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スエット姿の召喚者  作者: こんぺき
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街中を歩いていると丁度商人ギルドの看板が目に留まった。

これはツイている、そう思いジェフさんに声を掛けた。


「そうだ、兄さん僕ギルドで薬草を引き取って貰いたいんだけど

丁度あそこに有るからちょっと寄っても良い?」

「なんだ、金の心配ならしなくて良いと言ったのに。

まあせっかく採って来たんだから

後々の参考のために引き取って貰うか?・・・」

という事でこの世界初、商人ギルドの扉を潜る。


「いらっしゃいませ。買取ですか?」

「はい。薬草の買い取りをお願いします。初めてですが大丈夫ですか?」

「は、はい。身分証をお持ちでしたら問題ありません。

素材買取のカウンターは右から二番目までになります。」


案内係のお姉さんがジェフさんにチラチラと視線を送りながら説明してくれた。

ジェフさんはというと怪訝そうなしかめ面をしている。

思わず”ぷっ”と吹き出しそうになるのを堪える。


カウンターに行くとこちらのお姉さんもまた前に立つ私より

ジェフさんに送る視線の方が多い。

予め布袋に移しておいた薬草と薬の材料になる木の実をカウンターに広げた。


今度はカウンターの薬草にくぎ付けになったお姉さんが私に尋ねた。

「こちらの木の実はどちらで採取されましたか?」

「えっ、ここへ来る途中の木の上ですが・・・」

「相当高い所ですよね?」

「それが、その偶々枝ごと振ってきて?」

「そうですか・・・この実は専門の冒険者が飼い馴らした

小動物などに取らせるのが一般的な採取方法です。

運が良かったですね」


わー、そんな事までは考え無しで採取していたわ。

今度から気をつけよう、と思いながらジェフさんを見やる。

まだ眉間にしわを寄せご機嫌斜めのようで

今の会話は耳に入っていなかったようだ。

私が女だってバレたら置いてきぼりにされそうだ。気をつけよう・・・


暫く待っているとお姉さんが戻ってきて

明細と何枚かの硬貨の乗ったトレーをカウンターに乗せた。


「イクリの実はなかなか貴重ですのでこれだけでも結構な金額ですが

他の薬草も状態が良く取引価格も上がります。明細はこちらになります。

またのお越しをお待ちしております。」


「ありがとう。兄さん終わったから次の店に行こう」

トレーに乗ったお金と明細を受け取りながら並び立つジェフさんを見上げると

まだ少しご機嫌斜めのようだ・・・


ギルドを出て食材の店を探す。きょろきょろしながら歩いていると

年配のご婦人が声を掛けてくれた。


「さっきから何をお探しだい?」

「食材を扱っている店を探してるんですが見つからなくて」

「ああ、それならこの突き当りを右に曲がった所に市が立っているから

そこへ行くと良いよ。いろんな物が一度に揃うよ」


「ご親切にありがとうございます。早速行ってみます。」

私より先にジェフさんがお礼を言った。

年配の人は大丈夫なのか?それとも親切にして貰ったから礼は尽くすのかな。

四、五日の付き合いでは良く分からない。


そんな事を思いながら歩いていると市場が見えてきた。

ちょっと王都での失敗が頭を過ったが、すぐに市場の活気にかき消された。

ジェフさんと一緒に購入する物を吟味する。

尤もジェフさんは調理経験なんて無いんだけどね。

アイテムボックスが有るのですぐ食べられるもの

簡単に調理できる物を中心に買って行く。


商店街に戻って、調理器具も揃える。

フライパンとソースパンで十分かな。

野外で扱いやすいように木で出来た食器を色々二人分・・・

久しぶりの買い物でテンションが上がる。


思わず「新婚さんの買い物みたいだね」という言葉が漏れた・・・

「貴族の家庭ではこれだけでは不十分だな」

という真面目な答えが返ってきてホッとした。


買い物も楽しめたので宿を探して落ち着こうという事になった。

商店街から入ったところになかなか感じの良い宿を見つけ受付に向かう。

ジェフさんが


「二人部屋は空いているか?」

と言ったのを聞いて固まった・・・。




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