猶予と
「……嫌です……ナナシさん。僕以外に触らせないで……
僕から離れていかないで! 僕とずっと一緒にいてください……」
家に着いてからも、クヴァレの涙は止まらなかった。泣きながらこんなことをおっしゃる。
「クヴァレ……でも、私は……」
外見5歳児は対象外なんだよ。犯罪なんだよ。
「僕、なんでもしますから! なんでも出来ます! お願いします! お願い……」
「クヴァレ……私、はじめに言ったと思うんだけど、性欲が強くてね。
プラトニックは辛いんだ……」
「僕がなんとかします!」
「いや。実年齢的には問題ないとしても。その体じゃ流石に無理だからね」
「技術で! 遠見や神殿で得た知識で、どんな要望にも応えて見せます。
僕が駄目でも、道具……とか? で! 必ず満足させてみせます!」
誰だ!? 外見5歳の美少女にこんなこと言わせてる奴は!? 私か!!? 私だ!!!
犯罪……我は重度の精神犯罪を犯してしまったのではないか……?
「……ですから……お願い。捨てないで…………ぎゅ。するのは僕だけにして…………お願いします……お願い……」
ど、どうしよう……とりあえず、落ち着かせる為に、ぎゅってしようか……
あぁ、自分が幼気な子を惑わせるとんでもないクズになってしまったような気がする。
「く、クヴァレさんや……ナナシはどこにも行かないよ……?
寂しいならお泊まりはなしにしてもらえるようお話しするよ……?
あ、ほらもしかしたら家族が増えるかも知れないよ? きっと楽しいよ!」
「ナナシさん……僕じゃ駄目ですか……?」
そんな潤んだ目で見つめられても! 外見5歳は対象外!
「せめて猶予を下さい……。
成長するように、頑張るから……」
「……猶予。ど、どれくらい欲しいのかな?」
「1年……いえ、半年で結構です。
彼の方は名前がないから安定せず成長しないと言っていましたよね」
神さまとの会話、聞いてた?
「僕は、成長したい」
「僕が囚われていた神殿へ行けば、
元はどこに住んでいたのかや名前がわかるかもしれないから」
「ナナシさんの隣にいるのが僕じゃないなんて嫌だ。
隣にいるために必要だと言うなら怖いあの国にだっていけるから!」
クヴァレが、こんなに思い詰めていたなんて!
「いいよ! 一緒にいこっか!」
ちょっと遅くなったけど、当初、考えてた事でもあったし。
「いざっ冒険の旅へ!」




