2R 天恵の使い勝手が解らず困るが。
前回の大阪杯で千円も負けたので、馬券は買っていない。
そうだよ俺は5歳何だ。
本来馬券を買ってはいけない歳だ。
学生と20歳未満は買っちゃあいけんよ。
だけど何か施設は使えるって有ったよね。
「ステータスオープン」
いや別に声に出さなくても良いんだよ。
ただ中二病としては出したいだろ。
おおう、競馬場だけでなくトレセンやいわき温泉にWINSも使えるのか、凄いね。
いわき温泉は溺れそうだから、浮袋とか救命具がいるね。
ジョッキーのウレタンパッド使えるかな。
んっ、俺しか入れないのか、そりゃそうか。
お店やフードコートで色々買えるんだ。
開催日で無くても買えるのは嬉しい。
本来開催日以外は使用出来ないし、土日以外も使えるってチートだろコレ。
レベルが上ったら競馬場すら召喚出来るって凄いな。
レベルってどうやって上げるんだ。
「ピコーン!」
「おわっ、何だ」
え〜と、レベル上げはスキルの使用回数や、魔物討伐で出来ますって、そもそもこの歳でどうやって魔物倒すんだよ。
となると使用回数かぁ。
今召喚出来るのはライスシャワー像・・・ってマジで?。
家から離れた草原で試してみる。
「らっライスシャワー召喚」
するとライスシャワーの青銅像が現れた。
「すげえ〜」
何とか動かせないかと試みるが、俺にはそんな魔法は無理だった。
何とか召喚時に勢いが付けられないかな。
例えば射出召喚とか。
ビュッ!。
「えっ、何?」
ドサッ〜。
ライスシャワー像が勢い良く出て、草むらに横転している。
「そっ送還」
その後あらゆる位置から出るのか試してみると、50㍍くらい離れると出ないが、あらゆる方向はイメージで可能だった。
後草と砂も出るらしい。
いわゆるダートとターフだ。
もう少しレベルが上がると馬運車が出せるみたいだ。
これは地味に嬉しい。
それとアプリ内に何かを送還するとアイテムボックス代わりに成ると表示された。
おふぅ〜、チートだねぇ。
何だよこの天恵、凄く使えるやん。
それからある日の事、例によって薬草を採取していたのだが。
「ブヒ、ブルルル」
ヤバい雄のイノシシ、それも魔物の方だ。
牙が以上に大きく目が赤かった。
俺は咄嗟にライスシャワー像を射出召喚していた。
ゴキュ〜ウ。
魔物の顔に像が当たった時に妙な音がした。
中々動かないイノシシの魔物。
「死んだ・・・のか?」
ビクビクしながらそろりと近付くが、動く気配は微塵も無い。
側に落ちてた枯れ木の枝で突く・・・。
動かない。
「どうやら屍の様だ」
冗談を口にする程余裕が生まれた。
「とっ取り敢えず、アプリに収納」
この日俺は町のギルドに走り、薬草を納めながら受付嬢に話した。
「あの、薬草を採っててイノシシの魔物に出くわしたのですが」
「えっ!、マール君ちょっと中へ」
俺はギルド受付奥の部屋へ案内された。
「成る程、でも良く逃げられたね。危ない処だった」
「あっいえ、倒しました」
「「はぁ〜」へっ」
「「・・・・・・」」
「出しましょうか」
「本当なら解体場へ移動しょうか。メアリは受付へ戻っててくれ」
「わっ分かりました。マール君薬草の代金は帰りに払うわね」
「はい、お願いします」
「え〜と、私はサブマスのカーブスだ。よろしくな」
「マールですよろしく」
「うむ、こっちが解体場責任者のゴーグだ。ゴーグ今からこの子が猪の魔物を出すから、解体してやってくれるか」
「へえ〜するってえとお前さんアイテムボックス持ちかい」
「あ〜はい。今出しますね」
「「おおー!」こいつあ見事な」
どうやら大物だった様だ。
「魔法で倒したんだよな。言えるなら聞かして貰えないか」
「スキルで馬の像が出せたので···」
「「馬の像!?」見せて貰っても」
俺はライスシャワー像を出してみた。
ドン。
「こりゃまた立派な」
「変わったスキルだな。もしかしてこれをぶっつけたのか」
「はい、勢いをつけて射出召喚しました」
「はぁ? シャシュツ召喚・・・」
「召喚時に勢いを付けて出せと念じると出るんです」
「そりゃまた変わった召喚法だな」
奥ではゴーグさんが解体を始めていた。
「どうだゴーグ査定可能か」
「サブマス可能です。金貨7枚って処ですね」
「肉20㌔欲しいです」
「じゃあ良い部分やるから金貨6枚だ」
「だそうだ坊主」
俺は変える前にサブマスに色々買い取りして貰えそうな品々を見せた。
幾つか買い取って貰いこの日は金貨10枚になった。
意気揚々と走って帰ったが、もう夕方に成ってしまったね。
日が暮れる前に何とか帰れて良かったよ。
母さんに怒られたが、猪の肉を出すと更に怒られた。
でも夕食は豪華になったね。
猪のお金は母さんに渡したよ。
他の買取金は僕が貰うけどって、いえないよね今のスキル。
猪をスキルに入れられる事を説明しただけでも驚いてたのに。