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第十七話「禁書《レヴナント・コード》」

放課後の学園地下――

普段は立ち入り禁止のはずの管理棟裏から、陸たちは地下通路を抜けていた。


「こんな場所……学校にあったんだな」

陸が呆れたように呟くと、案内役の天倉 礼士は小さく笑った。


「“記録者”の前任者が残した《禁書》が、ここに封印されている。

正式名称は、《レヴナント・コード》。

――失われた“壊れた武器”の記憶、全てが記録された書だ」


廃棄された地下資料室。

ドアの向こうは、異様な静寂と重圧に満ちていた。


志乃が息を呑む。


「……これ、本当に“書”なの?」


部屋の中央に置かれていたのは、一冊の黒革に覆われた分厚い本。

だがそれは、まるで脈打つように、わずかに動いていた。


「この本自体が“記録者の亡霊”なんだよ。だから……触れれば、過去が“再生”される」


礼士の声に重なるようにして、本が突然、陸の手元に浮かび上がった。


《記録再生:KAZE - 第零世代》

景色が歪み、陸の意識は“過去”へと引きずり込まれる。

気づけば彼は、赤黒い空の下に立っていた。


その中心には、ひとりの少年――

風を纏う剣士、初代《KAZE》。


「……ああ、お前か。次の“風”は」

少年は、壊れた刃を構えたまま、笑っていた。


「この記録を見たってことは、きっと“やる”んだろ?

壊れてでも、お前は進むんだろ?」


激しい戦いの残滓、崩れゆく都市。

その中で、彼は確かに立っていた――“壊れた”まま、それでも抗い続けて。


「覚えておけ、記録者。

“壊れた武器”ってのはな……最後まで使うやつだけが、意味を与えられるんだよ」


次の瞬間、陸は再び地下資料室に戻っていた。

手の中には《レヴナント・コード》。

だが、全身に刻まれたその記憶は、まだ消えていない。


志乃が静かに聞く。


「……何が、見えたの?」


陸はゆっくりと、そして確信を持って答えた。


「……過去の“壊れた武器の使い手”。

そして……その結末だ」


礼士は頷いた。


「それが、“記録者”としての責任だ。

君たちは、過去を受け継ぎ、未来へ繋ぐ“継承者”でもある」


だがその時、突如として地下に警報が鳴り響く。


《警告:施設内部に外部侵入者を確認。敵性異能力反応、Cランク以上……!》


「来たか……!」


陸と志乃は、すでに武器を手にしていた。


「“記録者狩り”が……ついに俺たちの記録を“消し”に来た」

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