女子力
そう。私は悟ったのだった。
私に足りないのは女子力だと。
川を探そう。
先ずは清潔感を手に入れるんだ。
ラフレシアの生物が死んだかおりではなく、
女子力溢れるシャボンの香りを!
毎日抱き枕にしているクヴァレに朝一番でお願いする。
「ここの近くに飲んでも大丈夫な川ってないかな?」
「……はい! 探してみますね」
今日もクヴァレは可愛い。もちろんこないだのぎゅってして発言も叶えましたとも。
皮膚は元に戻ったというのにしっとりして柔らかく、ちょっとぽちゃっとしてるほっぺとか二の腕とか。
毎日堪能させていただいております。
「ナナシさん。ここから南へ行った所に川があるみたいです。
小動物も飲んでいるみたいなので、飲用しても問題ないかと思います」
「ありがとう! 行ってみるね!」
さて、辿り着きました。なんと5mくらいしか離れていませんでした。
タブレットさーん。石鹸になる植物教えて〜!
「サイカチ……?」
マメ科ジャケツイバラ亜科サイカチ属の落葉高木。ふむ。身のない枝豆を40〜50cmくらい大きくして枯らしたような外見の豆果を水につけて、ちぎって揉むと茶色い汁と泡がでてそれが石鹸代わりになるとな。
とりあえず、生やしてみよう。
「サイカチさーん。女子力をくださーい!」
何のことだかわからないだろうが、優秀な緑の魔法さんはしっかりどっしり大きなサイカチさん推定20mを生やして下さった。
緑の豆果はたくさん成っているが、とれない……低木オプションつけるんだった。
もう少し生育させよう。落ちてくるかも。なんとなく手のひらから力を込めると、茶色くなった豆果がボトっと落ちてきた。
計画通り!
次はこれを使って洗おう。自分を! 服を!
「荊棘さーん。防御壁になってー! ついでに私だけ出入り自由だと直良!」
楠木さんを囲ったように、荊棘がユニットバス程度の大きさのドームになった。
上の方は光が入る様に隙間がある。2mくらいの高さまでは透けない様に密集してくれてる。
「いーれーてー!」
ウゴウゴゴゴゴ
壁の一部が枯れて、中に入れる様になった。
中に入ると荊棘は再び伸びて穴を塞いだ。
楠木さんの荊棘も後でこのオプションをつけようと決意した。
「露天水風呂ー!」
川だって?知ってる。気分だよ気分。
まず、ニットとパンツ(ズボン)は乾かなかったら困るから濡れない所に置いておいて、
下着と自分を洗った。サイカチの豆果は見た目に反して少し甘い匂いがした。女子力!
「気持ちいい〜っクヴァレも歩けるようになったら連れてこよう〜!」
タオル代わりに持ってきた綿で体を拭いて、小川の水を飲む。
水筒欲しいな。クヴァレにも飲ませてあげたい。
タオルや着替えもなんとかしないと。交換する野菜や果物を運ぶのにカバンも欲しい。
余裕が出来たら、机と椅子とか家具に布団。まだまだ必要な物がたくさんある。
頑張らないと。




