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稽古

翌日、今度はマコを呼んで魔法の練習をすることになった。


「おはよータクミくん!」


「おう、今日はよろしく頼む」


「話はクレア様から聞いてるよー、ダルケル様を追い払う時にすごく大きなファイアボールを出したんだってね!」


「そうそう、魔法使った事なかったからビックリしたよ。あの時はなんとか上に飛ばしたんだけど、このままじゃ危なくて使えないんだ」


「え、未経験からいきなりとんでもサイズのファイアボール作っちゃったの!? すごい、さすがクレア様の旦那さん!」


「もうその話はいいから、魔法の制御の仕方を教えてくれ」


「そんなツンケンしないでくださいよ~。わかりました!お任せください!」


この子はちょっと空気読めない系かな?まぁいいや


あと、脇の方でクレアがすごいジト目でこっちの様子を見てるのがすげー気になる


「といっても、タクミくんがやる事は魔力のコントロールだけだからそんなに難しいことはないよ。前みたいにファイアボールを出してもらえる?」


「うん。えっとー、ファイアボール」


ズォン!


「うわ!」


「おぉ! これはすごい! この大きさはウィザードの中でもトップレベルにしか作れないシロモノだよ!」


「で! ここからどうすればいい!?」


「まずは落ち着いて! 息を整えて!」


「すぅー、ふぅ~」


「体の力を抜いて、リラックス! 力むと魔力が注がれちゃうよ!」


「そ、そっか!」


この前はいきなりの事でパニックになってしまったからな、目の前に相手もいたし。


落ち着いて意識を集中すると、かざした手の先でファイアボールを固定することができた。


「そう、そのまま。手に集まっているエネルギーを自分に戻すことをイメージしてー」


「うん!」


ゆっくりと、言われた通りにイメージしてみる。けどわかんないなー、そもそも自分の中に魔力があるっていうことがピンとこない


「マコ、やっぱわかんないや。魔力というものがイメージできない」


「そう? こんなでかいファイアボールが作れるならわかりそうなものなんだけどー。それじゃあ」


ピタ


「え?」


マコが後ろから俺にくっつき、かざしている手を握る


「今から私が強制的に君の魔力を吸い取ってみるから、自分の魔力の流れを感じて欲しいんだ」


「お、おう。わかった」


「いくよー。そ、、」



「ちょっとー!!」


ドン!


「うわ!」


「キャッ!」


クレアが急に突進してきた


「やばっ!」


ファイアボールが俺のコントロールを離れて飛んでいく


ドガーン!!!


「バリア!」


とっさにマコが俺たち周辺にパリアを展開する。結界が張ってあるはずの道場の壁が欠けてしまった


「ふぅ、危なかった」


「クレア様急に何するんですか!?」


「マコ! ちょっとくっつきすぎじゃないか!?」


「え?」


「だから! タクミにくっつきすぎぃ!」


「確かにくっついていましたけど、タクミくんに魔力の流れを感じ取ってもらわないと、、」


「い、嫌だ!」


「クレア・・・」


こんな取り乱したクレアを見るのは初めてだ。前にマコと3人で街を歩いた時もそうだったけど、俺が他の女性と話しているとすごく嫌そうな顔をしていた気がする。


この子は嫉妬体質なんだ


「クレア、今みたいに俺の魔法が暴発して、もし誰かを傷つけてしまったら魔王討伐どころじゃなくなってしまうだろう? 少しだけだから、ね?」


「う~~!! じゃあ、私もくっつく」


「え?」


「いいでしょ!? 邪魔はしないから!」


「わかりました、大丈夫です! じゃあ改めてタクミくん、ファイアボールを」


「ファイアボール!」


ズォン!


マコが後ろから俺にくっつく


「タクミ!」


クレアは前から俺に抱き着く。前からクレア、後ろからマコ。



何これ?



「タクミくん、いくよ!」


「おう!」


あぁ、なるほど。これが魔力か


自分の中から今まで感じたことのないエネルギーがマコに流れていくのがわかる


ファイアボールがみるみる小さくなっていく


「タクミくん! 今度は自分の魔力でファイアボールを元の大きさに戻してみて!」


「うん!」


次は自分の中から魔力を引き出して手の先に持っていく

ズン!


「お、ファイアボールが元に戻った!」


「いい感じだね! じゃあこれはどう?」


マコの魔力吸引が少し強くなる


「特に問題ないぞ!」


「君は本当にすごいね! ちょっと本気出しちゃう!」


更にマコが魔力を吸い取っていく・・・・でも、まぁ別にー。なんなら


「ふっ!」


「アンッ!」


こっちからマコに魔力を送り込んでみる


「な、何これっ! すごっ!///」


「どうした? 欲しいってんならくれてやるぞ!」


「や、やばっ! すごいぃ/// こんなの初めてだよぉ」


「・・・もう、無理///」


マコが吸引をやめ、その場に崩れ落ちてしまった。それと共にファイアボールを消す


「なるほど、これが魔力ってやつか。マコのおかげで完璧に理解できたよ」


「タクミくん、、バケモノ/// なんて魔力量。本当にすごかったよ・・・」


「そうなのか?」


「君は、何者なの? あれだけ吸い取っても全く底が見えなかった。あんなファイアボールを作っておいて、魔力の流れを感じないほどの魔力量。常軌を逸してるよ・・・」


「まぁ、ちょっと訳ありでね。言えないんだ」


「無理には聞かないけど、気を付けてね。今は大丈夫かもしれないけど、もし君がこの世界の敵となってしまったら、誰にも止められないかもしれない。そんなレベルだよ、君」


「わかった。気を付けるよ・・・って、いつまで抱き着いてんだクレア」


「お、終わったのか?」


「とっくに」


「そうか、無茶を言ってすまなかった」


「いや、いいんだ。クレアが抱き着けるのは俺だけなんだから」


「タクミ! そ、そういうことを、軽々しく言うのは、や、やめろぉ!」ダダダダダダ!!


顔を真っ赤にして走り去ってしまった


日本でこんな事を言ってしまった日には「はぁ? キモ」というセリフと共にゴミを見るような視線が待っているところだが。異世界、更には剣姫の嫁ともなると効果は抜群のようだ。人生捨てたもんじゃない


ロリ巨乳がくれたすんごい力とやらが少しずつ見えてきている。今わかっていることは、戦士が本気で振り下ろした剣先を片手で掴めてしまう程の反射神経、握力、そしてとんでもない量の魔力、まだあると思っていいだろう。マコも言ってたが使い方には気を付けないといけないな。

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