああいつが人を揶揄うのは学生時代からの趣味みたいなモノだな」


一応側仕えという事だけど入り口近くに設えられた小さな机と椅子が

私のテリトリーとなった。

私の扱いは理解したがここで一日中人の仕事ぶりを見ているだけというのも

気が引ける。


「何か私にできそうな簡単なお手伝いは無いですか?」

「そうだな。書類の仕分けでもしてもらおうか。

あとその書類の数字を拾って簡単な計算もお願いできるかな?」

「たぶんできると思います。難しそうだったらまた他の仕事をお願いします。」


という事で目の前に用意された書類の山を片付け始めた。




お読みいただきありがとうございます。

今週末には何とか完結出来る・・・はず。

今暫しのお付き合いよろしくお願いします。

( `・∀・´)ノ♪

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