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第七十六話「都市を喰らう武器(コード:Ω)」

リ=アの合流によって、陸の《矢》は次の段階へと進化し始めていた。

それは単なる武器ではなく、“世界そのものに干渉する力”を持ち始めていた。


だが、その矛先となる“敵”もまた、常識の外にいた。


夕暮れの街。

地表を震わせるような重低音と共に、地盤そのものが“沈んで”いく。


「またか……もう三つの区画が丸ごと消えた」

陸が唇を噛みしめながら、被害マップを確認する。


拡張現実に浮かぶ、赤く点滅する警告領域。

それは“まるで都市そのものが、何かに食われているような”……


「“Ω(オメガ)”――それが、奴らの切り札」

と、リ=アがつぶやいた。


「武器と空間を融合させる……それって、つまり――」

「都市全体を武器として構築し直すってことよ。

この都市自体が“起動式”だったの」

「じゃあ、都市はもう“戦場”じゃない……“兵器”そのものか」


空が黒く染まり始める。

上空に浮かぶ逆さの建造物群。

天と地の概念が溶け、重力の法則が狂い始める。


「――来るぞ」


その瞬間、空間が割れた。

“存在しない巨大な砲台”が浮かび上がる。

それは建造物、電力、交通網、通信――あらゆる都市機能を糧に生成された“都市兵装”。


【コード名:Ω/アーバン=ドミネーター】

「ふざけんな……都市まるごと武器にすんじゃねぇよ……ッ!」


陸が矢を番える――だが、都市兵装の圧はあまりに異質だった。


「この矢じゃ、届かない……」

「なら、私の“記録”を――上書きして」

リ=アが目を閉じる。彼女の中の“失われた過去”が、矢に力を与える。


「俺たちの武器は、物語そのものだ。

なら、撃ち抜けるはずだ――!」


夜の帳が降りる中、対都市戦が幕を開ける。

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