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6- サイドフール 寝不足

【剣の集い(エスパーダ)】リーダー、フールの視点です

 ――シフレを追放してから3日がたった。

俺が起きた時、オルに聞いたらしっかりと始末してくれたらしい。


 殺せと俺は言ったのだが、どうやら【龍王大墳墓】の最下層に転送したらしい。

魔力の無駄な気もするが、どっちみち結果は変わらん。


 今頃は地面のシミになってるか、良くて近場にいたオークドラゴンに悲惨なことになってるだろうからな。


 パーティで全員死にかけたダンジョンだ、あそこからの脱出は不可能だろうな。


「ふぅ……茶がうまい」


「今日もお疲れ様です。 いい采配でしたよ」


「ああ、今日のカオスレッドドラゴンは良い稼ぎになった。 やっぱり1人減ると分け前も増えるな」


「あら、ただでさえパーティメンバーに配る量は減らしてるというのに、さらに持ってくつもりですか?」


「あ? あいつらにも少し増やしたから文句はねぇだろ!」


「申し訳ありません。 そういう意味では……」


「だったら何だっていうんだ」


「彼女らも満足しています、今はぐっすり眠ってますよ」


「そうか……なら俺は俺にしかできないことをやるだけなんだが」


 S級パーティともなると、王族のパーティの誘いなどいろいろあって面倒だからな。

こういう招待の手紙には俺の魔力に反応して開くように細工がしてあるのが面倒くさい。


 こういうのを全部オルに投げられればいいんだが、流石にそうもいかないからな。


「そういえばもう深夜の1時か……そういえば今まで俺って何時に寝ていたっけか」


「大体10時には就寝していましたね。 ですが、シフレを追放したことに対する王族の対応で手いっぱいでしたので、しょうがないかと。 しばらくすれば落ち着きますよ」


「それもそうだな。 全く……死んでもなお、まとわりつくか……畜生、寝不足だ」


「後で膝枕してあげましょうか?」


「もう一声」


「あらあら、明日も早いんでしょう? そのくらいにしておいた方がいいですよ」


「――ちっ」



 今日の狩はカオスブルードラゴン。

昨日の物と名前が似ているが、まあ同型のモンスターだ。

最近多いが、まぁ苦戦する相手ではない。


 相手ではないはずなんだ……


「モイヒ! 首を狙え!」


「わかってるって! ――いつもより硬い!」


「オル! ペイル! 傷口を狙って首を飛ばせ!」


「はい。 【真空波】」


「(こくこく)」


 長時間の戦いの末、カオスブルードラゴンの首がボロン! と落ち、地面を震わせる。


「よくやった。 みんな」


「討伐お疲れ様です。 さぁ、ドラゴンの死体を持って帰りますよ」


「ねぇー! 今までお昼前には帰れてたのにもう夕方じゃんか! 流石にすぐは疲れるよ!」


「――うん。 お腹すいた」


「グダグダ言うな。 早く始末しておかないと別のモンスターが来るだろ!」


「へいへい……」


 そう言い、しぶしぶとドラゴンの肉体をばらし、アイテムバッグに投げ込んでいく。


「何でこんなにも時間がかかるんだ……」


「多分特殊個体だと思います。 硬かったですし」


「それもそうだよな……」


 最近同時に出没しているから特殊ということは合点がいくが……


「ええ、もしあの無能がいたらもっと時間がかかっていたと思えば」


「そう思えばいいのか……よし、馬車に行くか」


 そう言い、オルとフールはそそくさと馬車に移動し、全員が乗ったことを確認してオルに馬を動かさせ、町へ帰って行った。


 これからも明らかに時間がかかるようなモンスターは面倒だな……

もう少し良いクエストを持ってきてもらえるよう、オルに伝えておくか。

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