表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
55/92

第五十三話「コードR-0、覚醒」

眠れなかった。


陸はその夜、ベッドに横たわりながら天井を見つめ続けていた。

施設、擬似生活、記憶操作――そして自分の“正体”。


(俺は、なんなんだ? 本当に“俺”は存在してたのか?)


何も信じられない。けれど、信じるしかない。

武器〈リコレクト=ゼロ〉が導いているのは、紛れもない“真実”だった。


午前4時過ぎ。

アラームよりも早く、端末が震える。


【警告:コードR-0、未承認接続を検知】

【接触者:識別不明・反応パターン未知】


「……何だと?」


直後、窓の外――

黒い雷のような光が、空を裂いた。


場面は転じ、夜の校舎裏。

そこに、黒い影が降り立つ。


「……やはり“R-0”は覚醒しかけている。今のうちに回収する」


女のような声。だがその目は、人のものではなかった。

彼女が手にしたのは、鋭く曲がった双剣。

一本は白銀、一本は漆黒。対をなす“喰らい合う刃”。


「排除対象:セラフィナ=レムリア。ついでに始末しておこうか」


セラフィナの元にも、同時に通信が入る。


「——敵性反応、接近中!? 早すぎる……!」


彼女は即座に飛び出す。

ただの情報管理者アーカイバーとしてではなく、“戦士”として。


その目には、もう迷いはなかった。


夜明け前の空。

雷光と共に戦いが始まる。


黒い双剣の使い手が、セラフィナに迫る。

“情報空間の干渉者”、つまり裏世界の管理外存在。


セラフィナが武器を構える。

それは“槍と鎖”が融合した武器レコードバインド

記録と記録を繋ぎ、断絶させる特殊な武器だ。


「あなた……何者?」


「名乗るほどの者じゃない。俺たちは“運営の外側”。君らと違って、役割に縛られちゃいない」


「……なら、排除するだけ」


一瞬で槍が伸び、黒の剣と激突する。

火花が散り、戦いが空間を歪ませる。


その音が、陸を起こす。


「……誰か、戦ってる……?」


彼の手元の〈リコレクト=ゼロ〉が光る。

意識が、再び“裏側”と繋がる。


【コードR-0、緊急起動】

【強制覚醒:戦闘モード・解放フェーズ壱】


「また、かよ……!」


だがもう、驚いている暇はない。

陸は跳ね起き、窓を蹴って飛び出した。


その瞬間、夜明けの空を、ひとつの影が切り裂いた。

黒と白の武器が火花を散らす戦場に、陸が現れる。


セラフィナと敵、双方の視線が彼に向いた。


「……R-0、来たか」


「陸……!」


だが、陸は叫んだ。


「名前で呼べ! コードとか管理番号とか、俺はそんなもんじゃねぇ!」


その手に、破損していたはずの〈リコレクト=ゼロ〉が完全な姿で現れる。


形状は、かつて見たこともない“変形式武器”——

銃と剣、そして鎖と弓を内包した、複合型武装。


セラフィナが驚愕する。


「……完全形態!? まだ第一解放段階なのに……!」


敵の双剣使いが、一歩引く。


「こいつ……規格外か」


陸が言った。


「質問は後だ。とりあえず、その黒いのぶっ飛ばすぞ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ