夢と現の間
「ん、ここは・・・?」
その日、空澄は学校の桜の木の下で寝ていた。
「ねぇ香坂先生~。いつまで寝てるの?」
気付くと目の前には彼の生徒である和泉七緒の顔があって、いたずらっぽい目で覗き込んでいた。
「ああ、和泉か・・・。ん? 何でお前がここにいるんだ? 今授業中だろ?」
「あ、ばれた?」
「全くお前って奴は・・・。次サボったら補習だって言ったろ」
「あらら。そうだっけ?」
呆れ半分に言う空澄に対し、七緒はケロリと笑って言ってのけた。
「そ・う・だ。じゃあこれから俺の特別授業やるか?」
ニヤリと笑って言ってみると、七緒は少し焦ったように立ち上がった。さらに少し距離を置く。
「えぇ~。それはヤダな。でも先生があたしのこと捕まえられたらやってもいいよ」
楽しそうに笑いながら七緒は走っていく。空澄も立ち、追いかける。が、桜の花びらが邪魔をしてなかなか捕まらない。それでもあと少しのところまで追いつけた。
空澄の手が七緒の腕にふれ・・・
「和泉捕まえ・・・」
その瞬間さっきまでそこにいた七緒はスー・・と消え、桜の花びらになってしまった。
空澄が捕まえたのは七緒ではなく、ただの花びらだった・・・
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「ん、ここは・・・?」
目を覚ました空澄は身を起こした。なんとなく頭が痛いし、だるい。
空澄のそばには桜の木以外何もなかった。
「そうか・・・また、みていたのか」
額に手を当て、そっと呟く。
「ああ、まだ仕事が残っていたな」
立ち上がり、校舎に向かって歩き出す。
その日、空澄は学校の桜の木の下で寝ていた。
あれ?三月のときも桜使ってなかったか?
はい!使ってました!!
どちらかというと、今回が普通ですよね。
さて、今回は奏ちゃんとの同テーマ作品第三弾です。
なんか意味分からんな~とか軽く思いながら書きました。
奏ちゃんの方も見ていってくださいね。