1ー 最難関ダンジョンに追放されました
新作です。
よろしくお願いします。
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「やぁ、シフレ。 早速で悪いけど君を僕のSランクパーティ、【剣の集い(エスパーダ)】から追放しようと思う」
私を呼び出した【剣の集い(エスパーダ)】パーティーリーダー、フールが満面の笑みでそう言う。
「急にそんな…… ガッ!?」
マヒ魔法!?
一体だれが……
「お前が一番わかっているもんだと思ったが……理由は……面倒だ、オル任せた」
そういってベッドで横になり、すぐさま大きないびきをかいて寝てしまった。
この豪胆め……
オルは理由は分からないがフールから1番の信頼を得ている人物だ。
実際有能だし、頼りになるのだが、どうも信頼はできない魔性の人。
「はい。 すみませんね、魔法を使っちゃって。 追放理由は『あなたが唯一攻撃しないから』らしいです」
「なん……で……」
私は笛使いとして2年間、パーティのバフ担当としてやってきた。
少なくとも防御上昇や攻撃上昇、自動回復といったバフをかけることはしていたはずだ。
それに攻撃もしなかったわけじゃない。 できなかったのだ。
パーティの中で唯一の重量武器、バフをかけて攻撃力を上げて敵をぼこぼこにするため、シフレが前線に来る頃には大体の敵は終わってしまっている。
パーティメンバーはそれでいいって言ってたし、フールも戦うなって言っていたはずだ。
「『バフの効果に実感がわかない。 そのくせバフを使うための楽器がデカくて野営のとき邪魔。 そんな無能をこのパーティに入れているとパーティの品が疑われるし、報酬のゴルが減るのも惜しい』とのことです。 そして最後に『体が好みじゃない』ですって」
あのクソ野郎が!!!
そして今確信した。
多分、フールは体が好みだからの理由で信頼を置いているのだ。
――後に抱けるようにと。
「わかりやすいお方ですよ。 因みにギルドにはパーティ脱退の申請はしてありますのでその辺は心配なく」
そうオルが言った後、足元で魔法陣が光り輝く。
ぱっと見で分かるほどの大型術式。
この模様は…… 転移術式!?
「あ、言い忘れてました。 『シフレには追放と言っておくが、正確には抹殺だ。 確実に殺せ』 って言われてますので」
どんどんと光は強くなっている。
マヒがかかっているのも含めると、脱出は絶望的だ。
「私もあなたのことが大嫌いだったのでちょうどよかったです。 あ、転移場所は私たちが最後に行ったダンジョンの最奥です。 マヒもちょうどいいタイミングで切れると思うので頑張ってくださいね~」
そういってオルは笑顔で手を振りながら杖で地面をたたいて魔法陣を起動させる。
私たちが最後に行ったダンジョン【龍王大墳墓】。
ギルド内のダンジョンランキングでは最難関のSクラスに位置する超やばいダンジョン。
大体2週間ほど前に私たちのパーティメンバーで行き、攻略できたものの満身創痍だった。
私単体とか間違いなく死ぬ!
「それでは、さようなら」
オルが杖を地面にたたきつけると、周りの景色は変わり、岩で囲まれた空間だった。
下の星の一番右を光らせていってください。
それとブクマ、感想もよろしくお願いします。
2話、10分後