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(仮)の命  作者: 説子
6/10

【6話、ナイフとワタシとゲーム】

後書きに書くことが特にないので前書きに書き(入力し)ます。

「まずはお前からだ、灰崎」


 灰崎の腹からナイフを抜き取り首へ刺す、だがそれでも死なないのはゲームの仕様だろう。

 なる程、このままいたぶるのも悪くないが、まだ残っているアオナミ、緑川、アリア、薫子の内の3人を早く鬼へ差し出してやった方が良い

 引きずりながらも灰崎を落とす。この体は思い通りには動くが、重たい物を持てる力まである訳ではないようだ。


「3名脱落、クリアまで残り1名、鬼は体育館です。」


 3名脱落はどういうことだと思ったが、見える範囲にまだ生きてる薫子とアリア、手足しか残ってないアオナミ、緑川、灰崎が居た……あったことで理解した。

 逃げ回って鬼の注意を引いていた緑川がワタシの落とした灰崎が当たったか落ちてきたかで怯み、緑川と灰崎が喰われている隙に舞台袖から逃げようとしたアオナミが鬼に見つかり追いつかれて喰われた。ということだろう


「残っているのは女子プレイヤーだけでした。ねえ、またガールズトークをしない?ワタシあの雰囲気嫌いじゃないみたいなの」


 ガールズトークならアリアも死ぬ前最後の思い出になると善意で思い言ってみたが、薫子は逃げながら嫌そうな顔をしてこちらを睨みつけてきた。

 女の敵は女とはよく言ったもので、まさに今の状況ではないだろうか。ヒューマンドラマの作品を避けてきたのが仇となったかもしれない。

 薫子は1階部分で逃げ回り、アリアは向かい側に絶望した表情で座り込んでいる。

 早く第1ゲーム終わらせてあげよう、ワタシはアリアのいる場所へ走り、ナイフを刺そうとした


「痛い……、でもやっとあたしを見たね、サーヤ!」


 が失敗してしまう。何故なら柵を片手で掴み、ワタシのナイフがもう片方の手に刺さりながらでも受け止めたのは、ついさっきまで1階部分で鬼から逃げていた薫子だったからだ。


「サーヤは、話してた時もあたしのいる方だけを見てあたし自身を見なかったわね。ねえどうしたの?サーヤ、蜘蛛を……鬼を倒せばクリアなのよ?持ってるナイフをあたしに渡して?」


 自分にブーメランとしてかえってくるかもしれないがあえて言おう、バカは嫌いだ


「煩い」


 ナイフを抜き取り柵に掴まってる手に刺す、けれども優しげな笑みを浮かべたまま落ち、鬼に喰われた。

 スカッとした。薫子はワタシが苛立ちを感じた人ランキングの1位になっていたから、ワタシが見下したまま薫子が死んでゆくのが中々に良い光景だった。


「1名脱落、9人脱落の条件達成により第1ゲームクリアです。」


 ゲームマスターのアナウンスが流れてから鬼……巨大な蜘蛛が消えた。

 ワタシは落ちたナイフを拾う、刃が血で赤くなってしまったナイフだがとても手に馴染む


「楽しいゲームだったわ」


 今度はボソリと呟かず、とても大きな声で言った。大きな声を出したからか、ワタシの気持ちはとても晴れやかだった。

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