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Episode 【オープンワールドズ⛥】⛥Act【01話】⛥

しばらくぶりです。

ようやく更新です。


Episode 【オープンワールドズ⛥】に入りました。



宜しくお願い致します。





バッチッバッチッ······ドボーン


何処かで聴いた事のあるような音のようなものが聞こえた


水の中に飛び込んだ時のような音である




ブゥンッ ブゥンッ ドゥンッ


一瞬、空間振動震のような音と空間の歪みが起きた









ズッドォーンゴロゴロ、ズッドォーンゴロゴロ、ドォーンゴロゴロ、ゴロゴロ、ズッドォーン


という轟音が


空を真二つに裂いたかと思われるほどの音を立てて雷が鳴るような音もする




その雷のような音で目が覚め、目の前にある恐らくは天井であろう場所を眺めた




その天井であろう場所を眺めていると何故か揺れているような感覚もする




ん~揺れている あぁ揺れている


間違いなく揺れている そう揺れている


何故揺れているのか?


その理由は眠りから覚めた俺には全く分からない




そう俺は全く分からない


全く分からない


全く何も分からない


全く分からないままに


急に目の前に影が現れ


何者かが


そう·····だれかが俺を抱える




そのだれかに抱えられ扉らしきドアを開けた


眼目に映るのは嵐の中の大シケの中の揺れている船であった




ブゥンッ ブゥンッ ドゥンッ


空間振動震のような音と空間の歪みがまた起き




耳鳴りにも似た音が――




 ――……キュィィィィイン……――






鳴った









また目が覚めた




天井をその天井であろう場所を眺めていると今度は揺れているような感覚は全くない






――……そして此処はどこ?俺は誰だ?……――






▄▀▄▀▄▀▄▀▄▀▄▀▄▀▄▀▄▀▄▀▄▀▄▀▄▀▄






俺の名前はセイ。ちなみにまだ12歳だ。




異界の地方の田舎に住む漁師の息子で両親がつけた名前だ。




俺が何でこの中世ヨーロッパみたいな剣と魔法のファンタジー世界にいるのかというと、『勇者召喚』の儀式に巻き込まれたからだ。




『勇者召喚』の儀式は悪の根源たる魔王や魔物達と戦う為に異世界から召喚された人が戦う為に召喚儀式を行い異世界から転移させ圧倒的な能力があると言われる異世界人の力で魔王や魔物達からこの世界を救ってもらおうと企てる儀式の総称だ。




ところが全ての召喚された人が圧倒的な力があるわけではなくて当たり外れもあるらしい。




俺の場合は数撃ちゃ当たる的にあろうことか異世界から世界最大のクルーズ船「グレートワールド・キング・オブ・ザ・シー」と言う大型豪華客船1隻丸ごと召喚したらしい。全長1000m以上、総トン数 100万トン以上、乗客乗務員合わせて5万人以上はゆうに収容する事が出来る驚愕な豪華客船を丸ごとだ。




この世界の女神に鑑定され S・A・B・C・Dと稀にいるSS級の優秀な異世界からの勇者を選別しそれ以外のE級や稀にいるF級は勇者とは呼ばれず廃棄処分や奴隷となる。また更に稀にいるらしいE〜Zの下位の等級者は鑑定しても無駄でEZイージーと呼ばれ女神からはゴミ捨て場と呼ばれる魔の領域の魔物の餌として捨てられる。




かくいう俺もその廃棄された【廃棄者】の1人だ。

両親は恐らくは現地人で要するに俺は助けられたが俺は養母と二人、海の見える小屋で畑を耕し動物を育てながら育った。



俺を助ける為に体が不自由になり日々弱くなった養父は俺が幼い頃に死に──それからしばらくは平穏な生活だったが、俺が12歳になった時、養母も病に倒れた。


俺は必死に看病をしたが、養母はだんだんとやせ衰えていき、ある日、




「助けたのに何もしてあげられなくてごめんなさいね──せめて──せめてあなたの望む自由な生き方をしてね」




そう言いながらお金の入った紋章入りの革袋と紋章入りのペンダントを俺に手渡した。


それが養母の最後の言葉だった。


夕方に放牧している家畜を庭の小屋に戻し

家に戻ると養母は冷たくなっていた。




──そして、俺一人だけが残されそして誰もいなくなった。




俺は養父の墓の隣に養母の墓を作り終え花を手向たあと、家を出て小高い丘降り、薄い膜から出て霧を抜け、街に行くことを決意した。



多分、今のままでも生活はできるだろう。




ここは他に人も居ないような田舎だが、良い畑もあるし、家畜もいる。




森に入れば食べられる果実や木の実や山菜など豊富にあるし、野鳥や野生動物のような獲物だっている。

何時も霧がかかる海の洞窟に行けば白い鉄の塊の遊び場だってある



遊ぶにも食べるには全く困らない。




でも──。




俺はその住み慣れた、小さな我が家を離れることにした。




どうしても、やりたいことがあったのだ。




俺は『冒険者』になりたかった。




幼い頃、養父からよく聞かされていた勇者や英雄譚の主人公のような冒険者に。




仲間の美女とパーティーを組み共に巨大な竜を倒し──隠された財宝を得て、さらなる冒険に挑む。




老賢者や魔導師に魔法を教わり、美女にかけられた呪いを解き、精霊王からありとあらゆる万病を癒す霊薬を手に入れ神の加護を得て更に冒険に挑み旅をする。




そんな心躍らせるような様々な勇者や英雄達の冒険の数々を、寝る前に養父は何度も何度も話してくれた。




──ありとあらゆる万病を癒す霊薬。




仮にもし、そんなものが本当にあったら、養父も養母も死なずに済んだのかもしれない。そんな風に考え想像したりもした。




でも、実際にあるかはどこにもない。




全ては幼かった俺を楽しませるためだけの、養父の作り話やあるいは妄想だったのかもしれないし、または養父自身の夢だったのかも知れない。




それは今となってはわかりようがないし知りようもない。




ただ確かめたかったのだ。




養父の話がどこまでが真実で、どこまでが御伽話なのかを。




そしてあの俺の秘密という不思議な話や得体の知れないあの物体も。




いや、もしかしたら本当は真実などどうでもよかったのかもしれない。




俺は、単に物語の登場人物に憧れていたのかも知れない。




父が話す物語の『主人公』の勇者や英雄




どんな困難があっても仲間のために、弱者のために剣を振るい──最後には必ず勝って物語をハッピーエンドへ導いていく。




そんな風になりたいとも思ったしワクワクした。




俺はただ単に、そんな英雄像(ヒーロー)への憧れを抑えられなかったのかも知れないのだ。 




そして俺は1週間かけて連なる丘を越え険しい3つの山脈を越え霧を抜け山を降り、地続きの島を渡り麓の集落を抜け、遥か遠くに見える街の『冒険者ギルド』を目指した。




そこに行けば『冒険者』になれる、と養父母に聞いていたからだ。




ギルドの建物にたどり着くのはとても簡単だった。




門番の衛兵のお兄さんに場所を聞いたら、すぐに教えてくれたからだ。




そう、そこに行くのは簡単だった。




だが、冒険者ギルドに入ると眼光の鋭い強面のお兄さんが出てきて、こう言った。




「おいおい、あのよー、ここは子供の来るところじゃねえんだよなって──さっさと家に帰って親の手伝いでもしなって」




家に帰ったところでもう誰かがいるわけでもない。




俺がなんとか自分の事情を事細かく説明すると、




「なんだ、親なしかよ──じゃぁ──仕方ねえな。それなら、お前──、冒険者の──職業『養成所』に行くか? ──こんなお前みたいな子供が行くのは前例が全くねえんだが──お前がその気なら、どうにかしてやるよ」




お兄さんは頭をボリボリ掻きながら、そんな話を始めた。




この街──王都というかこの国の『冒険者ギルド』への登録志願者は、王立の養成所でいくつかの【職業】の訓練を受けることができるというのだ。





新人冒険者の魔物討伐による死亡事故を未然に防ぐために、今の王が法律で定め決めたのだそうだ。

それも、誰でも完全無料で受けられるらしい。




それだけでなく、その訓練期間中は衣食住が完全保証される。




費用は全額、この国の税金から出してくれるのだそうだ。




俺にとっては願ってもない贅沢な話だ。




もちろん、当然のように俺はその話に飛びついた。





「本気で冒険者になりたければ養成所に行って、まずは何でもいいから【スキル名】一つを根性と死ぬ気で身につけて来やがれ」




その時の俺には何のことだかよくわからなかったが、ギルド職員のお兄さんはそう言った。




 ──【スキル名】?── と。




この時、俺は初めてその【スキル名】と言う存在を知った。




それが世間一般で言うところの強さや能力の有能さの証らしい。




ギルドのお兄さんの話だと、どんな者でも必ず一つは秀でた何らかの【スキル名】の才能を宿しているらしい。




ただし養成所に於いて教官による訓練の指導によるものではあるのだけれども。




その【スキル名】の才能を教官達自ら能力を6ヶ月に渡り見極める為に存在しているのがその養成所だという。




この国には基本となる様々な系統の9つの職業の養成所と9つの職業の特殊養成所がある。そして更に一般国民用の9つの職業養成所がある。




誰でも、望めば好きな職業の訓練を受けることができ、訓練を積めばどんな【スキル名】の才能があるのか、そしてどんな職業に適性があるのかがわずか半年くらいで分かるらしい。




だから俺は冒険者ギルドのお兄さんのアドバイスに従って、いくつか訓練を受けることにした。




ギルドの受付のお兄さんに場所を教えてもらうと深々とお礼を言って、俺は真っ先にある職業養成所に向かった。




『職業養成所』


1【剣士】

2【戦士】

3【槍士】

4【盾士】

5【弓士】

6【盗賊】

7【魔法】

8【僧侶】

9【兵士】


『特殊職業養成所』


10【拳闘士】

11【剣闘士】

12【魔術士】

13【精霊術】

14【召喚士】

15【神官】

16【騎士】

17【従魔士】

18【軍師】


『一般職業養成所』


1【鍛冶士】

2【石木士】

3【商工士】

4【陶芸士】

5【鑑定士】

6【料理士】

7【山人士】

8【狩人士】

9【道具士】






【剣士】


ずっと俺の憧れだった職業だ。




大好きな冒険譚の勇者や英雄は、必ず一振りの剣で山より大きな竜を切って切って切りまくり薙ぎ払っていた。




自分もいつかそんな風になりたいと思っていた。




そんなの絵本の物語の中のことだとはわかってはいるが、もしかしたら、




──俺もそんな風になれるかもしれない。




──いや、絶対になってやる。──きっと




そう思って訓練所に向かい門を叩いた。




「──たのもう──養成を願いする──」




でも──。




6ヶ月の間、訓練教官に指導されて分かったことは




俺には※(特別な)剣士の才能の【スキル名】は無いらしいとという事だった。




それも全くなほどに。




剣士は一にも、二にも、とにかく攻撃だ。




切って、切って、切って、切りまくり、薙ぎ払う。




徹底した破壊力と殲滅力や攻撃力──つまり、剣による攻撃に適した【スキル名】が何よりも求められる。




だが、俺は養成期間である6か月間の限度いっぱいに訓練しても、攻撃に絶対的に有効であるべき【スキル名】が全くと言っていいほど芽生えなかったのだ。




いや、種は撒いたが発芽しなかったと言えるのではないだろうか。おそらくは




毎日、毎日、素振りを朝から晩まで数万回振った。




毎日、毎日、鋼材を朝から晩まで数万回叩き割り切った──全て粉々にして見せた──剣も粉々になり無くなった



だが、


それどころか、普通にやっていれば身につく程度のスキルが、なに一つ身につかない。素振りと基本の型と往なしのみだ。剣士の【スキル】ではあるが有能な【スキル名】とは言えない──ただの【鋼粉砕】か【黒鉄破壊】だ──

そんな【スキル名】は存在しない


故に【スキル名】ではない





そのまま決められた訓練期間の6ヶ月間が終わりになり、諦めきれなかった俺は教官に訓練期間の延長を何度も何度もしつこく申し出た。




でも、




「駄目だ駄目だ──剣士の【スキル名】の見込みがない──【スキル名】が全くなく、ただ剣を型通りに振るだけでは【スキル名】の無い──剣士としては全く役に立たない。もう諦めろ──君の人生という時間を安易に無駄にするだけぞ」




と言われてしまい、俺は肩を落としながらも、次の職業の訓練をすることにした。




──ならば──【剣士】がダメであるならば





次に向かったのが【戦士】の養成所だった。




「──たのもう──養成を願いする──」




俺の憧れの一つだった職業だ。




大好きな冒険譚の勇者や英雄は、必ず一振りの斧で山よりも遥かに大きな竜を殴って殴って殴り倒していた。




身体を張って仲間パーティの盾となり、あらゆる武器を使って最前線で活躍する職業だ。




自分もいつかそんな風になりたいと思っていた。




そんなの絵本の物語の中のことだとはわかってはいるが、もしかしたら、剣士は無理でも戦士に




──もしかしたら俺もそんな風になれるかもしれない。




──いや、絶対になってやる。──きっと




そう思って訓練所に向かい門を叩いた。




だが




6か月の間、訓練教官に指導されて分かったことは




俺には※(特別な)戦士の【スキル名】は無いという事だった。




それも全くなほどに。




戦士は一にも、二にも、とにかくパワーだ。




殴って、殴って、殴っって、殴りまくり、殴り倒しす。




圧倒的な破壊力と打撃力と防御力──つまり、打撃に適した【スキル名】が何よりも求められる。





だが、俺は養成期間である6か月限度いっぱいに訓練しても、打撃に絶対的に有効であるべき【スキル名】が全くと言っていいほど芽生えなかったのだ。




またもや、種は撒いたが発芽しなかったと言えるのではないだろうか。おそらくは──まだ




毎日、毎日、斧を振り、薪割りしを朝から晩まで数万回振り、薪を数十万束以上割ったし屈強な大人たちに混じって、異常な重量物の石柱を担ぎ、大きな石材を肩で運び、馬の無い石材の荷車20列を指で引っ張り血を吐くような思いをして6ヶ月間の訓練を見事こなして見せた。




がむしゃらに必死に訓練についていき、訓練期間の終わり頃にやっと芽生えたのは、身体能力を爆発的に異常に爆上げするだけという【スキル名=身体強化】、子供や女性や老人でも使えるようになるごくごく普通の基礎中の基礎のスキルだった。




それどころか、普通にやっていれば身につく程度のスキルが、なに一つ身につかない。基本の型と身体強化と兜割りのみだ。戦士の【スキル】ではあるが有能な【スキル名】とは言えない




そのまま決められた訓練期間が終わりになり、諦めきれなかった俺は教官に訓練期間の延長を何度も何度もしつこく申し出た。




でも、




「君は有能な【スキル名】が全くなく、ただ重い戦斧を型通りに軽く振るだけでは戦士としては全く役に立たない。君の人生という時間を安易に無駄にするだけだろう。だがあと十年もすれば1人前の【スキル名】になるかも知れないがな。だが我々は君に十年も教える訳にもいかない、残念だが才がないのだろう」




と言われてしまい、俺は肩を落としながらも、次の職業クラスの訓練をすることにした。




 ──【戦士】がダメであるならば






次に向かったのが【槍職】の養成所だった。




「──たのもう──養成を願いする──」




これも、剣士や戦士ほどではないが俺の思い描いていた冒険者像には近い。




なんでもいいから、冒険者として生きられるだけの強さが欲しい。




そうして俺は槍職の訓練所に入り込んだが

槍の柄を折り続けてしまい在庫が無いので型のみとなった。




しかも少し太い鉄の槍でも曲げる始末




俺に槍の才能はないらしい。




それでは一人前の【槍職】としては認められないという。




どうやら俺には槍職の才能もないらしかった。




訓練教官は親身になって俺の相手をしてくれたが




「このまま無理に続けて槍の柄を折り続ければ、お前はすぐに前線で命を落とすことになるだろう」




と他の職業に就くことを勧められた。




俺はさらに落ち込んだが、次へと希望を信じ未来へと託し、違う職に就くための養成所に入った。




次に向かったのは【盾職】の養成所だ。




冒険者として生きられるだけの強さが何か欲しい。




そうして俺は盾職の訓練所に6ヶ月間入り込んだが

盾の持ち手の握りを折ったり破壊するだけでまたもや型だけのみとなりショートソードを使う円形陣などの【防御陣形】という名の【スキル名】のみのスキルになった。





「そんな【スキル名】では話にならん──去れ」




養成所の教官からは一言で終わった






次に向かったのは【狩人】の養成所だ。




近接職が駄目なら、弓で戦うのも悪くないと安易に思ったのだ。




それに狩りだったら、故郷での経験がある。




幾重もの狩り罠を仕掛け大きな野牛や野豚や野猫や野犬や野井守や野獅子や野虎や野豹や野熊や野蜥蜴や野蝙蝠や野蠍を取ったり、石を数十個投げて鳥を数百落としたり飛んで野大鷲を捕まえたり動物を狩ったりするぐらいは出来る。




それなら、俺にだって俄然見込みはあるかもしれないな──、そう思って訓練を始めたのだ。




でも、これも全く駄目だった。




俺がいくら必死に6ヶ月もの間、努力しても【投石砲】という本当に誰でも習得できる物を投げる、女性や子供や無理して老人でも使えるようなスキルしか芽生えなかった。




それどころか、肝心の鉄弓すらまともに扱えず鋼弓や鉄矢を折り続け訓練用の鉄弓がないまま訓練期間が終わった。家にある金剛石弓のとは強度が柔らかいようだった




「残念だが繊細な道具を扱うセンスが絶望的に全くない──去りなさい」




ということを教官に言われただけだった。





養成所を出た後、俺はとても落ち込んだ。





思い描いていた夢物語の冒険譚の主人公になることは、夢のまた夢で自分にできないらしい。




武器を持って華々しく前線や中衛や後衛で戦う職業には全く適性がない。





それならば──と俺は考えを改めることにした。





冒険にいけるのなら、なんでもいいじゃないか




主人公じゃなくても、補助で役に立てるのならいいと思うことにした。




冒険物語の英雄らしくなくてもいい。




なんだってやってやろうじゃあないか。




そしてヤケになりながら俺は【盗賊】職の養成所に入った。




あるいは、いや、もしかしたら、ここなら俺でも少しくらいは活躍できるかもしれない、と若干期待を持ちながら。




だが、そんな考え自体が甘かった。




結局、俺に芽生えたのは足音を消す程度と地図を見る事と気配を消すスキルだけだった。




養成所の担当してくれた盗賊職の教官はこう言う。




「俺の仕掛けた透明隠蔽罠の発見や解除や俺専用のマジックボックス型宝箱の開錠もできない、大陸領域気配察知スキルももたない、ただの気配を部屋ぐらいの範囲しか消せないだけの斥候などお話にもならない。精々野にいる動物を狩るだけだ──竜などの危険極まりない魔物など狩るなど──無謀だ」




「呆れるくらい全く有能な【スキル名】の才能はないからさっさと違う職を探せ」、




とはっきりと言われた。




俺はここが最後の望みだと思っていたので粘ったが、結局追い出されてしまった。




俺は途方に明けくれた。




自分が思うにそこが最後だったのだ。




──俺に出来そうだと思ったものは。




残るは──【魔法】【僧侶】【兵士】職だけ。




最初にギルドのお兄さんから話を聞いて、これはまず間違いなく無理だと最初から諦めていた。




魔法は生まれ持った魔法の天賦の才能と性質、魔法に関する膨大な知識、見識、近道せず遠回りであっても地道な鍛錬が全て噛み合って初めて形になるという。




僧侶などは更に難しい聖魔法と言う難易度の高い魔法を使うらしいし、兵士に至っては武技や戦術や戦略などの高度的な知識とあらゆる武術や剣士、戦士、槍士、盾士、弓士、盗賊などのスキルを平均的に使え更に少し魔法をこなし戦場での自らの軽い治癒が必須で僧侶のスキルが少しなければならないと言う事らしい。




魔法職に就くのは生易しいことではないのだ。





剣士や戦士などの武器を持つ職業よりも遥かにずっと難しいと言われている。




だから、自分でも無理だと思って選択肢から外していた。




だが、やるしかない。





俺にはもう他の道は残されていない。




俺はまだ見たこともない、話で聞きかじった程度でしか知らない、魔法の世界に足を踏み入れてみることにした。




無謀なことは俺だって十分に分かっている。




でも、もしかすると、俺が知らない、あるいは俺だけが知らない、いわゆる隠れた才能という片鱗と言うモノもあるかもしれない。あるいは発現するかも知れない──




そう思って【魔法】の養成所の門を叩いた。




結果から言うと6か月の間──。




情けないほどに──どうにもならなかった。




全くと言っていいほど全然ダメだった。




養成所の門を叩いてやっと出てきた老魔法師に

「適性はないが──、まあ──、ん──、ん~~──、やるだけ──やってみなさい」




と中に入れてもらえはしたが、結局、6ヶ月間で身についたのは指先に親指ぐらいの火種を灯す着火の様なスキル【タイニーファイヤ】や指先に親指ぐらいの火打ち石の様なパチパチする【タイニースパーク】などを始め全て【ミニ】ではなく更に【プチ】でもなく【タイニー】なんとかだけだ。魔力反応も低く、見ようによっては魔法に見えなくもない。



やはり精霊魔導や聖霊魔術や神術では【ボール】並みのサイズには出来ない



──サイズが大きすぎるのだ。あんなサイズにエネルギーを治める事自体



──無謀なのだ。



教官は【サイズ】にこだわっていたみたいだったからだ。



「せめてこのくらいにせんとなホッホッホッホッっ」



──魔法は難しい──



伝説の古の勇者が使っていた魔法とは難しいのだ。あのゴルフボール大のサイズに治めるのはやはり精霊魔導や聖霊魔術や神術では【ボール】並みのサイズには出来ない



──無理矢理やって一番小さいのでも車1台分はある



──俺には小さくする【スキル名】はない





これはどんなに才能の無い者でも3.4日ほど手ほどきを受ければだいたい身につく、といったごくごく初歩のスキルだという事を教官は言ったので、俺はその習得だけに全ての訓練期間を費やした。




一言でいえば、全く【魔法】を活かす才能がなかった。



精霊魔導や聖霊魔術や神術ならば活かせるんだが──



指導してくれた老魔法師は、




「ここまで魔法を活かす才に恵まれない者も恐ろしいくらいめずらしい──魔力っぽい?のはあるんじゃがなぁ、はて?そもそもこれは魔力なのかのう?タイニーファイヤやタイニーウォータ、タイニーサンダ、タイニーウィンド、タイニーアース、その他のタイニー何とか──ん~~全部──ミニでもなくプチでもなくタイニーじゃて」



と、意味深で興味深そうにしながらも俺の面倒をかなり見てくれたが、やはり最後には、




「ここは君の居場所ではない。此処は【魔法職】じゃ──

何か別の道──ん~~──そうじゃなぁ~~──此処

には無いのかも知れんのう──もっと自らの才能を引き出す何かを探すと良いのう──何か1つくらいはあるじゃろて──たまたま儂がお主の才能を引き出せんだけかも知れんしのうホッッホッッホッッ──」




と、優しく諭された。




俺はもう何も言えず、その日に養成所を出て魔法職になる道をあきらめることにした。




そうして──。




冒険者ギルドの斡旋で試すことのできる職業はあと残り2つだけになってしまった。





さらに無謀な魔法職【僧侶】の職業だ。




僧侶は魔法職以上に誰でもなれるわけではない。




完全に天賦の才能だ




聖魔法使う僧侶は生来の神の恩寵を得た者が、幼い時より長い修行を積んだ上に更に徳が溢れるくらいあって就くことになる職業だと言う。





ギルドのお兄さんにも【僧侶】だけは男がなろうと思ってもなれるもんじゃないと言われていた。





俺もそれには納得していた。




でも──。




俺は剣士職にも、戦士職にも、狩人職にも、盾職にも、盗賊職にも、魔法職にも、弓職にも──、なれなかったのにだ。



僧侶職──もう他に希望もない。




だからこそ、最後の2つの内の1つに望みをかけて【僧侶】の職に就こうと養成所に向かった。




辿り着いたのは重厚な白亜の石造りのとても柱の大きな神殿だった。




人目から避けられるような高い壁を跳ねながら中を覗き見、門を激しく叩くと白亜の扉が割れたが中から高い位らしい男神官が出てきて、俺が自分の希望を説明すると、はっきりと




「神よりの天賦の容姿端麗、眉目秀麗の美少女の素養がなければ無理だから、やめておきなさい。ましてや男の上に徳があるようには見えない。そして扉を破壊するのは止めなさい中が見えてしまうではないか」



と言われた。




そんな事は俺だって十分過ぎるほど分かっていた。




でも、諦められないし、諦めたくなかった。




門前払いを決め込む高位の男神官相手に




「訓練を受けさせて貰えるまでは門の前から一歩も動くわけにはいかない」




と伝え、座り込みそのまま坐禅した。




それが一日経ち、二日経ち、十日目となったところで最後には根負けした男神官が




「通りの人目もあるので──ほんの瞬きほどの手ほどきだけなら──」




と──許してくれた。




──そういうわけで、俺は僧侶の修行をすることになった。




だが、訓練の期間6ヶ月間を目一杯、飲まず食わずの1週間の断食を何度も繰り返しながら血の滲むような鍛錬と言う名の坐禅をし、神に祈りを続け、最後の1週間は『神の加護を!せめてローヒールを』と起きては寝て、寝ては起きての毎日20時間、祈りの言葉を口に出し末に身につけたのは【タイニーヒール】という、僧侶の最下級呪文【ヒール】のさらに劣化版のスキル、【ローヒール】よりも更に劣化した【プチヒール】よりも更に自分のかすり傷を指先で気持ち癒す程度の、あるいは凝り固まった肩を揉みほぐす程度の僧侶職としてはあってもなくてもいいような、マッサージ師向けのような、どうでもいいスキルだった。地獄の様な努力をして、──それだけだった。鍵を開けられ両手足に付けられた鎖付きの枷を外され重い鉄の格子扉を開け青空を見上げる──眩しい。──髭も髪も伸びたな──




つまり、ここでも俺に才能がないことが証明されたのだ。




訓練教官の男神官は「通常は幼少期の5歳に全裸の身体検査を合格して容姿端麗、眉目秀麗の『美少女』のみの成人前の14歳までに女神教の教会へのいくばくかの心付けをして頂き、成人司祭の異性との間に密室での秘密の洗礼を受け、そのときにそれぞれの異性の司祭が卑猥な神の声と共に届けてくれる奥義──大人の階段を駆け上がる──という──酒池肉林の──いわゆる『祝福(ギフト)』があるんです。その祝福なしでここまで出来るのはとてもすごいことなんですよ──」と言って凄く蔑ましながら慰めてくれたが、同年代の美少女達の訓練生たちはもっとすごいスキル『ハイヒール』や『オールクリア』や『エリアヒール』や『アンカバー』や『星への癒し』や『光聖水』や『祝福』や『浄化』や『アンデッド昇天』や『癒しの光』や『聖なる光』や『死者蘇生』や『天使の羽』や『神の顕現』や『無垢なる吐息』や『聖魔法攻撃』などをいくつも身につけていて、成長進化と成長速度が段違いで既に絶世の美女で傾城で妖婦のようであり大人の女性だった。




俺が役立たずだということは明らかに明白だった。




次に辿り着いたのは最終職の【兵士】だ。

重厚な石造りのとても大きな城の近くだった。




いわゆる訓練場なのだろう。




兵士と言うよりかはほぼ近衛兵だった。




基本教練のみならず、上級将校の食事や洗濯などの身の回りの世話やらは、間違いなく完璧に出来た。





だが作戦立案や輜重(しちゅう)つまりロジスティクス(物流)輸送業務や輸送統制を行ういわゆる兵站から戦術や作戦や頂点である戦略や国家構想いわゆるビジョンや国家理念などは養父と将棋やチェスの様なボードゲームは散々やったが将棋やチェスの様なわけにはいかなかった。素人1対精鋭1万──単騎特攻──自爆──王やキングだけのまるで勇者の様にはいかなかった。




──結局、全てダメだった。




そうして、俺は特筆で有用なスキルを身につけられず、全ての職業養成所で『適性なし』とされたことを、ギルド職員のお兄さんに報告した。




「全ての養成所でまともなスキルが何一つも身につかなかっただと?──3年もやってか! 


そりゃあひでぇなぁ──それじゃあ、冒険者やってもあっという間に死ぬことになるぞ。


冒険者なんかやめて大人しく故郷に帰って家畜の世話でもしてな。


それとも、俺が他の就職先──例えばだぞ、多人数でチームを組む傭兵団とか、冒険者が行く養成所みたいな一般国民向けの『職人養成所』に行って鍛冶士や石木士、商工士、陶芸士、鑑定士、料理士、山人士、狩人士、道具士などがあるし、


あるいは旅商人辺りの行商の仕事でも探してやろうか?お前が18くらいだったらギルド職員でもいいけどよ──まだ15だろう──成人したばかりじゃねーか」




ギルドのお兄さんには当然のように、冒険者としての道を諦めるように言われた。




冒険者は危険な仕事だ。安定した傭兵とはわけが違う




目先の金につられ無理をすることもある。




それは俺だってわかっている。





お兄さんの言うことはとても理にかなっていた。




でも、俺はあきらめきれなかった。




だから──、黙って──街を後にした。





──俺には、有能な【スキル名】がない。





本当になんの有能な【スキル名】もない。






それがはっきりした。






──でも、それなら。




俺はふと思いついた。




才能がないのなら、その分、努力してもっともっと訓練すればいいのではないか?




そんな考えが頭をよぎった。





俺はどうしてもあきらめきれなかったのだ。





なぜなら、『剣士』や『戦士』の教官があるとき、「身につけたスキルをとても長い間鍛錬すれば、新たな有能な【スキル名】のスキルを身につけることが、極稀にだがある──」と教えてくれたから──。




──そうだ、それしかない。俺はその言葉に縋りついた。




その言葉は、俺にとって最後の希望だった。




きっと、俺にとっては見極めの期間が短か過ぎたのだ。せめてあと百年くらいは──見極めなければならない




もっと鍛錬すれば、俺にだって。





必ずいいスキルが芽生え、冒険者にだってなれるはず。




よし、ならば特訓だ。




故郷に帰ったら、徹底的に自分を鍛える訓練をしよう。




そうして、やはり『剣士』や『戦士』になりたかった俺は、家に帰るとまず即席の木剣と木斧を作り、家の周りの林の木々から縄でぶら下げた木の大木の棒を10万回叩くのと倒木した大樹の幹を10万回叩く訓練を始めた。


 

【剣士】

ひたすら、大木を弾く──ドォンードォンードォンー




ただひたすら、宙で揺れる木の大木を木剣で叩いて弾く。




【戦士】

ひたすら、割る──ズッゴーンズッゴーンズッゴーン




ただひたすら、大樹の幹をナタの様に木の斧で叩いて大樹を割る。





それだけの鍛錬。



【剣士】

『パリィ』往なし




【戦士】

『ヘルムブレーカー』兜割り





──俺が【剣士】の養成所でただ一つ、身につけた剣技スキル──誰にも必要とされない、極めて最低位のスキルを使う正に基本動作とともに姿勢をただし

【往なす】ブゥーンーブゥーンー




俺は食うも寝るのも排泄すら忘れ、朝から晩までひたすら木の大木を弾き素振りをする。



ブゥーンーズッゴーン




3重になった手の豆が痛い

【僧侶】

タイニーヒール──








そうして、1年後。




【往なす】ブゥーンーズッゴーン





俺はついに、一息で木の大木を百本同時に弾くこともできるようになった。



ブゥーンーズッゴーンゴーンゴーンゴーンゴーン



自分でも成長が分かる。



ブゥーンーズッゴーンゴーンゴーンゴーンゴーン



──だが、まだ次のスキルを閃く気配はない。



ブゥーンーズッゴーンゴーンゴーンゴーンゴーン



いつになったら次のスキルを閃くことができるのだろう。


ブゥーンーズッゴーンゴーンゴーンゴーンゴーン



でもきっと、いつかはこうして努力さえ続けていれば

新たなスキルを身につけて、一人前の冒険者になれるかもしれない。



ブゥーンーズッゴーンゴーンゴーンゴーンゴーン




自分の冒険は、



ブゥーンーズッゴーンゴーンゴーンゴーンゴーン




そこから始まるのだ。ふぅ~




そう思うと胸が高鳴る。



ブゥーンーズッゴーンゴーンゴーンゴーンゴーン



未来への希望を胸に、毎日が楽しみで仕方がなかった。ふぅ~





6重になった手の豆と首くらいに腫れた手首がマジ痛い

【僧侶】

タイニーヒール──









それから、時は流れ──3年の月日が流れた。






俺は生活に必要な畑仕事と狩りの時間以外、ずっと朝から晩──疲れ果てて眠るまで、鍛錬を続けていた。




吊るす木の大木はだいぶ前に大木の切株に変えた。




その方が練習になる気がしたからだ。



【剣士】の【往なす】と【戦士】の【兜割り】



同時にそうして、ひたすら弾く。




ブゥーンーズッゴーンゴーンゴーンゴーンゴーン



ズッゴーンズッゴーンズッゴーンゴーンゴーン




宙に舞う無数の大木の切株を弾き、鍛錬するその繰り返し。




そして──。




『往なし兜割り』



今では一息で千の大木の切株を弾くことすらできるようになった。




ブゥーンーズッゴーンゴーンゴッゴッゴッズゴーン





いやもう、目を瞑っていても余裕だな。





でも、次のスキルを閃く気配は、まだない。




「まだまだ、鍛錬が足りないんだな──」




自分としては少しは強くなった気もするが、前に故郷から出て、この世界ではスキルが全てだということを教えられた。




そして未だに、俺はあれから全くスキルを手にしていない。





今のままでは、新人の駆け出し冒険者の域にも達していないのだ。




──こんな調子では、冒険に出るなど夢のまた夢。




俺はそう思い、さらに厳しい鍛錬を己に課すことを決意した。山よりも若干少し高い大木を【往なす】



ブゥーンーズッゴーンゴーンゴッゴッゴッズゴーン


ドッドッドッドッドッ──ズドーンドーンドーン



一番小さい大木が根元から折れ王都の逆の方の山脈の方に倒れ黒色と緑色の首の長い蝙蝠に当たり火を噴きながら怒ってるみたいだが俺が鍛錬していると知り慌てて逃げて行った。



「何か悪りぃ事したみたいだな、スマンスマン

どうやら洞窟の巣穴に帰った見たいだな」




手の皮の厚みが1cm増えた手の豆と黒紫色になった手首がマジ痛い骨が折れたと思った

【僧侶】

タイニーヒール──









それから、さらに2年の歳月が流れた。






俺は1日も欠かさず、更に厳しい鍛錬を続けていた。




毎日に宙を舞う大木の切株の数は増え、1年前に万を超えたあたりからは全く数えていない。いや数えるのが面倒臭い




とにかく、弾き割る。

ひたすら宙にぶら下げた大木の切株を弾き割る、



鍛錬。



ブゥーンーズッゴーンゴーンゴッゴッゴッズゴーン



それだけをひたすら、無心に繰り返してきた。




【往なし兜割り】




今や俺は木剣を振るわずして、万の大木の切株を弾くことすらできるようになった。



何故か分からないが大木の切株が勝手に自らに生命が宿ったかのように避けているが如くだ。




多分風で動いているのだろう




でも、次のスキルを閃く気配は、まだ全くない。




「世の剣士の皆は、一体どれほどの研鑽と鍛錬をしているんだろうか──」




──もはや、俺の頭では想像すらできないでいる。




今ではもう、『冒険者』という存在が天上の更に上の存在にすら思えるようになってしまった。




もしかしたら冒険者って神なのだろか 




俺には有能な【スキル名】の欠片もない。そんなことは分かりきっている。




だからこそ、それを補うつもりでここまでやってきたのだ


ついに己の限界というものをひしひしと感じ始めた。




俺は二十になった。




俺は、まだ若い。毎日寝起きの下着はキャンプ中だ




王都では15で成人だそうだ




成人して直ぐに婚姻する者もいるらしい



裏山だ


けしからん



冒険者になるには有能な【スキル名】を身につけろ、とは言われたが、結局あれから有能な【スキル名】は一つも身に付かなかった。




どれほど足掻いても、「普通の冒険者」として必要で有能な【スキル名】には手が届かないらしい。



だがその【スキル名】って一体なんなのだ。



【スキル名】がなければ冒険者になれないなんて。



【スキル名】がなくて強い奴はいないのだろうか?



有能な【スキル名】──【スキル名】かぁ



【スキル】はあるんだがな



──でも、俺には夢がある。





冒険者になって、麗しい美女仲間と広い世界を見て回り竜と対決という夢が──。






「──無謀極まりない夢、か──美女達と竜討伐」






自分でもそれはわかっているつもりだった。




もうそろそろ、冒険者ではない生き方を本当に探す頃合いなのかもしれない。



美女達だけでもいいんじゃね──



それでも俺は諦めきれず──最後にもう一度だけ




故郷から離れ、王都の『冒険者ギルド』の門をもう一度くぐる事にした。






『発現遅延ギフト』がオンになり起動されました。



EZ/イージー・発現遅延種蒔き/発芽



BYFAR/バイファー(群を抜いて超圧倒的)



が発動しました。




【一時的スキル】


【常識外れの勘違いな無謀者】が発動しました。



【有能なスキル名】が使用出来るようになりました。


スキル【ネットコンビニエンス】が起動しました。

スキル【紋章入りの革袋】が起動しました。

スキル【紋章入りのペンダント】が起動しました。



「えっ──何かスキルがでた」



何か分からんが

有能な【スキル名】かは分からんが──

それっぽいのが出た。







ここまで御読み頂き有り難う御座いました。

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