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スエット姿の召喚者  作者: こんぺき
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箱を携えた男性がジェフさんに会釈しながら挨拶をする。

「おはようございます、室長。書類の受け取りと

依頼された品物を持って参りました。」


若い男性はジェフさんの部下らしい。

ジェフさんは室長をやっているんだ。

どんな立場かは良く分からないけど。


「ああ、ありがとう。書類は執務室で渡すから付いて来てくれ。

で、ミカエルは休日の昼前から急用か?」

「急用は急用だが君にでなくヒナタに用が有ってね。

ちょっとヒナタと応接室を借りるよ」


えっ、ミカエルさんが私に用事って不安しか無い。

ジェフさんは怪訝な表情になったが

「それならお茶を運ばせよう」

と言って歩き出した。


部下らしい男の人は私の前を通り過ぎるときににっこりと笑いかけて

軽い会釈をしてジェフさんに付いて行った。

因みに今日の私はミカエルさんのお下がり姿だ。


「じゃ、行こうか?」

と、先に歩き出したミカエルさんに付いて行く。

「私に用事って、すっごく気になるんですけど・・・」

「大したことじゃないよ。どちらかというと私も頼まれた方なんでね」

ミカエルさんが頼まれた事を私に振って来た?

益々怪しい・・・


応接室に入り向かい合って腰掛けた。

もちろんドアは半開きにしてある。


程なくして入室したメイドさんが押すワゴンに目が釘付けになる。

お皿の上にケーキが鎮座している!!


テーブルにケーキと紅茶のセッティングをしてもらう間

どうしてケーキが有るんだ?という疑問が湧く。

ケーキを凝視しながら先ほどやって来た部下の人が持っていた小箱が

頭に浮かんだ。

訪問するのにお土産?


そんな事を考えていたがふと前に座ったミカエルさんの視線を感じ頭を上げた。

何とも意味ありげな含み笑いを向けられている・・・

「なんですか?」

と、ちょっとむっとして問いかけるとニコニコとして口を開いた。


「いや昨日ジェフェルがね、他国の使節団の接遇で街中の案内している最中に

副官に ”後は頼んだ” とだけ言い残して突然消えたらしくてね。

その後副官が何とか城まで使節団を案内をして事なきを得たんだが

その後も訳が分からず困惑して報告書を作成している彼に戻ったジェフェルが

”残った仕事は片付けておくから明朝、エドワード宝飾店の向かいのカフェで

ケーキを購入して書類を取りに来るように”と言ったらしい」


・・・


なんか涙が出そうになった。

ケーキごときに未練たらたらだった自分が恥ずかしい。


「そういう訳だから味わって食べてあげて。私の分も食べていいからね」

「うん・・・」

としか言えない。



月並みだけどケーキは甘くてちょっとしょっぱい味がした。



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