表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

⭕ 呪いの家 1


「 よ〜し、着いた!

  これからで “ かくれんぼ ” するぞ! 」

「 ウェ〜〜〜イ! 」

「 えっ…でもって……ヤバいトコじゃね? 」

「 うん、そうだよ。

  あの、じゅえんのモデルになった家だってさ! 」

「 え゛ぇ゛っ?!

  じゅえんのモデル……ガチマジでヤバいトコじゃん!! 」

「 こんな所で “ かくれんぼ ” するのかよ?!

  マジでめようぜ!! 」

「 馬ぁ〜鹿!

  雰囲気が “ にもなんか出そう ” ってだけでモデルになっただけなんだぜ。

  ほんに “ 出た ” なんて噂は無いんだよ。

  の空き家だよ。

  怖がんなって!

  だ朝なんだぜ 」

「 そ…そっか……そうだよな?

  だ昼前だもんな!

  出るわけないよな? 」

「 お…面白そうじゃん?

  空き家で “ かくれんぼ ” なんてさ。

  度胸だめしにはいいんじゃないのか?

  臆病者はないよな? 」

るわけないだろ〜〜〜。

  なぁ、ユタク! 」

「 えっ……僕は……怖いよ… 」

「 おぃおぃ、ユタクぅ〜〜。

  怖がるなよ〜〜。

  ダチのオレ達がるだろ。

  背筋伸ばしてシャキッとしろよな!

  ユタクのへっぴりごしぃ〜〜 」

「 …………サチタ…人の家に勝手に入るのは…くないよ…… 」

い子ちゃんかよ、ユタク… 」

「 空き家だって言ってるだろ。

  誰も住んでないんだよ。

  空き家に入ったって怒られねぇよ! 」


※ 不法侵入で犯罪です!!


「 ほらほら、入るぞ〜〜 」

「 あっ、鬼は誰がやるんだ? 」

「 決まってんだろ?

  オレのユタクちゃんだよ!

  家の中に隠れたオレをユタクに探させるんだよ 」

なんだよ、それ!

  超おもしれぇじゃん! 」

「 賛成ぇ〜〜、やろうぜぃ! 」


 子供達は空き家の敷地内へ入ると、玄関のドアを開けた。

 子供達は土足でズカズカと空き家の中へ入る。


「 うわ〜〜。

  結構、い部屋じゃんかよ…。

  リビングなんて俺んちより広い! 」

「 お〜い、風呂場にてみろよ!

  ジャグジー付いてる! 」

「 やべぇ……トイレが最新式の洋式だよ… 」

「 このキッチン、ママが喜びそうだよ! 」

「 なぁ…ってさぁ、ほんに空き家なのかな? 」

「 いやでも…埃被ってるし、蜘蛛の巣あるし、人が住んでる気配ないよ 」

「 おーい、集まれよ。

  “ かくれんぼ ” 始めるぞ!

  ユタク、の柱に顔を付けて、ゆっくり50数えろよ。

  目はちゃんとつむるんだぞ!

  オレ達は隠れるからな。

  隠れ終わったら、メールを送信するから5人分の着信を確認したら探し始めろよ。

  いいな? 」

「 分かったよ…… 」


 僕はサユタに逆らえないから、言うとおりにする。

 ほんは空き家の中で “ かくれんぼ ” なんてしたくないのに……。

 柱に両手を当てて、手の甲にオデコを付けた。

 両目をつむった僕は、サユタに言われたとおり、ゆっくり50を数え始めた。











 僕のポケットに入っているスマホ(スマートフォン)がブルブルと鳴る。

 ポケットからスマホ(スマートフォン)を出して、画面を見るとメールの着信が5件入っていた。

 僕は空き家の中で隠れているサユタ達を探す為に歩き出した。






ない…?

  みんな…2階に隠れてるのかな? 」


 くまく1階を探してみたけど、サユタ達の姿はなくて……。

 2階に上がるの…怖いなぁ…。

 階段を上がろうとしたら、声を掛けられた。

 ゆ…幽霊?!

 僕は恐る恐る声のした方へ振り返ってみた。


「 あ…あの…… 」

「 あらあら、また可愛い泥棒さんねぇ。

  ひとさまの家に土足で上がり込んで、なにを盗もうとしてるのかな〜〜? 」

「 あ……ちが… 」

「 不法侵入は立派な犯罪よ!

  此方こっちなさい!

  はぁ〜〜〜全く…、最近のガキどもは〜〜。

  ひとさまの家にはいったら駄目だって親から言われてないの? 」

「 ご…御免なさい… 」

「 怖がってないでなさい 」

「 は…はい… 」

「 ──小さな泥棒さん、きみの名前を教えてくれる? 」

「 …………泥棒じゃないです… 」

「 お姉さんから見たら、きみは泥棒なのよ。

  名前! 」

「 …………ユタク…です 」

「 ユタク君ね。

  ユタク君は、お姉さんのおうちに不法侵入してなにをしてたのかしら? 」

「 …………かくれんぼ…です… 」

「 かくれんぼ?

  ひとに土足で上がり込んで、かくれんぼ…。

  ユタクはの学校にかよってるの? 」

「 ……西にしおかじょうあん小学校……です… 」

西にしおかじょうあん小学校って──、隣町じゃないのよ。

  ユタク君、バスに乗ってわざ(わざ)たの? 」

「 えと……僕は歩き…です。

  サユタ達は…バスでたと思います… 」

「 サユタ達ぃ?

  ユタク君の友達? 」

「 ……ただの…クラスメイト…です… 」

「 クラスメイトねぇ。

  ふぅん…言うじゃないの。

  ユタク君、そのサユタって子達に()()られてるんだ 」

「 えっ…ちが……違います… 」

「 あらぁ、意地悪されてるのに、かばっちゃうんだ?

  優しいんだねぇ、ユタク君は 」

「 そ…そんな事…ないです… 」

「 ユタク君、()()は犯罪なのよ。

  悪い事なの。

  悪い事をして喜んだり、楽しんだり、面白がってる子をかばうのは間違ってるわ。

  お巡りさんに逮捕されないだけで、犯罪者なの。

  ちゃんと “ お前達は、犯罪者なんだよ ” って教えてあげるのが優しさよ。

  今の内に “ 悪い事をしてるんだよ ” って事を思い知らせてやらないと駄目なのよ 」

「 ………… 」

「 お姉さんの家に土足で上がり込んで、 “ かくれんぼ ” してるユタク君も犯罪者だから、 “ 悪い事をしてる ” って自覚して、思い知ってもらわないといけないわ 」

「 ご…御免なさい…!!

  も…もう…勝手に空き家に入ったりしません…!! 」

「 ……まぁね、お姉さんも鬼じゃないし。

  1度ぐらいはほとけごころを出してあげてもいいわ 」

「 あ…がとう…御座います…… 」

「 ユタク君、今日きょうはもう、おうちへ帰りなさい 」

「 えっ… 」

「 今回だけは、見逃してあげる。

  でもね、ほとけごころは1度だけよ。

  子供だろうと、次は容赦しないわ 」

「 …………はい… 」

「 ほらほら、雨が降らない内に帰りなさい 」

「 は、はい…。

  ……で、でも…今日きょうは雨が降るなんて、天気予報では言ってなかった…です 」

「 天気予報も絶対じゃないの。

  ユタク君、間違っても歩いて帰るんじゃないわよ。

  子供の1人歩きは危ないんだからね 」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ