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ご一読いただいている方、ありがとうございます。
そして不定期更新ですみません。
m(_ _;)m
弁当を食べながらふと思う。
私って今、タダ飯食らい?!
この世界に来てお金を手にした事が無い。
これは不味いのでは?
「ねえ、ジェフさん」
「兄さんじゃなかったのか?」
「あはは、忘れてた。ねえ兄さん
僕、自分でお金を稼いでみたいんだけど
旅の途中でも何か出来る事って無いかな?
例えば魔物を狩って売る冒険者とか?」
一応日本でのラノベの定番職業を聞いてみる。
「魔物がいない訳では無いがもっと山の多い国境付近とか
未開の地とか人が立ち入らない奥地まで行かないと
こんな街道沿いなんかでは滅多にお目に掛らないぞ。
その分貴重だから引き取りに出せば高値になるが
一般の者ならせいぜいその辺りにいる小動物狙いだな。
それも素人では難しい。」
そうか。魔法が有るから魔物を狩るのは何とかなると思ったけど、
肝心の獲物がいなければ話にならない。
「じゃあ、街道沿いに生えてる薬草とか木の実なら売れるかな」
「それも素人では見極めが難しいだろ?
ちゃんとした物なら商人ギルドで引き取って貰える。」
それは鑑定魔法で判別できるから問題ない。
「取引するのにギルド登録とか必要?」
「引き取りだけなら身分証だけで大丈夫だ。
薬草や食材の取引は平民の生活費用の足しになるから
そこまで厳しい規制はない。どうしてそんな事聞くんだ?」
「だっていつまでも稼ぎが無かったらこの世界で生きていけないでしょ?
少しずつ勉強して一人になっても何とか生活できるようにしないとね」
「なんだもうそんな事を考えているのか?先の事を考えるのは良い事だが
私と一緒のうちは金の心配は要らないぞ?」
「いつまでも迷惑かけていられないからね。
だから今から色々試してみたいと思って」
食事も終わったので片付けて立ち上がる。
鑑定魔法を使いながら目についた薬草や食べれそうな木の実などを
アイテムボックスに収納しながら街道を歩く。
暫く行くと前方で大きな叫び声が聞こえた。
ジェフさんと顔を見合わせ駆けだした。
橋のたもとで女の人が川を指さし叫んでいる。
指さす方を見ると5,6歳位の子供が流されていく。
あっ、と思うがスエットでは泳げない、かといって脱ぐ訳にはいかない・・・
そんな事を考え出すより早くジェフさんが
「ヒナタこれを頼む」と言いながら手荷物を押し付けた。
そして河原に駆け下りて行き躊躇いなく飛び込んだ。
とっさにジェフさんの荷物を収納し遅れて私も川辺に下りた。
どうしよう、生きた物は収納できない。辺りを見回す。
橋の下に余った材料なのか直径30センチはある丸太が目についた。
魔法で収納しジェフさんの泳ぐ水面下から出現させる。
ジェフさんは一瞬固まったが材木に掴まった。
私は魔法で材木を子供の溺れる方へと流す。
上手く寄せるとジェフさんが子供を片手で抱えた。
そのまま魔法で岸に寄せる。
ジェフさんは駆け寄った女性に子供を渡すとその場にへたり込んだ。
ジェフさんが無事なのを見て安心したのか自然と涙が出たが
女性の取り乱した泣き声に我に返った。
目をやると抱きかかえられた子供はぐったりして動かない。
「兄さん、心臓マッサージは?!」
と、端的に聞いたが呆気にとられたような顔をしている。
説明する時間が惜しい。
「私に貸して!」と言って女性から子供を奪うように受け取り地面に横にする。
高校の保体の授業で習っだけだが、放って置く訳にはいかない。
そっと横を向かせ顎を少し上げ、胸を押す。
人工呼吸と心臓マッサージを交互に続ける。
駄目かもしれないと思った時
「ぐぉほっ、」
という呼吸と共に子供は泣きだした。




