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輪廻転生

反射的に目を細めてしまう。どこまでも続く世界を目の前に口元が綻ぶ。

ここはどこだ?という疑問はない。何故なら自分がどうしてここに来たのかを理解しているから。


「自殺して無になるのが1番怖かったがそれは無さそうで安心した。異世界転生始まるなこれは」


そろそろ神的な存在がきて説明してなんなかんやあって異世界転生する流れをラノベで習得済みの俺はこれから起こることに不安などは一切なかった。


「なぜここに来たのか理解しているか?」


そして興奮冷めやらぬまま、しかし心臓の鼓動を止めてしまうかのような重く響く声がした。


「あぁ、これから異世界転生させてくれるんだろ?」


笑みを浮かべ言う俺の顔はさぞ気持ち悪いだろう。だが次の瞬間、その笑みは無くなっていた。


「お前が望むような異世界転生はさせてやらん。

お前は自殺をした、それも自殺をしなきゃいけない状況でもなく異世界転生したいからなどという理由でだ」


汗が頬を伝う。弁明する余地はない


「異世界には転生させてやる、だが人間からじゃない。お前の世界で言う蚊と同じような存在になってもらう」


頭が真っ白になるとはこういうのを言うんだな、反論しようにも自分が悪いからどうにもできない

あぁ、自殺なんてしなければ


「後悔しても遅いぞ、お前はすでにレールに乗ってしまったのだ。ただ、蚊ではすぐに死んでしまうからな、スキルときて輪廻転生を授けよう。」


すると、まるでゲームのように俺の目の前に青いウィンドウが現れた。


『輪廻転生:死亡時に新たな生を受ける。転生先はランダム』


「お前は人として転生して魔法を使い冒険したかったようだがランダムではいつになることやら、あぁ可哀想に」


声の出処は知らないが笑っているのが聞いていてわかる。癇に障るが仕方ない、これ以上悪くなっても困るからな


「反論してきたら微生物から始めるところだったぞ。ではそろそろ次の自殺者が来る頃だ。」


話が終わると同時に世界の光が強くなり意識が薄れていく。

あぁ、自殺すると地獄へ行くってのは本当だったんだな。


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