第三十五話「裏組織《アルター・コード》」
場面は変わり、閉ざされた地下空間。
そこは、かつて軍の研究施設だったという噂もある巨大な地下拠点。
天井から垂れる鎖、壁に走る無数の配線。空気はどこか鉄の匂いがした。
重い扉が開き、黒衣の男が中に入ってくる。
「“刻断者”が目覚めたか」
男の名は《ヘルゼス》。
裏組織の執行官にして、最古の異能武器《螺旋の鍵剣》の契約者。
奥のソファに座る若い女が、皮肉げに笑う。
「予定より早い。あの“壊れた剣”は、もっと時間がかかると思ってたわ」
「契約者の“性格”が、干渉を早めた可能性がある。特に“壊れた武器”は……選ぶ基準が歪んでいる」
壁に投影されたホログラム映像には、陸の姿。
見慣れた制服、無気力そうな目、そして――武器を構える瞬間の、狂気に似た閃光。
「……面白い目をしているな、あの少年」
ヘルゼスは言った。
「“世界の再構築”には、ああいう“歪んだ魂”が必要になる。
ただし、我々の目的は“修復”ではない。“解体”だ」
女が目を細める。
「予定通り、“コード03”を送り込む?」
「いや――この任務、俺が出る」
一同が静まる。
「リーダー自ら、ですか?」
「“ディバイダー”の出現は例外だ。
あれは……《大戦》の引き金になりうる」
ヘルゼスが立ち上がると、背後に巨大な剣が現れる。
刃は二重構造になっており、回転する内刃が赤く唸っていた。
「少年よ――“選ばれし者”であるなら、抗え。
この《世界の終わり》に至る、運命の選別に」




