【7話、つかの間の休息:前編】
テストテスト、マイクチェーック
「第1ゲームはクリアです、ゴーグルを外してヴァーチャルエッグから出てきてください」
ふう、ひとまずはクリアしたことを褒めよう。アリアではなく薫子が死んだが結果オーライだ
「サーヤってのはどこ?!」
ヴァーチャルエッグから出ると、何にも例えられないキツイ声がした。ワタシを探しているようだが絡まれたら面倒なのでエッグに隠れていよう。
「いた、サーヤはアンタなのね」
隠れていたのに見つかった、よく見ると名前がエッグに刻まれている。これは隠れていてもいなくても結果は同じだな
「……確かにそうだけど、貴女は誰?」
「アリアよ!声で分かるでしょう?!」
分からなかったから聞いたのよ。ゲーム中は可愛く振る舞っていたから声も高くしていたのだろうと理解する、素はこんなキャラだと知ったらやけに可愛がってた暁は絶望していただろう。ん?可愛がってた……暁……なる程
「ああなる程、アリアは暁に恋していたのか」
「なっ!」
顔が真っ赤、図星だな。茹でられた蛸いや蟹のようになり確信した、アリアは暁のことが好きだったがワタシが鬼に差し出したことで暁が脱落し怒っている。
「大体言いたそうなことは分かるは、ワタシが暁を殺したってことを言いたいのでしょう?」
「そうよ!だからアンタを殺して私も死ぬ!」
おいおい過激だなあ!きっとメンヘラとかヤンデレとかそういった部類の人間なのだろうが、あまり関係のないワタシを殺すだなんて酷いな。
「やめときなー、糸がまた困り顔するからさ」
2人の間に入ってきたのは、顔全体を覆うペストマスクを着けた背の高い男だった。
「俺っちが誰か気になるって顔してるなー、俺っちは今回のゲームマスターの補佐で名前は252、言いづらいからニコニーって呼んでね」
軽そうなペストマスク男はニコニーと名乗った、仲裁に入ったことで生存率が少し上がったことにワタシは胸をなで下ろす。
「それと次のゲームの告知に来たんだ。第2ゲームは5対5でチーム対抗戦をしてもらうよ、チームとして5人集める必要があるから、性格悪かったり癇癪起こすと余り者チームになるかもね。敵チームの全滅か降伏が勝利条件で今回のゲームでは死んでもチームが勝てば次のゲームに参加できるんだ」
「武器はゲーム開始前に選んで頂きます。次回のゲームでは3チーム15名がクリアとなり、脱落者は負けた3チーム全員です。第2ゲームは2日後に開始しますので、戦略等をチームで話し合ってください。」
ニコニーが説明している中、割り込むようにしてゲームの説明を続けたのはゲームマスターの糸だ。
これはだいぶ不味いな。個人戦ならどうにかなるかもしれないが、チーム戦となると上手く連携をとれるかが問題になってくる。
それにしても癇癪起こしたのはアリアだと分かるが、性格が悪いとは一体誰のことを指しているのだろうか。疑問点がまた増えた
糸とニコニーの仲はそこそこに良いです。
サーヤとアリアの仲は最悪です。
アリアと暁の仲は両片想いでした。