表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/92

第三十四話「“雷弾の銃”の記憶」

放課後、薄暗い空の下。

廃ビルの屋上に腰かけたメイが、無言で空を見上げていた。


彼女の手元には、《ラギア=ブラスト》。

蒼く輝くその銃は、今はただ静かに沈黙している。


「……懐かしいな、ここ」


ユナが隣に座る。

その表情には、わずかに沈んだ色があった。


「ここが“最初”だったのね、メイ」


「そう。私が“選ばれた”のは、二年前のこの場所。

 あの時は、ただのストリートチルドレンだった。誰にも期待されず、ただ…毎日をやり過ごしてた」


「でも出会った。“あの銃”に」


メイは右手を銃に添え、苦笑した。


「最初は……拒絶されたわ。銃口が私に向いた。『資格がない』って。

 でも、私は叫んだ。“私は、何かを変えたい”って――バカみたいに泣きながら」


「それが、“契約”の始まりだったのね」


「うん」


風が吹き抜ける。


その風に乗って、メイの記憶の断片が蘇る。

――小さな妹を守れなかった日。

――誰にも信じてもらえず、泣いていた夜。


「だから誓ったの。“無力”でいたくないって。

 誰かを守れるくらい、強くなってやるってさ」


沈黙。


やがて、ユナがぽつりと言う。


「陸くん、どう思う?」


「……あいつ? ぶっちゃけムカつくよ。やる気ないのに力を得て、それでも本気で戦おうとしてる。

 でもね……羨ましくもある」


メイは立ち上がる。


「だから、手を貸すよ。ユナ。あんたが“集める”って言うなら、私もその中に入る」


「ありがとう」


二人の少女の前に、風が渦を巻いた。

遠くで雷が鳴り、物語が新たな段階へと進み始める。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ