第6話 克服?
わたし、小泉 咲希今……よくわからんことになってしまった!
「なになになんの騒ぎ?」
先生が何事か分からず来た。
「あら?何事かと思ったら、河上君と鞁島君と小泉さんなどがまだペアが組めてないみたいね?」
「えっとじゃあ、」
(あっ!先生に決めてもらえば私でも納得するかも!だけどな〜?どっちかが可哀想だしな〜?2人とも誘ってくれたのに〜!)
「小泉さんと、鞁島君でペアね!」「まだ鞁島君はこの学校慣れてないでしょ?だから色々と教えてあげなさい。よろしくね!」「えっと後は、河上君は佐原さん?一緒にやったら?」
「えっ!ちょっ!まっ!」
河上は焦った。
「佐原さん良かったね!」「佐原ちゃんラッキーじゃん!」
「河上君、よろしくね……!」
佐原ちゃんが挨拶をした。
「よっ、よろしく……」
「かっ、勝手に決めないでくれ〜!」
「ぅぅ〜……」
「河上は何か拗ねてるみたいまぁそっとしておこう。」
「咲希ちゃん!ペアに慣れて僕嬉しいよ!」
「はっ!」
鞁島の顔を見た時、昔のことを思い出した。
(ダメ!またあのことを思い出しちゃう!克服しなきゃいけないのに!心が苦しい!)
「咲希ちゃん?」
「はぁはぁ……」
「大丈夫?咲希ちゃん?」
「平気……大丈夫……だから……」
「……」
(やばい私克服のことをしようとしてるのに鞁島に困らせちゃった!)
「昔のこと……思い出してたの?……」
「あっ!えっと……う、うん、」
「やっぱりね……」「僕の体と顔描いてくれる?」
「えっ?」
「書きながら話しよ?ねっ?」
「分かった……」
私は紙とバインダーを取り、そのまま鞁島の体と顔を書き出した、鞁島は椅子に座って話した。
「咲希ちゃん、」
「ん〜?」
「昔のことごめんね……」
「えっ?」
(何で?謝るの?当たり前だけど、何故か疑問に思う……)
「なっ、何で、謝るの?」
「当たり前じゃん!」
「あ〜!動かないでよ!」
「あ〜ごめん!」
「……」
「僕あの時から、すっごく後悔したんだよね……」
(えっ?嘘……嘘だ!そんなこと……そんなことない!あんな事して、私許したことは無いし……何で……?)
「僕ね、脅されてたんだ……」
「えっ?」「脅されてたの?」
「うん...」「僕の隣にいた女の子いたでしょ?」
「あの女の子……確か、琴美とか言ってたっけ?」
「あっ!そうそうその子に脅されてたんだ!」
「あの子、高校1年生の子だよね?」
「そう……あの子が僕を脅したの……なんて言ったと思う?」
「何て言ったの?」
「2年前……」「琴美ちゃんと帰ってた時、話しかけてきて、その時話しかけてきたんだ。」
「小泉 咲希と付き合ったって意味無いよ……」
「は?」
「だってフフッ」「あの子、男を遊びまくる子よ、そうなりたくなければ私に従いなさい...」
「ってね、僕はねあの時の自分は、信じてしまったんだ、僕はあの時の自分を後悔してるんだ……」「なぜ信じてるのだろう...なんで僕は信じたのだろう!っと、僕はずっと後悔してた...」
「そんな...」「何で……?」「何でそんな苦しいこと言ってくれなかったの?!」
「それは...」
「言っとけば苦しい想いはしなかったはず!」
「言ったら!言ったら……逆に」「咲希ちゃんが……苦しくなると思ったんだ...」
「私は苦しくなったって苦しい気持ちにはならない!」
「なるじゃん!」
「……!」
「咲希ちゃんはあの時泣いてた...」「だから悲しませたくない!苦しませたくない!」「僕はそう思ってるんだ...」
「...」
私はその気持ちに対し、答えられなかった。
「あっごめんね、あっ!絵、見せて!」
「えっあちょっ!」
私が書いた絵を鞁島に取られ、見られた。
「わぁ!すごい!綺麗!」「どうやって書いたの?」
「て、適当に書いただけだよ...」
鞁島が見た絵は漫画みたいな姿をした、椅子に座っている鞁島の絵が書いてあった。
「次僕描くね!」
「う、うん」
「えーと、こうやってこう書いて、あれ?」
(鞁島って、本当は人の気持ちちゃんと分かりたいと思ってたのかな?)(人の気持ち、大切な人の気持ち、全部人の気持ちなのに、鞁島はその想いも抱えてるんだ……)
「書けた!」
「見せて見せて!」「えっ……」「これ誰?」
そこに書いてあったのは、モアイみたいなゴツイ顔をした私が書いてあった。
「ププッ」「ハハハッ!」「何この顔、私じゃないじゃんフフッ」
「プッププ」「ハハハッ!」
「アハハハッ!」
「アハハハッ!」
私と鞁島は2人して笑っていた。
「……」(小泉さん、楽しそうだな。克服出来たみたいだな。)
(だけど何だ?この胸騒ぎは?こんな経験初めてだ、なんなんだよ!)
河上は胸元を手で握り締めた。
そして、
「キーンコーンカーンコーン」
美術室から出て、階段に登ってる時は、河上をほっといて鞁島と話していた。
「小泉さ……」
「それ面白かったよねフフフッ!」
「だよね!咲希ちゃんこういうの好きだよね〜!」
河上は話しかけられなかった、まるで静岡と同じような経験だった。
私は机の上に次の授業の準備をして、小説を読み始めた。
「小泉さんちょっと来てくれる?」
河上が話しかけてきた。ニコッと笑いながら。
「バンッ!」
河上が人に見られないところでなぜか壁ドンをしてきた!
「っ!」「なっ何?!」
「お前随分と、楽しそうだったな。」
「そうなの!河上のおかげで克服出来たんだよ私!」
「あっそ!」
「あっそって何よ!」
「お前」「あんまり俺を、困らせんな……」
照れたように河上はそう言った。
「カッ、カァァァ…///!」
「カッ、カァァァ…///!」
2人とも顔が真っ赤になった。
「もういいから、じゃっ!」
河上は教室に戻った。
「なっなんだったの……!」(あの言葉何だったんだろう……)
私はその言葉が胸をドキドキさせた。
「キーンコーンカーンコーン」
チャイムが鳴り、授業が終わり、私は鞁島と帰った。
「ねぇ、咲希ちゃん……」
「ん〜?」
鞁島は足を止めて、私も足を止め。顔を見合わせた。
私はドキドキした。
「僕とまた付き合ってくれない?」
「サァ〜サァ〜。」
風が吹いた時に、私のサラサラとした髪の毛が流れた。
「えっ……」
その後ろには。
「サァ〜」
河上がいた!
「……!」
「嘘っでしょ……?」
「ダメ?」
私は戸惑った、河上は後ろで心が持たないほど心がいや、胸が痛かった。