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スエット姿の召喚者  作者: こんぺき
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「ぐぉほっ・・・うわぁぁ~~ん」

傍で事の成り行きを見守っていた女性が泣き出した子供に縋り付いた。

「よかった、よかった…ううっ・・・」


二人を見守りながらジェフさんと並んで安堵の息をついた。

「ジェフさんてすごいね。全然躊躇わないで咄嗟に飛び込むなんて。

泳ぎに自信あり?」

一緒にいても知らない事は多い。この際聞いておく。


「いや、私は昔から運動は苦手だな。今の仕事に就いてからは

余計機会が無くて体を動かす事はさっぱりだな」

「見た感じは運動得意そうなのに・・・」

「昔から動き回る事が少なかった・・・からな」


しまった。黒歴史を思い出させてしまったかも・・・

「それより服びちゃびちゃだね。橋の下ででも着替える?」


そんな会話をしていたら子供が泣き止んだこともあってか

落ち着きを取り戻して子供を抱いたままの女性が近寄っていた。


「ありがとうございました。ちょっと目を離した隙に姿が見えなくなって

慌てて探しに来たらまさかこんな事になってるなんて

どうしていいか分からなくて・・・本当にありがとうございました。」


「いいえ。無事で良かったです。」

「濡れてて冷えるから早く帰って着替えさせてあげて。

風邪ひいちゃったら大変」

「ありがとうございます。良かったらうちで着替えて下さい。

・・・何かお礼させてください。」


「ご心配には及びませんよ。その辺で着替えるのでお気遣いなく」

「そうそう。そんな事より早く子供を温かくしてあげて」


「・・・それではお言葉に甘えさせていただきます。

本当にありがとうございました。」

そう言って何度も振り返りながら子供を抱いたまま帰って行った。


それを見送りながら二人で橋の下に移動する。

「それにしてもさっきの”心臓マッサージ”てのは何なんだ?」

「僕の世界で止まっちゃった心臓を他の人の手でまた動かす技法?」

「そんな事が出来るのか?!」


「時と場合によってだけどね。

さっきみたいに溺れた時や元気だったのに急に倒れた時なんかかな?

上手くいくとは限らないけど 何もしないより試す価値は十分あるよ。

実は僕も初めてで不安しか無かったけどね」


話しながらジェフさんの荷物と体を拭く布、別に預かっている着替えを出す。

その間に躊躇いなく服を脱ぎ始めたので慌てて着替えをおいて後ろを向いた。


「そういえばさっきの丸太、ヒナタが出してくれたのか?」

「そうだよ。朝ジェ・・・兄さんを待ってる時に広場で

色々魔法を試してみたんだ。

遠くのものを収納したり、収納した物を遠くに出したり。

咄嗟の事で心配だったけど上手くいって自分でもびっくり」


「ああ。おかげで私も命拾い出来たな。

危うく子供と一緒に溺れるところだったよ」

「ええーそうなの? でも自分の事より溺れている人を助けようとするなんて

誰にでもできる事じゃないよ。

僕の事だって見捨てなかったし。兄さんが良い人で僕はホントについているよ」

「ヒナタだって助けようとして短い時間で色々考えてくれただろ。

立派だと思うぞ。」


着替えが終わったので近くに人がいないのを確認して

濡れた服を風魔法でさっと乾かし収納する。


街道に戻って歩き出した。

「思ったより時間を取ってしまったな。

明るいうちに街に着くのは難しいかもしれないな」


「えーいきなり野営?兄さん経験あるんでしょ?」

「無いな。」

そこは言い切らないで欲しかった・・・。




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