表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
69/92

第六十七話「神代ユウリ、再起動」

爆心地にほど近いエリア、デッドスペース。

本来、誰も立ち入ることすらできないはずの隔絶空間で、微かに光が灯る。


「……通信ログ確認。対象:記録者《陸》との再接続完了」


機械音のように感情のない声が、徐々に人間らしいイントネーションを取り戻していく。


「ここは……“再構成領域”。ならば……私はまだ、終わっていない」


神代ユウリ。

かつて“記録戦争”と呼ばれる異能力抗争で、最前線に立ち続けた最強の戦術士。

その肉体は二年前に失われたはずだった。


だが、彼女の意識は――記録として、《中央端末》に保存されていた。


「【オーバーライド・ユニット】、起動」


青白い光とともに、戦闘用義体が再構築されていく。

失われた身体は、“記録”をもとに複製された“戦闘特化型適応躯体”。


「もう一度、戦場に立つ。あの男の背中に、追いつくために」


神代は言った。

陸の後ろ姿を、再び見るために。


その頃――


「……あの声、やっぱりユウリだよな……」


崩壊した記録空間を抜けた陸は、かすかに届いた声の主を確信していた。

だが、それがどういう仕組みで可能になったのかは分からない。


「死んだ仲間が、記録として蘇るなんて……この世界、どこまで狂ってんだよ」


そして、陸の前に立ちふさがる影。

黒衣をまとった、異形の武装集団――《観測者》。


「“記録破壊者”陸。君には、まだ死んでもらうわけにはいかない」


「……はあ? そっちこそ、今さら何様だよ」


空気が張り詰める。


再び始まる戦い。

だが今度は、彼一人ではない。


「陸、左45度。展開時間、2.3秒」


唐突に届いた、ユウリの戦術指示。


「っ……本当に、生きてんのかよ……!」


「生きてない。ただ、“再起動”しただけ」


それでも、二人は繋がった。

かつての戦場よりも冷たく、鋭く、そして……確かな“連携”を取り戻しながら。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ