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スエット姿の召喚者  作者: こんぺき
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ジェフさんを見送った直後、背中に悪寒を感じて振り返った。

いつの間にか後ろに立っていたジェシカさんが

「さあヒナタお着替えをしましょうか」

とにこっりと微笑み腕を絡ませた。


柱にしがみついて阻止したかったが、しがみつけるような柱は見当たらない。

昨日と同様引きずられる様にして初めて見る衣裳部屋なる場所に連行された。


暫く沢山のドレスと私を見比べていたけれど

「やはり私の学園時代の物ではサイズ的に無理がありそうね。

お姉さまのドレスの方が良さそうだわ」


そう言ってまた私の腕を取り別の衣裳部屋へとやって来た。

「お姉さまに許可を頂いた方が良いかしら?

今から文を認めるから誰かルッツ侯爵邸迄届けてくれるかしら」

近くにいたメイドさんが執事さんの元へ確認に向かった。


「ヒナタ、私が文を書く間何もしないのも勿体ないわ。

一緒にお部屋まで来て取り合えず何かお勉強を・・・

あなた、お裁縫は出来て?」

お裁縫なんて中学以来経験した記憶はない。


「いいえ、私には無理っぽいです・・・」

「何言ってるの貴族令嬢の嗜みと言えば刺繍と相場が決まっているわ。

今日は刺繍のお勉強にしましょう」


えっ、私貴族令嬢じゃないし、ここでの扱いは少年のはずなんですけど・・・


しかし相変わらず有無を言わさないジェシカさんの微笑みに負けて

彼女の部屋へと移動した。

どうやら刺繍はメイドさんが講師をしてくれるらしい。


用意されたのはグレンチェックのハンカチだ。

「自分用の物でも良いのだけれど誰かにプレゼントする物の方が

気合が入るでしょ?

ジェフェルかミカエル子爵に贈るつもりで刺繍して頂戴。」


どちらに贈るかと問われればもちろんジェフさんに贈りたい。

しかし腕前を考えると貰った本人は迷惑でしかないのかもしれない。

そんな考えが頭を過ったが、贈るつもりで刺繍すればいいだけの事。

実際手渡すかどうかは私次第、出来次第だ。


私が色々思案している間にジェシカさんは手紙を認め終えたらしく

綺麗な封筒に納めてメイドさんに手渡した。


私も気合を入れて刺繍に取り組む。

もちろん基本のイニシャルを刺繍する。


"J.W"

カーブと鋭角が三つ・・・

綺麗なハンカチの上をミミズがのたうち回りながら血で染めていく・・・


呆れ顔で見ているジェシカさんに笑って誤魔化す事しか出来ないでいた。


大丈夫,血痕は最後に魔法で何とか出来る。




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