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スエット姿の召喚者  作者: こんぺき
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引き返して行く馬車を見送り仕事の邪魔をしてしまったなと

反省して屋敷に入った。


出迎えてくれた執事さんが「昼食はお済ですか?」と尋ねてくれたので

「いいえ」とだけ答えた。

「準備が整いましたらお迎えに上がります。」と言われて

部屋に向かった。


その後一人、ダイニングで遅い昼食を済ませ

夕方近くになってからアンナさんとジェシカさんが帰宅した。

お二人は店員さんから事情を聴いてジェフさんが連れ帰ったのならばと

あちらこちらでショッピングやランチを楽しんで来たそうだ。


その日は夕食の時間になってもジェフさんが帰宅する事は無く

お二人と食事を済ませて不安な気持ちで部屋に戻った。


ベッドに入っても気になってなかなか寝付けない。

勝手な行動を怒っているだろうか。

私の本当の年齢を知って呆れているだろうか。

女だって知っていたのにずっと一緒に居てくれたから

これからも此処に置いてくれるだろうか。


今日に限ってなんでこんなに帰りが遅いのだろう?

何かあったのだろうか?

不安な気持ちで心が急く・・・


静かになった邸宅の敷地に馬車の音とジェフさんの気配を感じて

何時とはなしに寝落ちしていった。


次の朝、ダイニングに行くとジェフさんとお姉さん二人が

にらみ合っている。

話しかけづらい状況に気後れしたが原因が分かっているので

逃げる訳にはいかないと覚悟を決めて挨拶をして席に着く。

緊張が続く中ジェフさんが口を開いた。


「姉上、私の出仕中にこの屋敷にお二人とヒナタを一緒に置いておく事に

不安しかありませんのでこの休み明けからヒナタは私の側仕えとして

外務省館に一緒に連れて行く事になりました。

明日からは此処におられても姉上方のお相手はおりませんので

その様にご承知おきください。」


「まあ、貴方ヒナタを独り占めする気なのね?」

「ヒナタは貴方方の遊び道具ではありません。」

「遊び道具だなんて人聞きの悪い・・・ねえ?ヒナタ」


「お二人にはとても良くして頂きました。

今まで着た事の無いドレスも素敵でしたし見た事もない美しい装飾品も

目にすることが出来てとても楽しかったです。

でもジェフェルさんのお仕事の邪魔になるような事だけは

したく無いです。」


「それにしても職場に連れて行くなんて過保護が過ぎるのではなくて?」

「元々ヒナタは国の重要機密事項扱いでもおかしくない立場の者なのです。

それを理解していないお二人に街中を連れ歩かれたのではたまりません。

お二人も他家に嫁いだとはいえ元はウォルツ伯爵家の人間。

そのくらいは心得ていらっしゃるでしょう?」


「そうですね、解りました。貴方の言う通りね。ちょっと勝手が過ぎました。

今度はちゃんとしたお付き合いでお邪魔するわ。

ヒナタ、引っ張りまわしちゃってごめんなさいね。」

「いいえ、とても楽しかったです。もう少し落ち着いたら

またドレスを選んでください。」


そこでお二人が何故かにんまりと微笑んで

「「ええ、喜んで!」」

と返事が被った。


朝食後早々に帰宅するというお二人をジェフさんと見送り

一息入れようとエントランスに戻ったところで

ロータリーに馬車が入ってきた気配に振り返る。

何か忘れ物でもしたのかしら、と思ったが馬車が違う。


馬車から降りたのはミカエルさんと

手に小さな箱を持った見知らぬ男性だった。



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