【8話、つかの間の休息:中編】
できるだけ投稿期間を空けないことを心がけてはいます……が……その……。
ゲームマスター糸から夕食の時間まで部屋で過ごすよう言われて指示された部屋へ入る、目の前の部屋がホテルのような広さであることに驚いた。
「凄い部屋だわ」
疲れた体が沈んでゆくマットレス、永遠に触っていたい程の触り心地のシルクシーツ、ふかふかで丁度良い大きさの枕、どれをとっても100点満点で素晴らしい。
テレビやスマホは無いが、洗顔料や歯ブラシ等のアメニティグッズは揃っている。
「夕食の準備ができました、食堂へお越しください。」
お腹が空くというのはいいことだ、生きていると実感できるから。
「こちらのメニューから夕食をお選びください」
牛丼にカレーライス、サンドイッチと種類が豊富で美味しそうなものばかり
その中でワタシは肉プレートという様々な肉がのったものを選んだ。
鶏肉の唐揚げに、生ハムや牛肉ステーキとどれも美味しいが、それ以上に美味しいのは何かの肉の煮込み料理だった。
「あんなに人を殺したってのによく肉が食べれるわね」
「この肉美味しいわよ、アリアも食べる?」
アリアから言われた嫌味に対して皮肉を返す、肉だけにとは言わない。
「アリア様、言い争いは構いませんが、逆デスゲームプレイ時間外での殺しはおやめください。なぜ自ら死に急ぐ人が何人もいるのでしょうか……人数合わせが面倒なのに」
プレイヤーが減るという可能性の芽は全て潰す、糸はワタシと似た考えのようだ。
糸の仲裁の後、アリアとは離れた席で肉プレートを黙々と食べる。1人で食べても大人数で食べても味は変わらない
「サーヤさん、僕とチームを組みませんか?」
目線を上げると、同じ位の背丈の茶髪で茶色目の男性が前の席へ座った。
「いいけれど、まずは名前を教えて」
「僕の名前は大和です。第1ゲームで何があったのかは知りませんが、サーヤさんのような冷静な人とチームを組みたいと思って話しかけました。」
話の通じる人と会話ができるのがこんなにも楽だとは思わなかった。落ち着いていて尚且つ協力的、デスゲーム作品でもあまり出ない性格だろう。
「話してるところ悪いけど、他の子たちみんなチーム組んだみたいでさ、この3人も合わせて余り者チームとして第2ゲームに参加してもらいまーす」
第2ゲームでチームを組む大和と3人……上手く協力できるかという不安ばかりが頭と心を埋めてゆく……。