高校になって幼馴染に「好きだ」と告白したら、「まずは友達から」と言われて、今までの付き合いは何だったのか、問いただしたら、「う~ん、パシリ?」と言われてキレそうになった件。
僕、藤間達也には佐藤理恵という幼馴染が居る。
家が近く、幼稚園も一緒だったので、物心ついた時からの仲だ。
意識し始めたのは、中学二年生のころで、想いを抱え込んでいた。
高校は理恵の行く学校に合わせて、僕が必死に勉強を頑張って、何とか入学できた。
すべては理恵と一緒に時を過ごしたいためと。
そして。
僕は一大決心をする。
告白。
この好きな想いをぶつけようと。
入学して間もない春の陽気が漂う帰り道に、僕は告白することを選んだ。
いつも二人っきりで帰る帰り道だから、チャンスはあると思う。
きっと、理恵も僕の告白を喜んでくれると。
声を掛けるタイミングを見計らう僕。
家に近づくにつれて、心臓が高鳴っていく。
今日こそは……絶対に……。
僕は勇気を振り絞って、理恵に話しかける。
「夕日、きれいだね」
「うん、きれいね」
「……」
「……」
「あのさぁ……」
「なぁに?」
「僕、理恵の事……」
「え?」
「……」
「……」
次の言葉が出てこない……好きの言葉が出てこない。
告白。こんなに苦しいものだと思わなかった。
勇気を振り絞って、僕は言葉を続ける。
「す、好き……なんだ……」
「ん?」
「理恵の事、ずっと……」
「なぁに? 告白のつもり?」
「……うん。だから……付き合ってもらえないかな?」
「う~ん、そうね……じゃあ……」
なんとか言えた! 僕は期待に胸を膨らませながら、彼女の返事を待つ。
きっと……。
「まずは、友達から」
「へ?」
「だ・か・ら! まずは友達から始めましょ!」
僕の思考回路が『?』マークでいっぱいになる。
え? 友達? つい最近だって、僕の部屋に遊びに来て、ゲームしてたじゃないか?
「ねぇねぇ、今までの僕達って……幼馴染だよね?」
「え? そうなるの?」
「僕はそうだと思ってたんだけど……じゃあ、理恵は僕の事、なんだと思ってたの?」
「う~ん、パシリ?」
「へ?」
「いや、パシリだって」
なんだろう、この憤りは……。
毎日、登下校も一緒なのに……。
荷物も持ってあげてたのに……。
僕は今まで理恵に尽くしてきた事を思い出す。
「じゃ、じゃあ、今までの付き合いって……?」
「……何勘違いしてるの? いい加減私も怒るわよ?」
いや、怒りたいのは僕の方だ。
今まであんなに遊んでたのに……。
一緒に居たのに……。
僕の事、パシリだなんて……。
僕の事、友達と思っていなかったなんて……。
僕は思わず、失望と怒りで理恵に言葉を吐いた。
「いい加減にしてくれ! 友達でもなかったなんて!」
「こっちのセリフよ! 何勘違いして怒ってるの? 私は最初っから友達となんて思ったことないんだから! そんな勘違いやろうなんて大っ嫌い! バイバイ!」
彼女は怒って、帰っていってしまった。
僕の想い……彼女には届いていなかったようだ。
春のまだ冷たい風が、僕を撫でていった。